独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

医薬品・医療用具等安全性情報 No.170

目次

  1. 新医薬品の市販直後調査制度について
  2. B型肝炎ウイルスS抗原の検出を目的とする体外診断用
    医薬品の適正使用について
  3. 重要な副作用等に関する情報
    1 コルチコレリン(ヒト),酢酸ソマトレリン
    2 臭化ジスチグミン(経口剤)
    3 ソマトロピン(遺伝子組換え)
    4 ファモチジン
  4. 使用上の注意の改訂について(その129)
    アセメタシン他(13件)
 

 前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.169)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「3 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について,改訂内容,主な該当販売名,参考文献等をお知らせいたします。

平成13年(2001年)9月
厚生労働省医薬局

情報の概要

No. 医薬品等 対策 情報の概要
1 市販直後調査制度    新医薬品の承認までに得られる有効性,安全性に関する情報等については,患者数,併用薬,合併症,年齢等に関する一定の制限のもとに行われる治験等により得られたものであることから,限定された情報とならざるを得ない。しかし,新医薬品がいったん販売開始されると,治験時に比べてその使用患者数が急激に増加するとともに,使用患者の状況も治験時に比べて多様化することから,治験段階では判明していなかった重篤な副作用等が発現する可能性がある。こうした新医薬品の特性に応じ,特に市販直後に注意深い使用を促し,重篤な副作用等が発生した場合の情報収集体制を強化するため,昨年12月に「医薬品の市販後調査の基準に関する省令(医薬品GPMSP)」が改正され,本年10月1日から「市販直後調査」制度が施行されるので,本制度の内容を紹介する。
2 HBs抗原検査薬  使  HBs抗原の検出を目的とする体外診断用医薬品(HBs抗原検査薬)には,EIA法,イムノクロマト法,化学発光法等様々な測定法のものがあり,それぞれの添付文書には,感度,特異性,再現性,測定範囲等の性能情報が記載されている。
 今般,HBs抗原検査薬について現時点での検査技術水準等を踏まえた適正使用情報を医療関係者に提供するため,厚生労働省が各企業に指導した国立感染症研究所による依頼試験の結果がとりまとめられた。
 この結果を踏まえ,各HBs抗原検査薬の使用上の注意等,添付文書の記載内容の一部が改訂されたので,医療関係者に対して使用上の注意,性能情報等に留意の上,診断目的に応じた製品を選択する等,適正使用を呼びかけることとした。
3 コルチコレリン(ヒト),酢酸ソマトレリン他(3件) 使 症  前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.169)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
4 アセメタシン他(13件)   使用上の注意の改訂について(その129)
 

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新医薬品の市販直後調査制度について

1.はじめに

 医薬品の市販後安全対策については,平成8年に公布した「薬事法等の一部を改正する法律(平成8年法律第104号)」等により,その充実を図り,具体的には次のような対策を講じてきたところであります。
(1)製薬企業等による厚生労働省への副作用報告義務を法律上明文化。併せて,医薬品に起因する感染症報告についても義務化(薬事法第77条の4の2)
(2)製薬企業等による適正使用情報の収集・検討・提供を努力義務として規定(薬事法第77条の3第1項)
(3)医師,歯科医師,薬剤師等の医療関係者による(2)の適正使用情報の収集への協力を努力義務として規定(薬事法第77条の3第2項)
(4)「医薬品の市販後調査の基準に関する省令(平成9年厚生省令第10号。以下「医薬品GPMSP」という。)」の制定
 今般,医薬品の市販後安全対策を改善するため,平成12年12月27日に「医薬品の市販後調査の基準に関する省令の一部を改正する省令(平成12年厚生省令第151号)」を公布し,本年10月1日から新医薬品の「市販直後調査」制度が施行されることとなりましたので,本制度の内容をご紹介いたします。医師,歯科医師,薬剤師等の医療関係者の方々におかれましては,本制度の趣旨についてご理解を賜り,積極的にご協力いただきますようお願い申し上げます。

 

2.市販直後調査の目的

【市販直後調査の目的】
 新医薬品の販売開始直後において,医療機関に対し確実な情報提供,注意喚起等を行い,適正使用に関する理解を促すとともに,重篤な副作用及び感染症(以下「副作用等」という。)の情報を迅速に収集し,必要な安全対策を実施し,副作用等の被害を最小限にすることを主な目的とする。
 

 承認前に治験等から得られる医薬品の安全性情報は,患者数,併用薬,合併症,年齢等の患者背景において限定されたものであり,新医薬品の市販後においては,その使用患者数が短期間に急激に増加し,使用患者の背景も多様化することから,承認前には予測できない重篤な副作用等が発現したり,予測できない頻度等で発現するおそれがあります。このため,新医薬品については,特に製薬企業等において,医療機関に対し確実な情報提供,注意喚起等を行っていただき,適正使用に関する理解を促していただくとともに,副作用等の情報を迅速に収集し,必要な安全対策を実施していくことが重要であり,医療機関においてもこれらの情報をもとに副作用等の発生に留意しながら慎重に使用していただくことが重要となります。
 これまでも,医薬品の安全性に関する事項その他医薬品の適正な使用のために必要な情報については,先述のように薬事法第77条の3第1項において,製薬企業等に対して収集等の努力を求めるとともに,同条第2項により医師,歯科医師,薬剤師等の医療関係者に対して収集への協力をお願いしてきたところでありますが,今般,こうした状況を踏まえ,医薬品GPMSPの一部を改正し,「市販直後調査」制度を新設いたしました。

 

3.市販直後調査の定義

【市販後調査の定義】
 医薬品の製造業者等が,製造又は輸入の承認を受けた医薬品の品質,有効性及び安全性に関する事項その他医薬品の適正な使用のために必要な情報(以下「適正使用情報」という。)の収集及び検討を行い,その結果に基づき医薬品による保健衛生上の危害の発生若しくは拡大の防止,又は医薬品の適正な使用の確保のために必要な措置(以下「適正使用等確保措置」という。)を講ずることをいう。
【市販直後調査の定義】
 「市販後調査」のうち,製造業者等が,販売を開始した後の6箇月間,診療において,医薬品の適正な使用を促し,重篤な副作用等の症例等の発生の迅速な把握のために行うものをいう。
 

 医薬品GPMSPの定義にもありますように「市販直後調査」は,あくまでも「市販後調査」の一つであり,この調査によって把握された重篤な副作用等の適正使用情報についても当然,製薬企業等は検討を行い,その結果に基づき適正使用等確保措置を講ずることとなります。なお,この定義にある「重篤な副作用等」とは具体的には次のような副作用等の症例を指しております。
(1)死亡
(2)障害
(3)死亡又は障害につながるおそれのある症例
(4)治療のために病院又は診療所への入院又は入院期間の延長が必要とされる症例
(5)(1)から(4)までに掲げる症例に準じて重篤である症例
(6)後世代における先天性の疾病又は異常

 

4.市販直後調査の対象となる医薬品

 市販直後調査の対象となる医薬品は,医療用の「新医薬品」です。なお,市販直後調査に係る規定は,本年10月1日に施行されますので,同日以降に承認された新医薬品の販売が開始された時点からこの調査の運用が具体的に開始されることになります。

 

5.市販直後調査の実施方法

 市販直後調査の実施方法は,概ね次のように行うこととされております。
(1)調査対象医薬品の明示
 調査対象となっている医薬品を明らかにするため,「製品情報概要」,「使用上の注意の解説」等の説明文書に業界が統一的に定めるマーク(調査期間も明示)が付されることになっております。

(2)納入前の説明及び協力依頼
 製薬企業等は,当該医薬品を使用する医療機関に対し,原則として,納入前に次のような説明及び協力依頼を医薬情報担当者(MR)により行います。納入前にMRによる説明及び協力依頼を実施できない場合は,納入前に文書で説明及び協力依頼の内容を連絡の上,納入開始後2週間以内を目安としてMRによる説明及び協力依頼を行います。なお,この「医療機関」に調剤薬局は含まれておりません。なお,MRによる納入前の説明及び協力依頼を実施できない場合の連絡方法については,例えば,企業が作成した市販直後調査の趣旨,協力依頼の内容等を記載した依頼状などの文書の郵送,FAX又は電子メールによる送信,医薬品卸売一般販売業者等を活用した伝達,電話による連絡などが挙げられます。
 【説明及び協力依頼等の内容】
 ・当該新医薬品が市販直後調査の対象であり,その期間中であること。
 ・当該新医薬品を慎重に使用していただくとともに,因果関係が否定できない重篤な副作用等が発現した場合には速やかに当該企業に報告していただきたいこと。
(3)納入後の協力依頼及び注意喚起
 製薬企業等は,各医療機関に対し,上記の2点について,納入後2ヵ月間は概ね2週間以内に1回の頻度で,その後も期間中は適切な頻度(概ね1ヵ月以内に1回)で,協力依頼を行い,注意喚起を行います。この場合の協力依頼及び注意喚起についても,納入前と同様にMRによることが好ましいですが,それが不可能な場合には,先述のような文書の郵送,FAX,電子メール,医薬品卸売一般販売業者,電話等による連絡となることがあります。
(4)重篤な副作用等情報の入手及び報告
 製薬企業等は,重篤な副作用等の発生情報を医療機関等から入手した場合には,速やかに詳細情報の把握に努め,さらに薬事法の規定に基づき厚生労働省に副作用等症例報告を行います。(図)
(5)実施状況等の報告
 製薬企業等は,本調査の実施状況等を報告書として所定の様式にとりまとめ,厚生労働省医薬局安全対策課に市販直後調査実施計画書とともに調査期間終了後2ヵ月以内に提出します。

 

6.その他

(1)病院薬剤部等の協力
 上述(5の(2)~(4))の「納入前の説明及び協力依頼」,「納入後の協力依頼及び注意喚起」並びに「重篤な副作用等情報の入手及び報告」に際しましては,本制度の効果的・効率的な実施を図るため,病院薬剤部等の協力を是非お願いしたいと考えております。これらの説明及び協力依頼等については,各製薬企業等が原則として各医療機関の処方医ごとに行うことになりますが,大きな病院の場合,全処方医に実施することはあまり現実的ではありません。したがいまして,病院内における安全性情報の一元的な収集,提供のために,病院薬剤部や処方の多い診療科などを一元的な窓口としていただくのも一つの方法と考えており,病院内の体制の整備をご検討いただきたいと思います。
(2)医療機関との契約の要否
 市販直後調査は,使用成績調査,特別調査,市販後臨床試験等と異なり,特定の患者についてあらかじめ決められた事項について実施する調査ではなく,あくまでも従来から行われている薬事法第77条の3第1項等に基づく適正使用情報の収集等の活動の一環ですので,本調査に関して製薬企業と医療機関との契約は要しないものと考えられます。

 

7.おわりに

 繰り返しになりますが,市販直後調査は,新医薬品の適正な使用を促すとともに重篤な副作用等の発生を迅速に把握し,必要な安全対策を講じることを目的としており,国民の保健衛生の確保・向上のため,この制度が製薬企業,医療機関等において着実に定着することが期待されております。医師,歯科医師,薬剤師等の医療関係者の方々におかれましては,本制度の趣旨についてご理解を賜り,積極的にご協力いただきますよう重ねてお願い申し上げます。

 

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B型肝炎ウイルスS抗原の検出を目的とする体外診断用医薬品の適正使用について

(1)はじめに

 B型肝炎ウイルス(HBV)のウイルス学的研究の進展に伴い,種々のHBV関連マーカーの検査法が開発されている。
 HBV粒子の表面を覆う蛋白をHBs蛋白といい,HBs抗原はその蛋白の抗原活性として測定される。“HBs抗原陽性”とは,肝臓内にHBVが存在しHBs蛋白を合成している状態,すなわち感染状態を意味している。
 したがって,血中HBs抗原の検出は,B型急性肝炎の診断や,輸血用血液のドナー,妊婦等に行うHBV感染スクリーニングに際して重要な指標となる。また,定量的検査による抗原量の推移は,肝炎の臨床経過を観察する上で有用である。

 

(2)経緯

 HBs抗原の検出を目的とする体外診断用医薬品(HBs抗原検査薬)は,他の体外診断用医薬品と同じく,近年EIA法,イムノクロマト法,化学発光法など様々な測定法が開発され,検出感度の向上,測定操作の簡便化,測定に要する時間の短縮など,より高性能を目指した製品開発がなされている。
 市販されている製品は,それぞれの添付文書に感度,特異性,再現性,測定範囲等の性能情報を明示しているが,開発時期や測定原理,製品特性により性能に大きな差があるため,患者が適切な治療を受ける機会を逸しないよう,診断目的に応じた製品が選択されることが必要である。
 厚生労働省では,HBs抗原検査薬について現時点での検査技術水準等を踏まえた適正使用情報を医療関係者に提供するため,HBs抗原検査薬を製造又は輸入する各企業に対し,国立感染症研究所に試験を依頼するよう指導した。

 

(3)試験結果の紹介

 国立感染症研究所において実施したHBs抗原検査薬の試験結果の概要を示す(表1)

 

表2 主なHBs抗原検査薬

販売名(製造/輸入企業)
Eテスト「TOSOH」II(HBsAg)(東ソー),HBsAg・C.L.I.A.「アボット」(ダイナボット),HBsAg・ダイナパック(ダイナボット),HBsAg-MP「三井」(三井製薬),LIAテスト「ニッスイ」HBs抗原(日水製薬),LPIA・HBs抗原テストG(ユカ・メディアス),LPIA-F・HBs抗原テスト(ユカ・メディアス),アーキテクト・HBsAg QT(ダイナボット),アクセス(HBsAg)(ベックマン・コールター),アドバンスト クオリティーHBsAg(オリエンタル酵母工業/関東化学),イムニスHBsAg EIAキット(特殊免疫研究所),エクステルHBs抗原(協和メデックス),エクステルHBs抗原-H(協和メデックス),エクルーシスHBsAg(ロシュ・ダイアグノスティックス),エスプラインHBsAg(富士レビオ),エバテストHBsAg(日水製薬),エルジア・F-HBs抗原(国際試薬),エンザイグノストHBsAg5.0(デイドベーリング),オースザイムII(ダイナボット),オートエースN HBsAg(アズウェル),オリゴファストHBsAg「ニッスイ」(日水製薬),クイックチェイサーHBsAg(ミズホメディー),クイックビーズHBs抗原(シノテスト),クオルタスシリーズ(カイノス),コバス コア試薬HBsAgII-EIA(ロシュ・ダイアグノスティックス),コバス コア試薬HBsAgII-EIA確認テスト(ロシュ・ダイアグノスティックス),スフィアライトHBs抗原(和光純薬工業),セロディア-HBs(富士レビオ),セロディア-HBs・PA(富士レビオ),ダイナスクリーン・HBsAgII(ダイナボット),ニューセロクリット-HBs(三光純薬),ニューセロクリット-HBs(三光製薬),バイオクリット-HBs(アドテック/三光純薬),バイオクリット-HBs(三光純薬),バイダス アッセイキットHBs抗原(日本ビオメリュー),ビロトスHBs抗原(オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス),フレライザHBs(富士レビオ),マイセルIIHBsAg(特殊免疫研究所),マイセルHBsAg(特殊免疫研究所),メディエースHBs抗原(積水化学工業),モノリサHBsAg(バイオラッド富士レビオ),ラファセル(目黒研究所),ランビア ラテックスHBs抗原(極東製薬工業),ランリームHBsAg(シスメックス),リバースセル(目黒研究所),ルミスポット‘栄研’HBs抗原(栄研化学),ルミパルスIIHBsAg(富士レビオ)

注:現在未発売,又は既に販売を終了した製品を含む。

 

(4)安全対策

 今回の結果から,凝集法やイムノクロマト法に比べEIA法及び化学発光法が感度について一般に優れるといえる。
 しかしながら,キャリアでもまれにHBs抗原が消失することがあり,急性肝炎では早期にHBs抗原の陰性化がみられることがある。また,HBs抗原量が極めて少なかったり,抗原決定基のアミノ酸変異によって抗原活性が低下した場合などにも,HBs抗原が検出されにくくなる。
 したがって,HBV感染のスクリーニングを目的とした場合,EIA法又は化学発光法による製品を用いたとしても,HBs抗原検査単独では感染の有無を判断するには不十分であり,HBc抗体,HBV-DNAその他のHBV関連マーカーの検査結果及び臨床経過も考慮して診断を行う必要がある。
 そのため,HBs抗原検査薬(参考:表2)全般について使用上の注意等の改訂を行い,他の検査結果等を考慮して総合的にHBV感染を診断するよう注意を喚起するとともに,また今回,国立感染症研究所において得られた個々の試験成績はそれぞれの製品の添付文書に記載することとした。
 医療関係者におかれては,添付文書に記載された製品性能に十分留意し,診断目的に応じた製品を選択するとともに,HBV感染の診断に際しては,他のHBV関連マーカーの検査結果及び臨床経過を考慮して総合的に判断するよう,HBs抗原検査薬の適正使用にご配慮願いたい。
 厚生労働省では引き続き,C型肝炎ウイルス(HCV)抗体検査薬についても同様に,現時点の検査技術水準等を踏まえた適正使用情報を医療関係者に提供するため,HCV抗体検査薬を製造又は輸入する各企業に対して国立感染症研究所への依頼試験を指導する予定である。

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》

重要な基本的注意
 B型肝炎ウイルス(HBV)感染の診断は,本製品による検査結果のみで行わず,HBc抗体測定等,他の検査結果及び臨床経過を考慮して総合的に判断すること。
(ゴシック体を用いるなど他の項目に比較して見易くするよう工夫して記載。また,当該製品の検出限界(最小検出感度)及び国立感染症研究所における依頼試験により得られた試験成績については,
[性能]の項に記載)

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重要な副作用等に関する情報

医薬品・医療用具等安全性情報 No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情報」の月刊化について』でお知らせしましたように,前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.169)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。

 

【1】コルチコレリン(ヒト),酢酸ソマトレリン

販売名(会社名) コルチコレリン(ヒト)
 ヒトCRH注「ミツビシ」(三菱東京製薬)
酢酸ソマトレリン
 注射用GRF住友50,注射用GRF住友100(住友製薬)
薬効分類等 内分泌機能検査用試薬
効能効果 コルチコレリン(ヒト)
 視床下部・下垂体・副腎皮質系ホルモン分泌機能検査
酢酸ソマトレリン
 下垂体成長ホルモン分泌機能検査
 
〈使用上の注意(下線部追加改訂部分)〉
[副作用(重大な副作用)] 下垂体卒中:下垂体腺腫患者に投与した場合,視力・視野障害,頭痛,嘔吐等を伴う下垂体卒中があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には外科的治療等適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
70代
下垂体機能検査
(なし)
100μg
1日間
下垂体卒中
投与約45日前 急激な視力低下が出現しCT上,下垂体腺腫(鞍上部進展)を認め,内部は一部のう胞化し下垂体卒中も考えられた。手術目的で入院。
投与日
(投与中止日)
術前下垂体機能評価のため4剤負荷試験(コルチコレリン(ヒト),酢酸ソマトレリン,プロチレリン,酢酸ゴナドレリンの静注)を行ったところ,投与30分後より頭痛,全盲となり下垂体卒中と診断し,緊急に経蝶形骨洞下垂体腺腫摘出術を行った。術後は,入院時程度まで視力,視野ともに回復した。病理組織検査は,gonadotropine cell(FSH-LH cell)adenomaの所見を示した。
中止11日後 術後の下垂体機能評価のため4剤同時負荷試験を行ったが,再発はなかった。
企業報告
併用薬:プロチレリン,酢酸ゴナドレリン
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
50代
下垂体機能検査
(なし)
100μg
1日間
下垂体卒中
投与日
(投与中止日)
コルチコレリン(ヒト),酢酸ソマトレリン,酢酸ゴナドレリン各100μg 静注施行。1時間後,頭痛出現。メトクロプラミド,塩酸ペンタゾシン静注。CT上所見なし。
中止1日後 頭痛が続き頸部硬直を認める。再度CT施行。下垂体腺腫内出血,くも膜下出血を認めた。脳血管撮影の結果,脳動脈瘤その他の異常は否定された。視力,視野の悪化は認めず。補液,鎮痛剤の投与。安静,止血剤,血圧管理を行った。意識障害出現,左片麻痺出現。くも膜下出血後の血管攣縮と判断。
中止6日後 中心静脈栄養にて全身管理を行う。
中止12日後 改善傾向を示した。
中止35日後 経蝶形骨手術にて下垂体腺腫摘出。
中止49日後 後遺症なく退院。
企業報告
併用薬:酢酸ゴナドレリン
 

【2】臭化ジスチグミン(経口剤)

販売名(会社名) ウブテック錠(大正薬品工業)
ウブレチド錠(鳥居薬品)
デニスパン錠(大洋薬品工業)
薬効分類等 抗コリンエステラーゼ剤
効能効果 (1)重症筋無力症
(2)手術後及び神経因性膀胱などの低緊張性膀胱による排尿困難
 
〈使用上の注意(下線部追加改訂部分)〉
[慎重投与] 徐脈・心疾患(冠動脈疾患,不整脈)のある患者[心拍数低下,冠動脈の収縮,冠れん縮による狭心症,不整脈の増悪,心拍出量低下を起こすおそれがある。]
[副作用(重大な副作用)] コリン作動性クリーゼ:本剤による急性中毒症状として意識障害を伴うコリン作動性クリーゼ(初期症状:徐脈,腹痛,下痢,発汗,唾液分泌過多,縮瞳,呼吸困難,血清コリンエステラーゼの低下等)があらわれることがある。このような場合には,直ちに投与を中止し,硫酸アトロピン0.5~1mg(患者の症状に合わせて適宜増量)を静脈内投与する。さらに,必要に応じて人工呼吸又は気管切開等を行い気道を確保すること。
狭心症,不整脈:狭心症,不整脈(心室頻拍,心房細動,房室ブロック,洞停止等)があらわれることがある。このような場合には,直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
70代
前部尿道狭窄による排尿困難
(発作性上室性頻拍症)
15mg
9日間
異型狭心症
投与開始日 本剤と塩酸プラゾシン(1.5mg/日)の投与開始。
投与3日目 胸痛発現。ECG上V2-5にてST上昇を認め,異型狭心症と考えられた。ニトログリセリン投与にて約5分間で胸痛軽快しSTも基線へ復した。
投与9日目
(投与中止日)
本剤を投与中止すると胸痛は発現しなかった。
不明
(再投与日)
本剤のcholinergic effectによるparasym-pathetic toneが上昇し冠動脈のspasmが誘発されたと考え,本剤を再投与したところ再び同様の発作を認めた。
不明 その後,本剤非投与にて心臓カテーテル検査施行,冠動脈内に塩化アセチルコリンを投与したところ,同様の胸痛及びECG変化並びに冠動脈閉塞が認められ,異型狭心症であることが確認された。
企業報告
臨床検査値
  投与22日前 投与4日目 中止31日後
ChE(IU/L) 93 60 107
併用薬:塩酸プラゾシン
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
70代
排尿困難
(うつ病,パーキンソン病,アルコール依存症)
5mg
152日間
洞停止
飲酒歴約40年。胸痛,動悸,失神等の既往なし。
精神病院でアルコール依存症,うつ病の診断で加療を受けていた。
投与開始日 本剤投与開始。
投与152日目
(投与中止日)
突然転倒。血圧 50mmHg台と低値であり,救急センターに搬送となった。来院時,意識障害(JCSI),血圧 54/28mmHg,心拍数 30回/分,洞停止,junctional escape beatを認めた。硫酸アトロピン1A静注したところ,洞調律 40回/分台となった。UCGでは駆出率50%であり,はっきりとしたfocal asynergyは認めなかった。塩酸イソプロテレノールの点滴静注を実施しながらテンポラリーペースメーカー(ペーシングrate 80回/分)を挿入し,その後ICU入室。入室後,来院時のショック状態によると考えられるCK(CPK)の上昇を認めた。入院時から,本剤を含む内服薬は中止とした。入室後も収縮期血圧 70~80mmHg台と低値のため塩酸ドパミンと塩酸ドブタミンを併用した。血圧低値は補液により改善したことから,原因は脱水であったと考えた。塩酸ドパミン及び塩酸ドブタミンは徐々に減量した。
中止2日後 ペーシングrateを落とすと,自己洞調律(60回/分)を認めた。
中止4日後 ペーシングfailureを認めた。しかし,自己の洞調律を維持(心拍数60回/分台)しているため,テンポラリーペースメーカーを抜去した。その後,洞停止は認められなかった。
中止11日後 心エコーにて,左室駆出率45%,全周性(特に中隔)のhypokinesis,心臓カテーテル検査では正常冠動脈。EPSでは,sinus recovery time MAX 1384(HR 130),Wenchbach rate 120(A-H block)であり,rate 150~では2:1 AV blockであった。洞機能不全症候群は否定的であった。来院時,血清K値は5mEq/Lと電解質異常は認めず,また,心臓カテーテル検査,生化学検査上で虚血性心疾患も否定的であった。
中止26日後 退院。
企業報告
併用薬:マレイン酸フルボキサミン,塩酸ミアンセリン,塩酸アマンタジン,シアナミド
 

【3】ソマトロピン(遺伝子組換え)

販売名(会社名) グロウジェクト注1.33mg,同注8mg,同BC8mg(日本ケミカルリサーチ)
サイゼン注1.33mg,同8mg皮下注(セローノ・ジャパン)
ジェノトロピン1.3mg,同5.3mg,同カビクイック0.7mg,同カビクイック1.0mg,同カビクイック1.3mg(ファルマシア)
セロスティム注5mg(セローノ・ジャパン)
ノルディトロピンS注5mg,同S注10mg,同注射用1.33mg,ペン用ノルディトロピン8mg(ノボ ノルディスク ファーマ)
ヒューマトロープ1.33mg,同C6mg,同C12mg(日本イーライリリー)
薬効分類等 ヒト成長ホルモン
効能効果 ○骨端線閉鎖を伴わない下垂体性小人症(セロスティムを除く)
○骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長(ジェノトロピン,ノルディトロピン,ヒューマトロープ,グロウジェクト)
○骨端線閉鎖を伴わない慢性腎不全における低身長(ジェノトロピンのみ)
○骨端線閉鎖を伴わない軟骨異栄養症における低身長(ノルディトロピンのみ)
○骨端線閉鎖を伴わない軟骨異栄養症(軟骨無形成症・軟骨低形成症)における低身長(ヒューマトロープのみ)
○CD4リンパ球数200/mm3以下の症候性HIV感染症並びに後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う体重減少患者における除脂肪体重の増加及びその維持(セロスティムのみ)
 
〈使用上の注意(下線部追加改訂部分)〉
[副作用(重大な副作用)] けいれん:けいれんがあらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。
甲状腺機能亢進症:甲状腺機能亢進症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。
ネフローゼ症候群:ネフローゼ症候群(浮腫,尿蛋白,低蛋白血症)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。
糖尿病:耐糖能低下があらわれ,糖尿病を発症することがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
10代
下垂体性小人症
(喘息)
2IU
1日間
全身痙攣
投与開始日
(投与中止日)
本剤を看護婦の指導の下に,肩に皮下注射した。その後,親に説明中,患者は横に立っていたが,注射約5分後チアノーゼを伴う全身痙攣が出現した。 失禁あり,顔色不良,嘔吐なし,眼球不明。 血圧 80/44mmHg,呼吸促迫などはなかった。 臨床症状(痙攣)のコントロールのため,酸素,抗痙攣剤を用意したが,自然回復した。 その後本剤の投与は中止している。 その後の神経学的検査(CT,安静時の脳波を含む)は正常であったが,過呼吸状態での脳波に棘波,徐波連合が認められた。
企業報告
臨床検査値
  投与68日前 中止2日後
赤血球数(×104/mm3) 494
ヘモグロビン(g/dL) 13.4
ヘマトクリット(%) 40.6
白血球数(/mm3 8600
Seg.(%) 22
Lym.(%) 57
Mon.(%) 6
Eos.(%) 15
AST(GOT)(IU/L) 25
ALT(GPT)(IU/L) 12
Al-P(KAU)(IU/L) 16.9
LDH(IU/L) 168
BUN(mg/dL) 17
クレアチニン(mg/dL) 0.5
Ca(mEq/L) 9.4
IP(mg/dL) 4.8
尿蛋白 TR
尿糖  
ウロビリノーゲン 0.1
尿潜血  
IgE(IU/mL) 2990
RAST HI 3.1
    DI >4.0
    FI 1.8
    FII 2.9
    EI 3.9
ANA <×10
併用薬:なし
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
10代
下垂体性小人症
(なし)
1IU/日
657日間

1.5IU/日
252日間

2IU/日
197日間
バセドウ病
投与開始日 -2.00SDの低身長があり,検査の結果GH分泌不全と診断。甲状腺機能は正常。本剤投与開始
投与990日目 体重が増えなくなった。
投与1,106日目
(投与中止日)
検査でTSH<0.1μIU/mL,T4 17.5μg/dL,T3 317.2ng/dLと甲状腺機能亢進を示した。抗甲状腺マイクロゾーム抗体が25,600倍と高く,TSAb(TSH刺激性レセプター抗体検査)も159%と高値を示したため,バセドウ病と診断された。 本剤投与中止。
中止44日後 プロピルチオウラシル内服開始。
中止46日後 入院治療。
中止85日後 退院。
中止210日後 軽快。
企業報告
臨床検査値
  投与開始304日前 投与504日目 投与1,106日目 中止210日後
T3(ng/dL) 100.8 119.0 317.2 161.3
T4(μg/dL) 7.2 9.1 17.5 9.8
TSH(μIU/mL) 3.0 1.7 <0.1 <0.1
併用薬:なし
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
10代
下垂体性小人症
(両大血管右室起始症)
10IU/週
433日間

12IU/週
522日間

14IU/週
658日間

16IU/週
364日間

5.8mg/週
93日間
(継続中)
特発性ネフローゼ症候群
投与6.5年前 患者は出生直後に両大血管右室起始症と診断されたため,根治術を行った。
投与60日前 成長ホルモン分泌不全性低身長と診断された。
投与開始日 本剤による治療開始。
投与1,173日目 眼瞼浮腫出現。尿蛋白陽性。低蛋白血症により特発性ネフローゼ症候群と診断。入院。
投与1,175日目 ステロイド療法を開始。
投与1,254日目 寛解し,ステロイド療法中止。
投与1,260日目 退院。
投与1,747日目 ネフローゼ症候群再発。
投与1,781日目 ステロイド療法開始。
投与1,950日目 寛解し,ステロイド療法中止。
投与2,030日目 ネフローゼ症候群再発。
投与2,034日目 ステロイド療法開始。
投与2,070日目 ステロイド療法を実施中であるが,寛解に至らず。本剤は投与継続。転帰は未回復。
企業報告
臨床検査値
  投与1,131日目 投与1,173日目 投与1,344日目 投与1,781日目 投与2,070日目
尿蛋白定性 (2+) (-) (3+) (+)
血清総蛋白(g/dL) 7.1 5.6 7.6 4.7 6.9
C3(補体第3成分)(mg/dL) 134
C4(補体第4成分)(mg/dL) 14
併用薬:ジゴキシン,フロセミド,スピロノラクトン,アスピリン,ワルファリンカリウム
 
NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
4
10代
下垂体性小人症
(肥満症を伴うターナー症候群)
3IU/日
688日間

4IU/日
315日間
糖尿病
投与開始日 本剤による治療開始。
投与977日目 定期健診時の検査で尿糖(3+),血糖 299mg/dL,HbA1c=8.0%と上昇。
投与995日目 多飲,多尿の症状出現。
投与1,003日目
(投与中止日)
本剤投与中止。
中止1日後 外来検査にて尿糖(3+)6,690mg/dL,血糖 732mg/dLと高値のため糖尿病と診断され入院。入院後,1日 1,600kcalに制限し,入院4日後にグリベンクラミド内服開始(2.5mg/日)。
中止14日後 尿糖消失し,早朝空腹時血糖も128mg/dLまで低下し,糖尿病は改善。
中止16日後 早朝空腹時血糖も93mg/dLとなり,治癒と判断(回復)。
中止23日後 糖尿病治癒退院(ただし,グリベンクラミド3.75mg/日内服中)。
中止32日後 以後,尿糖(-)でむしろ低血糖(50mg/dL前後)となるため,グリベンクラミド内服中止。
中止101日後 尿糖(-),HbA1c=5.8%と正常。
企業報告
臨床検査値
  投与開始日 投与977日目 中止1日後 中止15日後 中止43日後 中止101日後
血糖値(mg/dL) 91 299 732 111 119 156
HbA1c(%) 4.7 8.0 11.0 11.0 7.7 5.8
併用薬:なし
 

【4】 ファモチジン

●ファモチジン(経口剤)

販売名(会社名) ガスター散2%,同散10%,同錠10mg,同D錠10mg,同錠20mg,同D錠20mg(山之内製薬)
薬効分類等 H2受容体拮抗剤
効能効果 ○胃潰瘍,十二指腸潰瘍,吻合部潰瘍,上部消化管出血(消化性潰瘍,急性ストレス潰瘍,出血性胃炎による),逆流性食道炎,Zollinger-Ellison症候群
○下記疾患の胃粘膜病変(びらん,出血,発赤,浮腫)の改善
 急性胃炎,慢性胃炎の急性増悪期
 
〈使用上の注意(下線部追加改訂部分)〉
[慎重投与] 心疾患のある患者[心血管系の副作用を起こすおそれがある。]
[副作用(重大な副作用)] QT延長:QT延長があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。特に心疾患(心筋梗塞,弁膜症,心筋症等)を有する患者においてあらわれやすいので,投与後の患者の状態に十分注意すること。
意識障害,痙攣:意識障害,全身痙攣(痙直性,間代性,ミオクローヌス性)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。特に腎機能障害を有する患者においてあらわれやすいので,注意すること。
間質性腎炎,急性腎不全:間質性腎炎,急性腎不全があらわれることがあるので,初期症状として発熱,皮疹,腎機能検査値異常(BUN・クレアチニン上昇等)等が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
[副作用
(重大な副作用(類薬))]
(間質性腎炎:他のH2受容体拮抗剤で間質性腎炎(初期症状として発熱,腎機能検査値異常(BUN・クレアチニン上昇等)等)があらわれるとの報告があるので,異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。を削除)
〈参   考〉 企業報告
 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
70代
胃炎
(陳旧性心筋梗塞,胃潰瘍,糖尿病)
20mg(経口)
69日間
QT延長
投与開始日 胃炎治療のため,本剤投与開始。
投与64日目 QTc:0.58。
投与66日目 心筋梗塞,心不全治療のため心臓カテーテル検査及びステント挿入を行った際,モニター心電図上QT延長を認める。QTc:0.65。
投与67日目 QTc:0.66。
投与68日目 QTc:0.65。
投与69日目
(投与中止日)
本剤の投与中止。
中止5日後 QT延長が回復。
中止8日後 QTc:0.54。
企業報告
併用薬:ドカルパミン,塩酸アプリンジン,マレイン酸エナラプリル,酸化マグネシウム,テプレノン,スクラルファート,ニコランジル
 

●ファモチジン(注射剤)

販売名(会社名) ガスター注射用10mg,同注射用20mg(山之内製薬)
薬効分類等 H2受容体拮抗剤
効能効果 上部消化管出血(消化性潰瘍,急性ストレス潰瘍,出血性胃炎による),Zollinger-Ellison症候群,侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術,集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷)による上部消化管出血の抑制,麻酔前投薬
 
〈使用上の注意(下線部追加改訂部分)〉
[慎重投与] 心疾患のある患者[心血管系の副作用を起こすおそれがある。]
[副作用(重大な副作用)] QT延長,心室頻拍(Torsades de pointesを含む),心室細動:QT延長,心室頻拍(Torsades de pointesを含む),心室細動があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。特に心疾患(心筋梗塞,弁膜症,心筋症等)を有する患者においてあらわれやすいので,投与後の患者の状態に十分注意すること。
意識障害,痙攣:意識障害,全身痙攣(痙直性,間代性,ミオクローヌス性)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。特に腎機能障害を有する患者においてあらわれやすいので,注意すること。
間質性腎炎,急性腎不全:間質性腎炎,急性腎不全があらわれることがあるので,初期症状として発熱,皮疹,腎機能検査値異常(BUN・クレアチニン上昇等)等が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
[副作用(重大な副作用(類薬))] (間質性腎炎:他のH2受容体拮抗剤で間質性腎炎(初期症状として発熱,腎機能検査値異常(BUN・クレアチニン上昇等)等)があらわれるとの報告があるので,異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。を削除)
〈参   考〉 企業報告
 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
40代
消化管出血予防
(大腸がん,気管支喘息,肝機能異常)
40mg(静注)
6日間
心室頻拍(Torsades de pointes),QT延長
投与開始日 イオキシランによるショックの治療を行い,消化管出血予防にて本剤の投与開始。このショックでは,QT延長はなく,頻脈のみ発現。肝機能異常もあるため,グリチルリチン・アミノ酢酸・L-システインの投与開始。大腸がんからの出血による貧血もあり,MAP 2袋及びFFP 2袋も投与。
投与3日目 早朝モニター上,心拍数 40台の徐脈となり,QT:0.65,QTc:0.54,散発性のVPCが出現。T波2峰性。午後,心室頻拍に続きTorsades de pointesが出現。前胸部叩打にて洞調律に復帰。リドカイン(2mg/分),体外式ペーシング 70bpm開始。テオフィリン(600mg/日)及びグリチルリチン・アミノ酢酸・L-システイン投与中止。メトクロプラミド減量するも回復せず。
投与6日目
(投与中止日)
本剤の投与前にQTc:0.45であったが,投与1分30秒後にQTc:0.50に延長したため,本剤の投与中止。
中止2日後 QTc:0.44。
中止6日後 軽快となる。
企業報告
併用薬:テオフィリン,グリチルリチン・アミノ酢酸・L-システイン,メトクロプラミド,イオキシラン
 

使用上の注意の改訂について(その129)

前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.169)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「3 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について,改訂内容,主な該当販売名,参考文献等をお知らせいたします。

 
1〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉
アセメタシン
[販 売 名] ランツジールコーワ錠(興和)他
[副作用
(重大な副作用)]
本剤の副作用
ショック,アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,冷汗,顔面蒼白,呼吸困難,血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
出血性ショック又は穿孔を伴う消化性潰瘍や小腸潰瘍,出血性大腸炎があらわれることがあるので,このような場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
無顆粒球症があらわれることがあるので血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
急性腎不全があらわれることがあるので,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
本剤の活性代謝物であるインドメタシンの副作用
再生不良性貧血,溶血性貧血,骨髄抑制があらわれたとの報告があるので血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),剥脱性皮膚炎があらわれたとの報告があるので,症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
性器出血があらわれたとの報告があるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
うっ血性心不全,肺水腫があらわれたとの報告があるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
血管浮腫があらわれたとの報告があるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
肝機能障害,黄疸があらわれたとの報告があるので,検査を実施するなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
(急性腎不全 
 慢性関節リウマチ患者等に長期連用して,角膜混濁及び網膜障害があらわれたとの報告があるので,前駆症状(霧視等の視覚異常)があらわれた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。を削除)
[副作用
(その他の副作用)]
感覚器:流涙,霧視
角膜混濁,網膜障害[慢性関節リウマチ患者等に長期連用して,前駆症状(霧視等の視覚異常)があらわれた場合には直ちに投与を中止すること。]
〈参   考〉 企業報告
 
2〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉
ナブメトン
[販 売 名] レリフェン錠(三和化学研究所)
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),Al-Pの上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
光線過敏症:光線過敏症があらわれることがあるので,皮膚の露光部に発赤,水疱等の症状が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
3〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉
ロキソプロフェンナトリウム
[販 売 名] ロキソニン錠,同細粒(三共)他
[副作用
(重大な副作用)]
溶血性貧血,白血球減少,血小板減少:溶血性貧血,白血球減少,血小板減少があらわれることがあるので,血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
急性腎不全,ネフローゼ症候群,間質性腎炎:急性腎不全,ネフローゼ症候群,間質性腎炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。また,急性腎不全に伴い高カリウム血症があらわれることがあるので,特に注意すること。
〈参   考〉 企業報告
 
4〈精神安定剤〉
エチゾラム
[販 売 名] デパス錠0.5mg,同錠1mg,同細粒(ウェルファイド)他
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害,黄疸:肝機能障害(AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,LDH,Al-P,ビリルビン上昇等),黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
5〈抗うつ剤〉
塩酸イミプラミン
[販 売 名] トフラニール錠10mg,同錠25mg(日本チバガイギー)他
[副作用
(重大な副作用)]
QT延長,心室頻拍(Torsades de pointesを含む):定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
[副作用
(重大な副作用(類薬))]
(四環系抗うつ剤(塩酸マプロチリン)で心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)が報告されているので,定期的に心電図検査を行う等観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。を削除)
〈参   考〉 企業報告
 
6〈抗うつ剤〉
塩酸クロミプラミン
[販 売 名] アナフラニール錠10mg,同錠25mg,同注射液(日本チバガイギー)
[副作用
(重大な副作用)]
横紋筋融解症:筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。また,横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
QT延長,心室頻拍(Torsades de pointesを含む),心室細動:定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
[副作用
(重大な副作用(類薬))]
(四環系抗うつ剤(塩酸マプロチリン)で心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)が報告されているので,定期的に心電図検査を行う等観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。を削除)
〈参   考〉 企業報告
 
7〈抗うつ剤〉
塩酸マプロチリン
[販 売 名] ルジオミール錠10mg,同錠25mg,同錠50mg(日本チバガイギー)他
[副作用
(重大な副作用)]
横紋筋融解症:筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。また,横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
8〈不整脈用剤〉
塩酸ピルジカイニド(経口剤)
[販 売 名] サンリズムカプセル25mg,同カプセル50mg(サントリー)
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害:AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので,このような症状が認められた場合は,投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
9〈アンジオテンシンII受容体拮抗剤〉
ロサルタンカリウム
[販 売 名] ニューロタン錠25,同錠50(万有製薬)
[副作用
(重大な副作用)]
不整脈:心室性期外収縮,心房細動等の不整脈があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに適切な処置を行うこと。
汎血球減少,白血球減少,血小板減少:汎血球減少,白血球減少,血小板減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
10〈消化性潰瘍用剤〉
レバミピド
[販 売 名] ムコスタ錠100(大塚製薬)
[副作用
(重大な副作用)]
白血球減少,血小板減少:白血球減少,血小板減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
11〈膵臓ホルモン〉
インスリン,ヒトインスリン(遺伝子組換え)
[販 売 名] NPHイスジリン(清水製薬)
イスジリン-20,同-40(清水製薬)
レンテイスジリン(清水製薬)
ウルトラレンテイスジリン(清水製薬)
セミレンテイスジリン(清水製薬)
プロタミン亜鉛イスジリン(清水製薬)
ノボリンR注40(ノボ ノルディスクファーマ),ヒューマリンR注U-40(日本イーライリリー)他
[禁   忌]
低血糖症状を呈している患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
[重要な基本的注意] 急激な血糖コントロールに伴い,糖尿病網膜症の顕在化又は増悪,眼の屈折異常,治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。他のインスリン製剤から本剤への変更により,インスリン用量の変更が必要になる可能性がある。用量の調整には,初回の投与から数週間あるいは数カ月間必要になることがある。
〈参   考〉 企業報告
 
12〈合成カルシトニン誘導体〉
エルカトニン
[販 売 名] エルシトニン注,同注10単位,同注20S(旭化成)他
[副作用
(重大な副作用)]
ショック,アナフィラキシー様症状:ショック,アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので,観察を十分に行い,血圧低下,気分不良,全身発赤,蕁麻疹,呼吸困難,咽頭浮腫等の症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),ALPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
13〈合成ペニシリン〉
アスポキシシリン
[販 売 名] ドイル注射用(田辺製薬)
[副作用
(重大な副作用)]
ショック,アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,血圧低下,不快感,口内異常感,眩暈,便意,耳鳴,発汗,気管支痙攣,喘鳴,呼吸困難,顔面潮紅,血管浮腫等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
汎血球減少症,溶血性貧血があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,LDH,γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
[副作用
(重大な副作用(類薬))]
他のペニシリン系抗生物質(ピペラシリンナトリウム)で,発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多を伴うPIE症候群(好酸球性肺炎)があらわれることが報告されているので,異常が認められた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。 (他のペニシリン系抗生物質(アンピシリンナトリウム,カルベニシリンナトリウム,ピペラシリンナトリウム等)で,まれに急性腎不全等の重篤な腎障害を起こすことが報告されているので,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。を削除)
〈参   考〉 企業報告
 
14〈合成ペニシリン〉
塩酸バカンピシリン
[販 売 名] ペングローブF顆粒,同錠250(ウェルファイド)他
[副作用
(重大な副作用)]
ショック,アナフィラキシー様症状:ショック,アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,不快感,口内異常感,喘鳴,呼吸困難,眩暈,全身潮紅,全身そう痒感,血管浮腫,血圧低下等の症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎,出血性大腸炎:偽膜性大腸炎,出血性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害,黄疸:肝機能障害(AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,LDH,Al-P上昇等),黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 
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