目次
この医薬品・医療用具等安全性情報は、厚生労働省において収集された副作用情報をもとに、医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために、医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成17年(2005年)1月
厚生労働省医薬食品局
重要な副作用等に関する情報
前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.208)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容、参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
【1】 フタラール
販売名(会社名) | ディスオーパ消毒液0.55%(ジョンソン・エンド・ジョンソン) |
薬効分類等 | 防疫用殺菌消毒剤 |
効能効果 | 医療器具の化学的殺菌・消毒 |
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 | |
[効能・効果に関連 する使用上の注意] |
本剤にて消毒を行った膀胱鏡を繰り返し使用した膀胱癌既往歴を有する患者に、ショック・アナフィラキシー様症状があらわれたとの報告があるので、経尿道的検査又は処置のために使用する医療器具類には本剤を使用しないこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
症例の概要
NO. | 患者 | 副作用 | 備考 | |||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | ||||||||
1 | 男 70代 |
軟性膀胱鏡の殺菌・消毒 (なし) |
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企業報告 | ||||||
検査時使用薬:グルコン酸クロルヘキシジン、グリセリン、塩化ベンザルコニウム |
NO. | 患者 | 副作用 | 備考 | |||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | ||||||||
2 | 男 60代 |
軟性膀胱鏡の殺菌・消毒 (高血圧、狭心症) |
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企業報告 | ||||||
検査時使用薬:塩酸リドカイン 併用薬:ベシル酸アムロジピン、カンデサルタンシレキセチル、一硝酸イソソルビド、硝酸イソソルビド |
使用上の注意の改訂について(その162)
前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.208)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「1 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について、改訂内容、主な該当販売名、参考文献等をお知らせいたします。
1 | 〈血圧降下剤〉 リシノプリル |
[販売名] | ロンゲス錠5mg、同錠10mg、同錠20mg(塩野義製薬)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、ごくまれに肝不全に至った症例が報告されている。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
2 | 〈鎮咳剤〉 塩酸クロフェダノール |
[販売名] | コルドリン顆粒、同錠(日本新薬) |
[副作用 (重大な副作用)] |
ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、冷汗、呼吸困難、喉頭浮腫、血圧低下等の異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
3 | 〈解毒剤〉 ロイコボリンカルシウム(ホリナートカルシウム)(5mg錠、注射剤) |
[販売名] | ロイコボリン錠5mg、筋注用ロイコボリン(ワイス) | |
[禁忌] |
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〈参 考〉 | 企業報告 |
4 | 〈代謝拮抗剤〉 テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム |
[販売名] | ティーエスワンカプセル20、同カプセル25(大鵬薬品工業) |
[副作用 (重大な副作用)] |
白質脳症等を含む精神神経障害:白質脳症(意識障害、小脳失調、痴呆様症状等を主症状とする)や意識障害、失見当識、傾眠、記憶力低下、錐体外路症状、言語障害、四肢麻痺、歩行障害、尿失禁、知覚障害等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
5 | 〈その他の腫瘍用薬〉 塩酸ミトキサントロン |
[販売名] | ノバントロン注10mg、同注20mg(ワイス) |
[重要な基本 的注意] |
本剤の投与において、骨髄機能抑制、心筋障害等の重篤な副作用が起こることがあるので、以下の点に注意すること。 1)緊急時に十分処置できる医療施設及び癌化学療法に十分な経験をもつ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。 2)頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、心機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。 免疫機能が抑制された患者への生ワクチン接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、本剤投与中に生ワクチンを接種しないこと。 |
[副作用 (重大な副作用)] |
うっ血性心不全、心筋障害、心筋梗塞:従前にアントラサイクリン系薬剤を使用していない症例では、本剤の総投与量が160mg/m2、及び従前にアントラサイクリン系薬剤を使用した症例では、本剤の総投与量が100mg/m2を超える場合にうっ血性心不全等の重篤な心障害を起こすことがある。また、従前にアントラサイクリン系薬剤を使用した症例では、本剤の投与量の多少にかかわらず心筋障害を起こすことがあるので、心機能検査を頻回に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。 ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発疹、呼吸困難、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
6 | 〈漢方製剤〉 加味逍遙散 |
[販売名] | ツムラ加味逍遙散エキス顆粒(医療用)(ツムラ)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
7 | 〈主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの〉 スルバクタムナトリウム・セフォペラゾンナトリウム |
[販売名] | スルペラゾン静注用0.5g、同静注用1g(ファイザー)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
8 | 〈主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの〉 ビアペネム |
[販売名] | オメガシン点滴用0.3g(ワイス)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
急性腎不全:急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
9 | 一般用医薬品 加味逍遙散 |
[販売名] | ツムラ漢方加味逍遙散エキス顆粒(ツムラ)他 |
[相談すること] | 次の場合は、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師又は薬剤師に相談すること 服用後、次の症状があらわれた場合 まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けること。 肝機能障害:全身のだるさ、黄疸(皮ふや白目が黄色くなる)等があらわれる。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
お知らせ 医薬品・医療用具等安全性情報は、医薬品医療機器情報提供ホームページ(https://www.pmda.go.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。 また、NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ、最近1年間の「医薬品・医療用具等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。 「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120-161-011 |