目次
この医薬品・医療用具等安全性情報は, 厚生労働省において収集された副作用情報をもとに, 医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために, 医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成15年(2003年)3月
厚生労働省医薬局
重要な副作用等に関する情報
医薬品・医療用具等安全性情報 No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情報」の月刊化について』でお知らせしましたように, 前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.186)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について, 改訂内容, 参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
【1】 アロプリノール
販売名(会社名) | アイデイト錠(鶴原製薬) アデノック錠(三菱ウェルファーマ) アノプロリン錠(アズウェル) アプリノール錠(帝三製薬) アリスメット錠(辰巳化学) アロシトール(田辺製薬) アロチーム錠(沢井製薬) アロック錠(日本ヘキサル) アロプリノールコーワ錠(興和) アロプリノール錠(昭和薬品化工) アロプリノール錠(東洋ファルマー) アロリン錠(東和薬品) アンジーフ(日本ケミファ) ケタンリフト錠(太田製薬) ケトブンA(イセイ) サイトックD錠(東亜薬品) ザイロリック錠, 同錠50, 同錠100 (グラクソ・スミスクライン) サロベール錠(大日本製薬) タカナルミン錠(高田製薬) ノイファン錠(ナガセ医薬品) プロデック錠(大洋薬品工業) マサトン錠(全星薬品工業) ミニプラノール錠(日本ガレン) モナーク錠(エスエス製薬) ユーリック錠(日新製薬) リボール錠, 同細粒(日本シエーリング) |
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薬効分類等 | 痛風治療剤 | |
効能効果 | 下記の場合における高尿酸血症の是正 痛風, 高尿酸血症を伴う高血圧症 |
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 | |
[重要な基本的注意] |
腎機能障害のある患者では本剤やその代謝物の排泄が遅延し高い血中濃度が持続するので, 投与量の減量や投与間隔の延長を考慮すること。特に腎不全患者に副作用が発現した場合は重篤な転帰をたどることがあり, 死亡例も報告されているので, 患者の状態を十分に観察し注意しながら投与すること。 |
[副作用(重大な副作用)] |
劇症肝炎等の重篤な肝機能障害, 黄疸があらわれることがあるので, 異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
NO. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 | 男 40代 |
高尿酸血症 (慢性腎不全, 上気道感染症) |
50mg 36日間 |
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企業報告 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
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併用薬:クラリスロマイシン |
NO. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2 | 女 40代 |
高尿酸血症 (慢性腎不全, IgA腎症, 高血圧, 腎性貧血, 咽頭痛) |
200mg 38日間 |
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企業報告 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
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併用薬:ベシル酸アムロジピン, メシル酸ドキサゾシン, ロサルタンカリウム, カンデサルタンシレキセチル, エポエチンアルファ(遺伝子組換え), 塩化デカリニウム, 塩化リゾチーム |
【2】ヒドロキシカルバミド
販売名(会社名) | ハイドレアカプセル500mg(ブリストル製薬) |
薬効分類等 | 代謝拮抗剤 |
効能効果 | 慢性骨髄性白血病 |
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 | |
[副作用(重大な副作用)] |
皮膚潰瘍:本剤を長期に投与した症例で皮膚潰瘍(下肢に好発する)があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
症例の概要
NO. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | |||||||||||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | |||||||||||||||||||||
1 | 男 50代 |
慢性骨髄性白血病 (糖尿病) |
1~1.5g 約2年間 |
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企業報告 | ||||||||||||||||||
併用薬:なし |
NO. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | |||||||||||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | |||||||||||||||||||||
2 | 女 80代 |
本態性血小板血症 (なし) |
0.5~1.5g 約2年間 |
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企業報告 | ||||||||||||||||||
併用薬:アスピリン・ダイアルミネート, アテノロール, フロセミド, ロサルタンカリウム, ジピリダモール, 硝酸イソソルビド, ニフェジピン, ニコランジル, アズレンスルホン酸ナトリウム・L-グルタミン, 塩酸チクロピジン |
NO. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | ||||||||||||||||||||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | ||||||||||||||||||||||||||||||
3 | 男 60代 |
慢性骨髄性白血病 (パーキンソン病) |
0.5~1g 約3年3ヵ月間 |
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企業報告 | |||||||||||||||||||||||||||
併用薬:塩酸チクロピジン, センナ・センナ実 |
使用上の注意の改訂について(その144)
前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.186)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「1 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について, 改訂内容, 主な該当販売名, 参考文献等をお知らせいたします。
1 | 〈精神神経用剤〉 エチゾラム |
[販 売 名] | デパス錠0.5mg, 同錠1mg, 同細粒1%(三菱ウェルファーマ)他 |
[副作用(重大な副作用)] | 悪性症候群:本剤の投与, 又は抗精神病薬等との併用, あるいは本剤の急激な減量・中止により悪性症候群があらわれることがある。発熱, 強度の筋強剛, 嚥下困難, 頻脈, 血圧の変動, 発汗, 白血球の増加, 血清CK(CPK)の上昇等があらわれた場合には, 体冷却, 水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。また, 本症候群発症時にはミオグロビン尿を伴う腎機能の低下があらわれることがある。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
2 | 〈精神神経用剤〉 塩酸トラゾドン |
[販 売 名] | デジレル錠25, 同錠50(ファルマシア), レスリン錠25, 同錠50(オルガノン)他 |
[副作用(重大な副作用)] | QT延長, 心室性期外収縮:QT延長, 心室性期外収縮があらわれることがあるので, 定期的に心電図検査を行うなど観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 セロトニン症候群:セロトニン症候群があらわれることがあるので, 錯乱, 発汗, 反射亢進, ミオクロヌス, 戦慄, 頻脈, 振戦, 発熱, 協調異常等が認められた場合には, 投与を中止し, 水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
3 | 〈総合感冒剤〉 ヨウ化イソプロパミド・塩酸フェニルプロパノールアミン・塩酸ジフェニルピラリン |
[販 売 名] | ダン・リッチ(住友製薬) | |
[禁 忌] |
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[副作用(重大な副作用)] | 尿閉:尿閉があらわれることがあるので, 排尿障害, 下腹部膨満感等の異常が認められた場合には, 投与を中止し, 導尿等適切な処置を行うこと。また, 腎後性急性腎不全に至る場合があるので, 注意すること。 | |
〈参 考〉 | 企業報告 |
4 | 〈不整脈用剤〉 塩酸ソタロール |
[販 売 名] | ソタコール錠40mg, 同錠80mg(ブリストル製薬) |
[副作用(重大な副作用)] | 心室細動, 心室頻拍, Torsades de pointes, 心不全, 心拡大:本剤の催不整脈作用による心室細動あるいは心室頻拍, Torsades de pointes, 心不全, 心拡大の症状があらわれることがあるので, 定期的に心電図検査及び胸部レントゲン検査又は心エコー検査を行い, 異常が認められた場合には, 減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(心室細動, 心室頻拍又はTorsades de pointesの場合には下記の処置法を考慮)。 直流除細動, 経静脈ペーシング, エピネフリンの投与, 硫酸マグネシウムの投与 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
5 | 〈その他のアレルギー用薬〉 オキサトミド |
[販 売 名] | セルテクト錠, 同ドライシロップ(協和発酵工業)他 |
[副作用(重大な副作用)] | 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群), 中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
6 | 〈抗ウイルス剤〉 ジドブジン |
[販 売 名] | レトロビルカプセル(グラクソ・スミスクライン) |
[副作用(重大な副作用)] | 膵炎 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
7 | 〈抗ウイルス剤〉 硫酸アバカビル |
[販 売 名] | ザイアジェン錠(グラクソ・スミスクライン) | |
[警 告] |
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[副作用(重大な副作用)] | 過敏症 過敏症の特徴は多臓器及び全身に症状を認めることである。過敏症を発現するほとんどの患者に発熱又は皮疹が認められる。過敏症の徴候又は症状は以下のとおりである。 呼吸器:呼吸困難, 咳, 咽頭痛, 急性呼吸促迫症候群, 呼吸不全 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群), 中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 |
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〈参 考〉 | 企業報告 |
8 | 一般用医薬品 ヨウ化イソプロパミド・塩酸フェニルプロパノールアミン・塩酸ジフェニルピラリン・無水カフェイン |
[販 売 名] | コンタック600EX, ダン12, ダンリッチA, ストナ鼻炎カプセル(住友製薬) |
[してはいけないこと] | 次の人は服用しないこと 次の症状のある人 排尿困難 次の診断を受けた人 高血圧, 心臓病, 甲状腺機能障害, 前立腺肥大 |
[相談すること] | 次の場合は, 直ちに服用を中止し, この文書を持って医師又は薬剤師に相談すること 服用後, 次の症状があらわれた場合 まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けること。 尿閉:尿意があるのに尿が出ない。 (次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談すること 次の症状のある人 排尿困難を削除) |
〈参 考〉 | 企業報告 |
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