独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
メニュー
閉じる
閉じる
閉じる

添付文書、患者向医薬品ガイド、
承認情報等の情報は、
製品毎の検索ボタンをクリックしてください。

安全対策業務

医薬品・医療用具等安全性情報 No.208

目次

  1. 重要な副作用等に関する情報
    1. インターフェロンアルファ(NAMALWA)
    2. テリスロマイシン
  2. 使用上の注意の改訂について(その161)
    塩酸アミトリプチリン他(13件)

 

この医薬品・医療用具等安全性情報は, 厚生労働省において収集された副作用情報をもとに, 医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために, 医療関係者に対して情報提供されるものです。

平成16年(2004年)12月
厚生労働省医薬食品局

 

重要な副作用等に関する情報

 前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.207)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について, 改訂内容, 参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。

 

【1】 インターフェロンアルファ(NAMALWA)

販売名(会社名) スミフェロン300, 同600, 同900注, 同DS300, 同DS600(住友製薬)
薬効分類等 その他の生物学的製剤
効能効果 (スミフェロン300, 600, DS300, DS600)
○腎癌, 多発性骨髄腫, ヘアリー細胞白血病
○慢性骨髄性白血病
○HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善
○C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善(血中HCV RNA量が高い場合を除く)
(スミフェロン300)
○亜急性硬化性全脳炎におけるイノシン プラノベクスとの併用による臨床症状の進展抑制
(スミフェロン300, DS300)
○HTLV-I脊髄症(HAM)
(スミフェロン900注)
○C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善(血中HCV RNA量が高い場合を除く)

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
敗血症, 肺炎等の重篤な感染症:易感染性となり, 敗血症, 肺炎等の重篤な感染症があらわれることがあるので, 患者の全身状態を十分に観察し, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
無菌性髄膜炎[亜急性硬化性全脳炎患者に対して髄腔内(脳室内を含む)投与した場合]:発熱, 頭痛, 悪心・嘔吐, 意識混濁, 髄液細胞増多, 髄液蛋白量増加等が重度で遷延することがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
60代
C型慢性肝炎
(高血圧)
600万IU
68日間
 ↓
600万IU
(3回/週)
87日間
肺炎
投与開始日 本剤連日投与を開始。白血球数5700/mm3
投与69日目 本剤隔日投与に移行。
投与144日目 白血球数4200/mm3
投与153日目 40℃台の発熱。
投与155日目
(投与中止日)
体温は下がっており, 本剤を投与。
その後, 39.7℃の発熱。その後も発熱が続いた。
中止4日後 緊急入院。白血球数17300/mm3, CRP28.9mg/dL。
胸部X線にて右上肺野の肺炎像。
ピペラシリンナトリウム4g, 硫酸アミカシン400mgの点滴静注開始。
中止5日後 白血球数13800/mm3, CRP26.1mg/dL。
中止6日後 解熱傾向。
中止9日後 平熱となった。
中止13日後 CRP0.3mg/dL, 白血球数4000/mm3と炎症反応もなくなりX線上も改善。
中止22日後 退院。
企業報告
併用薬:ニソルジピン, 胃炎・消化性潰瘍用剤, インドメタシン

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
20代
亜急性硬化性全脳炎
(骨粗鬆症)
300万IU
(2回/週~1回/3週)
7年11ヵ月間
 ↓
(53日間休薬)
 ↓
60万IU
1日間
 ↓
300万IU
1日間
無菌性髄膜炎
投与8年8ヵ月前頃より学力低下してきた。投与8年1ヵ月前に痙攣発作が発現し, 入院。亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と診断した。
投与開始日 本剤の髄腔内投与を開始。
投与38日目 脳室内投与に変更。
投与2ヵ月目 この頃までに急速に病状進行し寝たきり状態となった。その後病状の進行はない。
投与7年11ヵ月目
(投与中止日)
本剤300万IUの投与後, 38℃台の熱が発現。
通常なら1~2日で下熱するが下がらなかった。本剤を休薬。
中止4日後 発熱40℃となり来院。血液検査を実施するが異常なし。
咽頭が軽度に発赤。インフルエンザの迅速検査は陰性。
抗生剤(クラリスロマイシン)を5日分処方。
中止7日後 39℃台の発熱が継続。再度血液検査を実施するが肝機能異常〔AST(GOT)103IU/L, ALT(GPT)78IU/L〕以外は問題なし。
中止10日後 39℃台の発熱が継続。左下肢のミオクローヌスが目立ってきた。肝障害〔AST(GOT)90IU/L, ALT(GPT)97IU/L〕がみられた。
髄液検査〔髄液細胞数209/3/mm3(髄液単核球数204/3/mm3, 髄液多核球数5/3/mm3), 髄液蛋白12mg/dL, 髄液糖52mg/dL, 髄液Cl 122mEq/L〕により無菌性髄膜炎と診断した。
脳室内にコハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム50mg注入。
その後3~4日は38℃位の熱でおさまっていたが, 中止16日後には39℃に上昇し, 中止17, 18日後にはやや下降傾向。
中止18日後 37℃台の発熱がみられ, 肝機能〔AST(GOT)57IU/L, ALT(GPT)79IU/L〕, 髄液所見とも改善傾向。無菌性髄膜炎は軽快。
中止40日後 髄液所見が正常化。
中止54日後
(再投与開始日)
本剤60万IUを脳室内注入。
再投与22日目
(再投与中止日)
本剤300万IUを脳室内注入。
夜より38℃台の発熱が発現し, 無菌性髄膜炎が再発(症状:髄液細胞数増多, 発熱)。本剤投与中止。
中止70日後 髄液細胞数は低下し, 無菌性髄膜炎は回復した。
企業報告
臨床検査値
   投与
7年11ヵ月目
(投与中止日)
中止
10日後
中止
18日後
中止
40日後
再投与
中止
6日後
再投与
中止
23日後
再投与
中止
35日後
再投与
中止
49日後
再投与
中止
70日後
髄液細胞数(/mm3 4/3 209/3 80/3 10/3 54/3 118/3 54/3 13/3 7/3
髄液単核球数(/mm3 4/3 204/3 67/3 9/3 52/3 90/3 52/3 12/3 6/3
髄液多核球数(/mm3 0/3 5/3 13/3 1/3 2/3 28/3 2/3 1/3 1/3
髄液蛋白(mg/dL) 11 12 4 7 6 9 9 7 5
髄液糖(mg/dL) 74 52 48 62 54 56 56 60 60
併用薬:フェニトイン, イノシンプラノベクス, バルプロ酸ナトリウム, クロナゼパム

 

【2】 テリスロマイシン

販売名(会社名) ケテック錠300mg(アベンティスファーマ)
薬効分類等 主としてグラム陽性菌, マイコプラズマに作用するもの
効能効果 <適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属, レンサ球菌属, 肺炎球菌, モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス, インフルエンザ菌, レジオネラ属, ぺプトストレプトコッカス属, プレボテラ属, 肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ), 肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
<適応症>
咽頭・喉頭炎, 扁桃炎, 急性気管支炎, 肺炎, 慢性呼吸器病変の二次感染, 副鼻腔炎, 歯周組織炎, 歯冠周囲炎, 顎炎

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[重要な基本
的注意]
意識消失, 視調節障害, 霧視等があらわれることがあるので, 自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
[副作用
(重大な副作用)]
意識消失:意識消失があらわれることがあるので, このような場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
肝機能障害, 黄疸:AST(GOT), ALT(GPT), Al-Pの著しい上昇等を伴う肝機能障害, 黄疸があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
70代
急性咽喉頭炎
(頸部リンパ節炎)
600mg
2日間
意識消失発作
アレルギー体質(アレルギー性鼻炎)の患者。
投与開始日 午前受診し, 急性咽喉頭炎に対して本剤600mgを処方。昼食後, 本剤服用。
約4時間後, 意識消失発作(転倒)発現。同日回復。頭部に打撲を負うも, 転倒した記憶なし。
投与2日目
(投与中止日)
午前受診。前日の意識消失発作については, 内服薬が原因と思わなかったため報告せず。昼食後, 本剤服用。約4時間後, 自宅玄関にて発作発現し転倒。救急車にて他院へ搬送。頭部精査施行するも, 異常なし。同日回復。本剤投与中止。
企業報告
併用薬:なし

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
20代
気管支炎
(なし)
600mg
5日間
肝機能障害
投与開始日 咳・痰あり受診。急性気管支炎の診断にて本剤, カルボシステイン, 臭化水素酸デキストロメトルファン投与開始。
投与5日目
(投与終了日)
本剤は5日間にて投与終了。他剤は継続投与。
終了12日後 血液検査にてAST(GOT), ALT(GPT)の上昇, 発熱あり。
終了13日後 超音波検査, CTでは異常を認めないものの, 血液検査にてAST(GOT)398IU/L, ALT(GPT)574IU/Lと更に上昇。入院。
安静, 点滴静注, 肝庇護剤投与にて加療。咳が持続していたためカルボシステイン, 臭化水素酸デキストロメトルファンの投与は継続。
終了19日後 肝機能障害は次第に改善, 退院。外来にて肝庇護剤の投与を継続。
終了32日後 回復。
飲酒歴:なし
OTC服薬:なし
肝炎ウイルス検査(終了13日後):HBsAg(-), HCV-Ab(-)
自己抗体検査(終了14日後):抗核抗体(-), 抗ミトコンドリア抗体(-)
企業報告
臨床検査値
   終了12日後 終了13日後 終了14日後 終了17日後 終了32日後
AST(GOT)(IU/L) 166 398 325 110 38
ALT(GPT)(IU/L) 220 574 597 348 71
Al-P(IU/L) 322 298 264 277 450
LDH(IU/L) 280 591 405 202 142
γ-GTP(IU/L) 20 20 28 37 39
総ビリルビン(mg/dL) 0.5 0.8 0.5 0.3
併用薬:カルボシステイン, 臭化水素酸デキストロメトルファン

 

目次へ

 

使用上の注意の改訂について(その161)

 前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.207)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「1 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について, 改訂内容, 主な該当販売名, 参考文献等をお知らせいたします。

 

1 〈精神神経用剤〉
塩酸アミトリプチリン
[販 売 名] トリプタノール錠10, 同錠25(萬有製薬)他
[禁忌]
尿閉(前立腺疾患等)のある患者
[重要な基本
的注意]
投与量の急激な減少ないし投与の中止により, 嘔気, 頭痛, 倦怠感, 易刺激性, 情動不安, 睡眠障害等の離脱症状があらわれることがある。投与を中止する場合には, 徐々に減量するなど慎重に行うこと。
[副作用
(重大な副作用)]
セロトニン症候群:不安, 焦燥, せん妄, 興奮, 発熱, 発汗, 頻脈, 振戦, ミオクロヌス, 反射亢進, 下痢等を主症状とするセロトニン症候群があらわれることがあるので, これらの症状があらわれた場合には投与を中止し, 水分の補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
幻覚, せん妄, 精神錯乱, 痙攣:このような症状があらわれた場合には減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

2 〈その他の循環器官用薬〉
塩酸セベラマー
[販 売 名] フォスブロック錠250mg(麒麟麦酒), レナジェル錠250mg(中外製薬)
[慎重投与] 腸管憩室のある患者
腹部手術歴のある患者
[重要な基本
的注意]
腸管穿孔, 腸閉塞があらわれることがあるので, 下記の点に留意すること。
 1)投与開始に先立ち, 患者の日常の排便状況を確認すること。
 2)本剤投与後に便秘の悪化, 腹部膨満感等がみられた場合には, 必要に応じて本剤の減量・中止等の適切な処置を行うこと。特に, 高度の便秘, 持続する腹痛, 嘔吐等の異常があらわれた場合には, 速やかに投与を中止し, 腹部の診察や画像検査(単純X線, 超音波, CT等)を実施し, 適切な処置を行うこと。
 3)患者には排便状況を確認させるとともに, 便秘の悪化, 腹部膨満感等の症状があらわれた場合には, 医師等に相談するように指導すること。
[副作用
(重大な副作用)]
憩室炎, 虚血性腸炎:憩室炎, 虚血性腸炎があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, これらの病態が進行し腸管穿孔等の重篤な状態に至らぬよう, 異常が認められた場合には, 投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
消化管出血, 消化管潰瘍:吐血, 下血及び胃, 十二指腸, 結腸, 直腸等の潰瘍があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, これらの病態が疑われる場合には, 投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害:AST(GOT), ALT(GPT), γ-GTPの著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

3 〈糖尿病用剤〉
ミチグリニドカルシウム水和物
[販 売 名] グルファスト錠5mg, 同錠10mg(キッセイ薬品工業)
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害:AST(GOT), ALT(GPT), γ-GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

4 〈他に分類されない代謝性医薬品〉
メシル酸ガベキサート
[販 売 名] 注射用エフオーワイ, 同500(小野薬品工業)他
[副作用
(重大な副作用)]
白血球減少, 血小板減少:白血球減少, 血小板減少があらわれることがあるので, 異常が認められた場合には投与を中止すること。
高カリウム血症:高カリウム血症があらわれることがあるので, 異常が認められた場合には直ちに投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

5 〈その他の腫瘍用薬〉
リツキシマブ(遺伝子組換え)
[販 売 名] リツキサン注10mg(全薬工業)
[重要な基本
的注意]
B型肝炎ウイルスに感染している患者で, 本剤投与後, 肝炎が再燃することがあり, 特に癌化学療法と併用した患者において多かった。B型肝炎ウイルス感染のある患者又はその疑いのある患者に投与する場合, 本剤の治療期間中及び治療終了後は肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど, 患者の状態を十分観察すること。異常が認められた場合は抗ウイルス剤の投与を行うなど適切な処置を行うこと。
[副作用
(重大な副作用)]
汎血球減少, 白血球減少, 好中球減少, 血小板減少:重篤な血球減少が起こることがあり, 好中球減少については, 本剤の最終投与から4週間以上経過して発現する例が報告されているので, 本剤の治療期間中及び治療終了後は定期的に血液検査を行うなど, 患者の状態を十分に観察し, 異常が認められた場合は休薬等の適切な処置を行うこと。また, 重篤な血球減少に伴い, 感染症(敗血症, 肺炎等)を合併することがあるので注意すること。
肝機能障害, 黄疸:AST(GOT), ALT(GPT), Al-P, 総ビリルビン等の肝機能検査値の上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので, 肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合は投与を中止し, 適切な処置を行うこと。なお, B型肝炎ウイルスに感染している患者で, 本剤投与後, 肝炎が再燃し, 肝不全により死亡に至った例が報告されているので注意すること。
〈参   考〉 企業報告

 

6 〈主としてグラム陽性菌に作用するもの〉
塩酸バンコマイシン(注射剤)
(バンコマイシンに感性のペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)による敗血症, 肺炎, 化膿性髄膜炎の効能を有しない製剤)
[販 売 名] 塩酸バンコマイシン点滴静注用0.5g「メルク」(メルク・ホエイ), ストラシン点滴静注用0.5g(メルシャン), 点滴静注用ソルレイン0.5g(東和薬品), 点滴静注用バンコマイシン0.5「MEEK」(小林化工), バンマイシン点滴静注用0.5g(日本医薬品工業)
[警告]
警 告
本剤の耐性菌の発現を防ぐため, 「用法・用量に関連する使用上の注意」の項を熟読の上, 適正使用に努めること。
[効能・効果に関連
する使用上の注意]
本剤の副作用として聴力低下, 難聴等の第8脳神経障害がみられることがあり, また化膿性髄膜炎においては, 後遺症として聴覚障害が発現するおそれがあるので, 特に小児等, 適応患者の選択に十分注意し, 慎重に投与すること。
[用法・用量に関連
する使用上の注意]
本剤の使用にあたっては, 耐性菌の発現を防ぐため, 次のことに注意すること。
 1)感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。
 2)原則として他の抗菌薬及び本剤に対する感受性を確認すること。
 3)投与期間は, 感染部位, 重症度, 患者の症状等を考慮し, 適切な時期に, 本剤の継続投与が必要か否か判定し, 疾病の治療上必要な最低限の期間の投与にとどめること。
〈参   考〉 企業報告

 

7 〈主としてグラム陽性菌に作用するもの〉
塩酸バンコマイシン(経口剤)
[販 売 名] 塩酸バンコマイシン散(日本イーライリリー)
[警告]
警 告
本剤の耐性菌の発現を防ぐため, 「用法・用量に関連する使用上の注意」の項を熟読の上, 適正使用に努めること。
[用法・用量に関連
する使用上の注意]
本剤の使用にあたっては, 耐性菌の発現を防ぐため, 次のことに注意すること。
 1)感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。
 2)原則として他の抗菌薬及び本剤に対する感受性を確認すること。
 3)投与期間は, 感染部位, 重症度, 患者の症状等を考慮し, 適切な時期に, 本剤の継続投与が必要か否か判定し, 疾病の治療上必要な最低限の期間の投与にとどめること。
〈参   考〉 企業報告

 

8 〈X線造影剤〉
クエン酸マグネシウム(高張液・等張液投与製剤)
[販 売 名] マグコロール, マグコロールP(堀井薬品工業)
[用法・用量に関連
する使用上の注意]
200mLを投与するごとに排便, 腹痛等の状況を確認しながら, 慎重に投与するとともに, 腹痛等の消化器症状があらわれた場合は投与を中断し, 腹部の診察や画像検査(単純X線, 超音波, CT等)を行い, 投与継続の可否について, 慎重に検討すること。
1.8Lを投与しても排便がない場合は, 投与を中断し, 腹痛, 嘔吐等がないことを確認するとともに, 腹部の診察や画像検査(単純X線, 超音波, CT等)を行い, 投与継続の可否について, 慎重に検討すること。
[慎重投与] 腸管憩室のある患者
高齢者
[重要な基本
的注意]
本剤の投与により排便があった後も腹痛, 嘔吐が継続する場合には, 腹部の診察や画像検査(単純X線, 超音波, CT等)を行い, 腸管穿孔等がないか確認すること。
[副作用
(重大な副作用)]
腸管穿孔, 腸閉塞を起こすことがあるので, 観察を十分に行い, 腹痛等の異常が認められた場合には, 投与を中止し, 腹部の診察や画像検査(単純X線, 超音波, CT等)を行い, 腸管穿孔, 腸閉塞が疑われた場合には, 適切な処置を行うこと。
[高齢者への投与] 高齢者において腸管穿孔, 腸閉塞を起こした場合は, より重篤な転帰をたどることがある。等張液を投与する場合には, 時間をかけて投与し, 投与中は観察を十分に行い, 腹痛等の異常が認められた場合には, 投与を中止し, 腹部の診察や画像検査(単純X線, 超音波, CT等)を行い, 適切な処置を行うこと。
高齢者では, 生理機能(腎機能等)が低下していることが多く, 血清中マグネシウム濃度の上昇等の電解質異常が起こりやすいので, 減量するなど注意すること。また, めまい, ふらつき, 血圧低下等の異常が認められた場合には, 投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

9 〈X線造影剤〉
クエン酸マグネシウム(高張液投与製剤)
[販 売 名] テクトロール散(大洋薬品工業)他
[重要な基本
的注意]
本剤の投与により排便があった後も腹痛, 嘔吐が継続する場合には, 腹部の診察や画像検査(単純X線, 超音波, CT等)を行い, 腸管穿孔等がないか確認すること。
[副作用
(重大な副作用)]
腸管穿孔, 腸閉塞を起こすことがあるので, 観察を十分に行い, 腹痛等の異常が認められた場合には, 投与を中止し, 腹部の診察や画像検査(単純X線, 超音波, CT等)を行い, 腸管穿孔, 腸閉塞が疑われた場合には, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

10 〈他に分類されない治療を主目的としない医薬品〉
塩化ナトリウム・塩化カリウム・炭酸水素ナトリウム・無水硫酸ナトリウム
[販 売 名] ニフレック(味の素ファルマ)他
[警告]
警 告
本剤の投与により, 腸管内圧上昇による腸管穿孔を起こすことがあるので, 排便, 腹痛等の状況を確認しながら, 慎重に投与するとともに, 腹痛等の消化器症状があらわれた場合は投与を中断し, 腹部の診察や画像検査(単純X線, 超音波, CT等)を行い, 投与継続の可否について慎重に検討すること。特に, 腸閉塞を疑う患者には問診, 触診, 直腸診, 画像検査等により腸閉塞でないことを確認した後に投与するとともに, 腸管狭窄, 高度な便秘, 腸管憩室のある患者では注意すること。
[用法・用量に関連
する使用上の注意]
2Lを投与しても排便がない場合は投与を中断し, 腹痛, 嘔吐等がないことを確認するとともに, 腹部の診察や画像検査(単純X線, 超音波, CT等)を行い, 投与継続の可否について, 慎重に検討すること。
[慎重投与] 高齢者
腹部手術歴のある患者
[重要な基本
的注意]
本剤の投与により排便があった後も腹痛, 嘔吐が継続する場合には, 腹部の診察や画像検査(単純X線, 超音波, CT等)を行い, 腸管穿孔等がないか確認すること。
[副作用
(重大な副作用)]
腸管穿孔, 腸閉塞:腸管穿孔, 腸閉塞を起こすことがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 腹部の診察や画像検査(単純X線, 超音波, CT等)を行い, 適切な処置を行うこと。なお, 自宅で服用させる場合は, 「重要な基本的注意」の項を参照し, 指導すること。
虚血性大腸炎:虚血性大腸炎を起こすことがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 適切な処置を行うこと。なお, 自宅で服用させる場合は, 「重要な基本的注意」の項を参照し, 指導すること。
マロリー・ワイス症候群:嘔吐, 嘔気に伴うマロリー・ワイス症候群を起こすことがあるので, 観察を十分行い, 吐血, 血便等が認められた場合には, 適切な処置を行うこと。なお, 自宅で服用させる場合は, 「重要な基本的注意」の項を参照し, 指導すること。
[高齢者への投与] 一般に高齢者では生理機能が低下しているので, 投与速度を遅くし, 十分観察しながら投与すること。特に高齢者において腸管穿孔, 腸閉塞を起こした場合は, より重篤な転帰をたどることがあるため, 投与中は観察を十分行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 腹部の診察や画像検査(単純X線, 超音波, CT等)を行い, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

11 一般用医薬品
ジクロルボス蒸散剤(殺虫機を使用するもの)
[販 売 名] ベーパーセクト(国際衛生)他
[用法及び用量に
関連する使用上
の注意]
専用の機械を8時間使用後, 1時間は放置し, その後に十分な換気をしてから入室すること。
〈参   考〉 企業報告

 

12 一般用医薬品
ジクロルボス蒸散剤(殺虫機を使用しないもののうち, 1枚中にジクロルボスを5g以上含有するもの)
[販 売 名] バポナ殺虫プレート, バポナハーフ殺虫プレート(アース製薬)他
[してはいけないこと] 居室(客室, 事務室, 教室, 病室を含む)では使用しないこと。なお, 居室にある戸棚・キャビネット内などでも使用しないこと。
飲食する場所(食堂など)及び飲食物が露出している場所(調理場, 食品倉庫, 食品加工場など)では使用しないこと。
〈参   考〉 企業報告

 

13 一般用医薬品
ジクロルボス蒸散剤(殺虫機を使用しないもののうち, 1枚中にジクロルボスを5g未満含有するもの)
[販 売 名] バポナミニ殺虫プレート(アース製薬)他
[してはいけないこと] 居室(客室, 事務室, 教室, 病室を含む)では使用しないこと。なお, 居室にある戸棚・キャビネット内などでも使用しないこと。
飲食する場所及び飲食物が露出している場所(食品倉庫など)では使用しないこと。
〈参   考〉 企業報告

 

14 一般用医薬品
ジクロルボス蒸散剤(殺虫機を使用しないもののうち, 1缶中にジクロルボスを5g未満含有するもの)
[販 売 名] パラノン(アールエコ)他
[してはいけないこと] 使用場所については定められた場所のみで使用し, 居室(客室, 事務室, 教室, 病室を含む)では使用しないこと。
飲食する場所及び飲食物が露出している場所(食品倉庫など)では使用しないこと。
〈参   考〉 企業報告

 

目次へ

 

お知らせ

医薬品・医療用具等安全性情報は, 医薬品医療機器情報提供ホームページ(https://www.pmda.go.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。

また, NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ, 最近1年間の「医薬品・医療用具等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。

「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120-161-011