目次
この医薬品・医療用具等安全性情報は, 厚生労働省において収集された副作用情報をもとに, 医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために, 医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成17年(2005年)3月
厚生労働省医薬食品局
厚生労働省医薬食品局
重要な副作用等に関する情報
前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.210)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について, 改訂内容, 参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
【1】 塩酸ラロキシフェン
販売名(会社名) | エビスタ錠60mg(日本イーライリリー) |
薬効分類等 | 他に分類されない代謝性医薬品 |
効能効果 | 閉経後骨粗鬆症 |
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 | |
[副作用 (重大な副作用)] |
肝機能障害:AST(GOT), ALT(GPT), γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
症例の概要
NO. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 | 女 70代 |
骨粗鬆症 (高脂血症, 慢性胃炎) |
60mg 92日間 |
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企業報告 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
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併用薬:アルファカルシドール, アトルバスタチンカルシウム水和物, 塩酸ロキサチジンアセタート, クエン酸モサプリド, レバミピド |
【2】 フマル酸クエチアピン
販売名(会社名) | セロクエル細粒50%, 同25mg錠, 同100mg錠(静岡フジサワ) |
薬効分類等 | 精神神経用剤 |
効能効果 | 統合失調症 |
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 | |
[副作用 (重大な副作用)] |
無顆粒球症, 白血球減少:無顆粒球症, 白血球減少があらわれることがあるので, 血液検査を行うなど, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
症例の概要
NO. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 | 女 20代 |
統合失調症 (パーキンソニズム, 不眠症, 発熱, 便秘) |
25mg 5日間 |
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企業報告 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
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併用薬:リスペリドン, 塩酸ビペリデン, クロルプロマジン・プロメタジン配合剤, オランザピン, ハロペリドール, 塩酸セフォチアム, レボフロキサシン, フルニトラゼパム, エチゾラム, ニトラゼパム, クラリスロマイシン, センノシド, ジアゼパム |
NO. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2 | 男 50代 |
統合失調症 (急性気管支炎, 不眠, パーキンソン症候群, 慢性胃炎, 慢性気管支炎) |
100mg 9日間 |
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企業報告 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
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併用薬:イミペネム・シラスタチンナトリウム配合剤, ブロムペリドール, 塩酸クロルプロマジン, クアゼパム, トリアゾラム, マレイン酸レボメプロマジン, 塩酸マザチコール, レバミピド, 塩酸アンブロキソール |
【3】 自己血糖検査用グルコースキット(グルコース脱水素酵素法のうち補酵素にピロロキノリンキノンを使用するもの)
販売名(会社名) | フリースタイルキッセイセンサー, ニプロフリースタイルセンサー(ニプロ) アキュチェックコンパクトドラムII, アキュチェックアクティブスティック, アドバンテージテストストリップS(ロシュ・ダイアグノスティックス) グルテストNeoセンサー, Gセンサー(松下寿電子工業) |
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 | ||
[警 告] |
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〈参 考〉 | 企業報告 |
症例の概要
NO. | 患者 | 使用期間 | 副作用 | 備考 | ||||||||||
性・ 年齢 |
使用理由 (合併症) |
経過及び処置 | ||||||||||||
1 | 男 70代 |
糖尿病 (頸椎症性四肢麻痺, うっ血性心不全, 慢性腎炎, イレウス) |
16日間 |
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企業報告 | |||||||||
併用薬:フロセミド, センノシド, マルトース含有維持液, ヒトインスリン(遺伝子組換え) |
使用上の注意の改訂について(その164)
前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.210)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「1 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について, 改訂内容, 主な該当販売名, 参考文献等をお知らせいたします。
1 | 〈血圧降下剤〉 トランドラプリル |
[販 売 名] | オドリック錠0.5mg, 同錠1mg(アベンティスファーマ), プレラン0.5mg錠, 同1mg錠(中外製薬)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
膵炎:膵炎があらわれることがあるので, 異常が認められた場合には, 投与を中止するなど, 適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
2 | 〈アルキル化剤〉 塩酸ニムスチン |
[販 売 名] | ニドラン注射用25mg, 同注射用50mg(三共) | |
[警告] |
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[用法及び用量に関連 する使用上の注意] |
悪性星細胞腫, 乏突起膠腫成分を有する神経膠腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法(塩酸プロカルバジン, 塩酸ニムスチン, 硫酸ビンクリスチン)においては, 併用薬剤の添付文書及び関連文献(「抗がん剤報告書:塩酸プロカルバジン(脳腫瘍)」, 「抗がん剤報告書:硫酸ビンクリスチン(脳腫瘍)」等)を熟読すること。 | |
〈参 考〉 | 企業報告 |
3 | 〈代謝拮抗剤〉 テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム |
[販 売 名] | ティーエスワンカプセル20, 同カプセル25(大鵬薬品工業) |
[副作用 (重大な副作用)] |
播種性血管内凝固症候群(DIC):播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 血小板数, 血清FDP値, 血漿フィブリノゲン濃度等の血液検査に異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
4 | 〈その他の腫瘍用薬〉 ストレプトコックス・ピオゲネス(A群3型)Su株ペニシリン処理凍結乾燥粉末 |
[販 売 名] | ピシバニール0.2KE, 同0.5KE, 同1KE, 同5KE(中外製薬) |
[重要な基本 的注意] |
本剤によるショック, アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので, 次の措置をとること。 1)事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお, 本剤はベンジルペニシリンを含有しているので抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。 2)投与に際しては, 必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。 3)投与開始から投与終了後まで, 患者を安静の状態に保たせ, 十分な観察を行うこと。特に, 投与開始直後は注意深く観察すること。 4)休薬期間を置いた後, 投与を再開する場合には少量から慎重に投与すること。 |
[副作用 (重大な副作用)] |
ショック, アナフィラキシー様症状:ショック, アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 投与を中止し適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
5 | 〈その他の生物学的製剤〉 抗ヒトTリンパ球ウサギ免疫グロブリン |
[販 売 名] | ゼットブリン注(日本臓器製薬) |
[副作用 (重大な副作用)] |
血小板減少:本剤の投与により, 血小板減少があらわれ出血傾向が増悪するおそれがあるので, 定期的に血小板数を測定し, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 |
[重大な副作 用(類薬)] |
間質性肺炎, 肺水腫:抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリンの投与により, 間質性肺炎, 肺水腫があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 発熱, 咳嗽, 呼吸困難, 胸部X線検査異常等が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 出血傾向:抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリンの投与により, 紫斑, 血尿, 鼻血, 皮下出血斑, 肺出血, 消化管出血等の出血傾向があらわれることがあるので, 定期的に血液検査を行い, 出血傾向が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 重篤な肝障害:抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリンの投与により, 重篤な肝障害があらわれることがあるので, 定期的に血液検査を行い, 黄疸や著しいトランスアミナーゼ等の上昇が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
お知らせ 医薬品・医療用具等安全性情報は, 医薬品医療機器情報提供ホームページ(https://www.pmda.go.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。 また, NTTのファクシミリ通信網サービス「Fネット」を通じ, 最近1年間の「医薬品・医療用具等安全性情報」がお手元のファクシミリから随時入手できます(利用者負担)。 「Fネット」への加入等についての問い合わせ先:0120-161-011 |