目次
- 重要な副作用等に関する情報
1 インフルエンザHAワクチン
2 カベルゴリン
3 コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム(添加物として乳糖を使用している製剤) - 使用上の注意の改訂について(その139)
ヒアルロン酸ナトリウム(注入液), ヒアルロン酸ナトリウム・コンドロイチン硫酸ナトリウム他(6件)
この医薬品・医療用具等安全性情報は, 厚生労働省において収集された副作用情報をもとに, 医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために, 医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成14年(2002年)9月
厚生労働省医薬局
重要な副作用等に関する情報
医薬品・医療用具等安全性情報 No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情報」の月刊化について』でお知らせしましたように, 前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.180)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について, 改訂内容, 参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
【1】インフルエンザHAワクチン
販売名(会社名) | インフルエンザHAワクチン“化血研”(化学及血清療法研究所) インフルエンザHAワクチン「北研」(北里研究所) インフルエンザHAワクチン「生研」(デンカ生研) ビゲンHA(阪大微生物病研究会) |
薬効分類等 | ワクチン類 |
効能効果 | 本剤は, インフルエンザの予防に使用する。 |
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 | |
[副反応(重大な副反応)] | ギラン・バレー症候群:ギラン・バレー症候群があらわれることがあるので, 四肢遠位から始まる弛緩性麻痺, 腱反射の減弱ないし消失等の症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。 けいれん:けいれん(熱性けいれんを含む)があらわれることがあるので, 症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
症例の概要
NO. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副反応 | 備考 | ||||||||||||||||||||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | ||||||||||||||||||||||||||||||
1 | 女 50代 |
インフルエンザの予防 (なし) |
不明 1回 |
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企業報告 | |||||||||||||||||||||||||||
併用薬:なし |
NO. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副反応 | 備考 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2 | 男 10歳未満 |
インフルエンザの予防 (なし) |
0.2mL 2回 |
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企業報告 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
併用薬:なし |
NO. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副反応 | 備考 | |||||||||||||||||||||||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
3 | 女 10歳未満 |
予防接種 (なし) |
0.2mL 1回 |
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企業報告 | ||||||||||||||||||||||||||||||
併用薬:なし |
NO. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副反応 | 備考 | |||||||||||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | |||||||||||||||||||||
4 | 男 60代 |
インフルエンザの予防 (脳梗塞後遺症, 肺気腫, 高尿酸血症, 高血圧, 陳旧性肺結核, 慢性肝炎) |
0.5mL 1回 |
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企業報告 | ||||||||||||||||||
併用薬:酒石酸イフェンプロジル, ホクトチアミン, 塩酸アンブロキソール, 塩酸チクロピジン, ベンズブロマロン, ベシル酸アムロジピン, マレイン酸エナラプリル |
【2】カベルゴリン
販売名(会社名) | カバサール錠0.25mg, 同錠1.0mg(ファルマシア) |
薬効分類等 | 抗パーキンソン剤 |
効能効果 | パーキンソン病 |
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 | |
[慎重投与] |
線維化性肺疾患又はその既往歴のある患者 |
[重要な基本的注意] |
間質性肺炎, 胸水, 胸膜又は肺の線維症があらわれることがあるので, 患者の状態を十分に観察するとともに, 患者に対し, 本剤の投与中に発熱, 咳嗽, 呼吸困難等があらわれた場合には, 本剤の服用を中止し, 直ちに連絡するよう指導すること。 |
[副作用(重大な副作用)] |
間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 発熱, 咳嗽, 呼吸困難, 肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には, 速やかに胸部X線検査を実施し, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 胸水, 胸膜又は肺線維性変化:胸水があらわれることがある。また, 本剤の長期投与及びドパミン受容体刺激作用を有する麦角製剤の治療歴のある患者に本剤を投与した場合, 胸膜又は肺の線維症が報告されている。本剤の投与中に, 呼吸器症状等があらわれた場合には, 速やかに胸部X線検査を実施し, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 肝機能障害, 黄疸:AST(GOT), ALT(GPT), γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害, 黄疸があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
症例の概要
NO. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 | 女 70代 |
パーキンソン病 (痴呆) |
0.25mg 14日間 0.5mg 1mg 2mg |
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企業報告 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
併用薬:塩酸セレギリン, レボドパ・カルビドパ, 塩酸アマンタジン, ファモチジン, 酸化マグネシウム, センノシド, バルプロ酸ナトリウム |
NO. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2 | 男 60代 |
進行性核上性麻痺 (多発性ラクナ梗塞, 神経因性膀胱) |
1mg 5日間 |
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企業報告 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
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併用薬:レボフロキサシン, レボドパ・カルビドパ, 塩酸アマンタジン, 塩酸セレギリン, イブジラスト, セフタジジム |
【3】コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム (添加物として乳糖を使用している製剤)
販売名(会社名) | ソル・メドロール40(ファルマシア) 注射用ソル・メルコート40(富士製薬工業) |
薬効分類等 | 副腎皮質ホルモン製剤 |
効能効果 | ○急性循環不全(出血性ショック, 感染性ショック) ○腎臓移植に伴う免疫反応の抑制 ○受傷後8時間以内の急性脊髄損傷患者(運動機能障害及び感覚機能障害を有する場合)における神経機能障害の改善 ○気管支喘息 |
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 | |
[慎重投与] |
乳製品に対して過敏症の既往歴のある患者 |
[重要な基本的注意] |
(添加物として乳糖を含む製品名を記入)には, 添加物として, 牛の乳由来の乳糖を使用しているため, 乳製品に対して過敏症の既往歴のある患者に投与すると, アナフィラキシー症状があらわれることがあるので, 投与に際しては十分に注意すること。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
症例の概要
NO. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | |||||||||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | |||||||||||||||||||
1 | 男 10歳未満 |
喘息発作 (なし) |
30mg 1日間
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企業報告 | ||||||||||||||||
臨床検査値
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併用薬:アミノフィリン, クロモグリク酸ナトリウム, テオフィリン |
使用上の注意の改訂について(その139)
前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.180)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「1 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について, 改訂内容, 主な該当販売名, 参考文献等をお知らせいたします。
1 | 〈眼科用剤〉 ヒアルロン酸ナトリウム(注入液), ヒアルロン酸ナトリウム・コンドロイチン硫酸ナトリウム |
[販 売 名] | ヒーロン, 同0.6(ファルマシア)他 ビスコート(日本アルコン) |
[重要な基本的注意] | 超音波乳化吸引術を行う前に吸引灌流を行い, 水晶体と本剤との間に灌流液で満たした空間を作ること。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
2 | 〈血管拡張剤〉 カルペリチド(遺伝子組換え) |
[販 売 名] | ハンプ注射用1000(サントリー) |
[副作用(重大な副作用)] | 重篤な血小板減少が認められることがあるので, このような症状が認められた場合は, 投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
3 | 〈気管支拡張剤〉 ツロブテロール |
[販 売 名] | ホクナリンテープ0.5mg, 同テープ1mg, 同テープ2mg(北陸製薬) |
[副作用(重大な副作用)] | アナフィラキシー様症状:アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので, 観察を十分に行い, 呼吸困難, 全身潮紅, 血管浮腫, 蕁麻疹等の症状が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
4 | 〈H2受容体拮抗剤〉 ラフチジン |
[販 売 名] | ストガー錠5, 同錠10(ユーシービージャパン), プロテカジン錠5, 同錠10(大鵬薬品工業) |
[副作用(重大な副作用)] | ショック, アナフィラキシー様症状:ショック, アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので, 観察を十分に行い, 顔面蒼白, 血圧低下, 全身発赤, 呼吸困難等があらわれた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 |
[副作用(重大な副作用(類薬))] | (ショック, アナフィラキシー様症状を削除) |
〈参 考〉 | 企業報告 |
5 | 〈副腎皮質ホルモン製剤〉 副腎皮質ホルモン製剤(外用剤を除く) |
[販 売 名] | プレドニン錠5mg(武州製薬), プレドニゾロン散「タケダ」1%(武田薬品工業)他 |
[重要な基本的注意] | 特に, 本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると, 致命的な経過をたどることがあるので, 次の注意が必要である。 (1)本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。 (2)水痘又は麻疹の既往のない患者においては, 水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。感染が疑われる場合や感染した場合には, 直ちに受診するよう指導し, 適切な処置を講ずること。 (3)水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても, 本剤投与中は, 水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。 |
〈参 考〉 | Br. J. Ophtal., 82:704(1998) Physicians Desk Reference 企業報告 |
6 | 〈アトピー性皮膚炎治療剤〉 タクロリムス水和物(外用剤) |
[販 売 名] | プロトピック軟膏0.1%(藤沢薬品工業) | |
[禁 忌] |
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〈参 考〉 | 企業報告 |
7 | 〈抗悪性腫瘍剤〉 シクロホスファミド |
[販 売 名] | エンドキサンP錠, 注射用エンドキサン100mg, 注射用エンドキサン500mg(塩野義製薬) |
[副作用(重大な副作用)] | ショック, アナフィラキシー様症状:ショック, アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 血圧低下, 呼吸困難, 喘鳴, 蕁麻疹, 不快感等があらわれた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群), 中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群), 中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
お知らせ NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ, 最近1年間の「医薬品・医療用具等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。 「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120-161-011 なお, 医薬品情報提供ホームページ(http://www.pharmasys.gr.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。 |