目次
この医薬品等安全性情報は、従来の医薬品副作用情報を改めたもので、厚生省において収集された副作用情報をもとに、医薬品等のより安全な使用に役立てていただくために、医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成10年(1998年)3月
厚生省医薬安全局
No. | 医薬品 | 対策 | 情報の概要 |
---|---|---|---|
1 | 小柴胡湯、柴朴湯、柴苓湯、柴胡桂枝乾姜湯、辛夷清肺湯、清肺湯、大柴胡湯、半夏瀉心湯 | 使 症 | 小柴胡湯の間質性肺炎については、既に「警告」に記載し、医療関係者に注意喚起をしてきた。しかしながら、「警告」の新設以後も間質性肺炎による死亡例が4例報告されていることから、「警告」の記載内容を改訂し、再度医療関係者に注意喚起を行うこととした。 また、小柴胡湯以外の漢方製剤を投与された患者で間質性肺炎を発現したとする症例が、大柴胡湯で7例、半夏瀉心湯で5例、辛夷清肺湯で4例、清肺湯で5例、柴胡桂枝乾姜湯で4例あることから、使用上の注意の「副作用」に間質性肺炎を記載し、注意喚起を図った。 |
2 | アカルボース、ボグリボース | 使 症 | α‐グルコシダーゼ阻害剤を投与した患者において、因果関係の不明なものを含め重篤な肝機能障害がこれまでアカルボースでは57例、ボグリボースでは20例報告され、そのうちアカルボースにおいては劇症肝炎にて死亡に至った症例が2例報告されている。 こうしたことから、両薬剤ともに「使用上の注意」の改訂を行い、肝機能に対する医療関係者への注意喚起をより強化することにした。 |
3 | 柴胡桂枝乾姜湯他(32件) | 使用上の注意の改訂について(その106) |
緊:緊急安全性情報の配布 使:使用上の注意の改訂 症:症例の紹介
漢方製剤の間質性肺炎について
医薬品名 | 小柴胡湯 柴朴湯 柴苓湯 柴胡桂枝乾姜湯 辛夷清肺湯 清肺湯 大柴胡湯 半夏瀉心湯 |
---|---|
薬効分類等 | 漢方製剤 |
効能効果 | (ツムラ小柴胡湯エキス顆粒の場合) I.体力中等度で上腹部がはって苦しく、舌苔を生じ、口中不快、食欲不振、時により微熱、悪心などのあるものの次の諸症: 諸種の急性熱性病、肺炎、気管支炎、感冒、胸膜炎・肺結核などの結核性 諸疾患の補助療法、リンパ腺炎、慢性胃腸障害、産後回復不全 II.慢性肝炎における肝機能障害の改善 (ツムラ柴朴湯エキス顆粒の場合) 気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症: 小児ぜんそく、気管支ぜんそく、気管支炎、せき、不安神経症 (ツムラ柴苓湯エキス顆粒の場合) 吐き気、食欲不振、のどのかわき、排尿が少ないなどの次の諸症: 水瀉性下痢、急性胃腸炎、暑気あたり、むくみ (ツムラ柴胡桂枝乾姜湯エキス顆粒の場合) 体力が弱く、冷え性、貧血気味で、動悸、息切れがあり、神経過敏のものの次の諸症: 更年期障害、血の道症、神経症、不眠症 (ツムラ辛夷清肺湯エキス顆粒の場合) 鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症 (ツムラ清肺湯エキス顆粒の場合) 痰の多く出る咳 (ツムラ大柴胡湯エキス顆粒の場合) 比較的体力のある人で、便秘がちで、上腹部が張って苦しく、耳鳴り、肩こりなど伴うものの次の諸症: 胆石症、胆のう炎、黄疸、肝機能障害、高血圧症、脳溢血、じんましん、胃酸過多症、急性胃腸カタル、悪心、嘔吐、食欲不振、痔疾、糖尿病、ノイローゼ、不眠症 (ツムラ半夏瀉心湯エキス顆粒の場合) みぞおちがつかえ、ときに悪心、嘔吐があり食欲不振で腹が鳴って軟便または下痢の傾向のあるものの次の諸症: 急・慢性胃腸カタル、醗酵性下痢、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔、げっぷ、胸やけ、口内炎、神経症 |
(1)漢方製剤による間質性肺炎発現の経緯
小柴胡湯の間質性肺炎については平成3年4月に初めて使用上の注意の「副作用」の 項に記載し1)、平成4年12月には更に「一般的注意」に間質性肺炎に関し、呼吸困難等の症状があらわれた場合等の注意事項を記載した2)。また、平成6年1月にはインター フェロン‐αとの併用を禁忌とした3)。それ以降死亡例が複数報告されたことから、平成8年3月に「警告」欄を新設し、緊急安全性情報を配布して注意喚起を行ってきた4)。また、柴苓湯及び柴朴湯については、平成4年4月に使用上の注意の「副作用」の項に間質性肺炎を記載し、注意喚起を図ってきたところである。
しかしながら小柴胡湯については、「警告」に記載した以降も、因果関係の否定できない死亡例が4例報告されている。
更に、大柴胡湯、半夏瀉心湯、辛夷清肺湯、清肺湯、柴胡桂枝乾姜湯についても、因果関係の否定できない症例が複数報告されている。
このため、今回、小柴胡湯、柴苓湯、柴朴湯による間質性肺炎について改めて注意喚起を行うとともに、それ以外の5処方について新たに使用上の注意の「重大な副作用」に記載し、注意喚起を行うこととした。
(2)小柴胡湯、柴苓湯、柴朴湯の報告概要
(1)小柴胡湯
平成8年3月に「警告」に記載して以降、本剤の投与と因果関係の不明なものを含め50例(うち死亡4例)が報告されている。ほとんどの症例で、使用中に発熱、乾性咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等の初期症状を認めていることから、これらの症 状があらわれた場合には、直ちに投与を中止することが肝要である。
報告された症例の一部を表1に紹介する。
(2)柴苓湯及び柴朴湯
柴苓湯の間質性肺炎は平成4年4月に使用上の注意の「副作用」の項に記載したが、それ以降、本剤の投与と因果関係の不明なものも含め39例が報告されている。柴苓湯は各種疾患の浮腫の除去等を目的に用いられているが、報告例からは、原疾患、合併症、 既往歴及び服用期間等に、間質性肺炎発現との関連性を示唆する要因は特定されていな い。
また、柴朴湯の間質性肺炎は平成4年4月に使用上の注意の「副作用」の項に記載したが、それ以降、本剤の投与と因果関係の不明なものも含め12例が報告されている。柴朴湯は呼吸器疾患を中心に使用されていることから、注意して使用することが重要である。
(3)大柴胡湯、半夏瀉心湯等の報告概要
(1)大柴胡湯
大柴胡湯による間質性肺炎については、今までに本剤の投与と因果関係の否定できない症例が7例報告されている。報告例では肝機能障害に対して使用されて発症した例が多い。
(2)半夏瀉心湯
半夏瀉心湯による間質性肺炎については、今までに本剤の投与と因果関係の否定できない症例が5例報告されている。報告例では胃炎、下痢、口内炎等に使用されて発症している。
(3)辛夷清肺湯
辛夷清肺湯による間質性肺炎については、今までに本剤の投与と因果関係の否定できない症例が4例報告されている。報告例ではほとんどが副鼻腔炎に使用されて発症している。
(4)清肺湯
清肺湯による間質性肺炎については、今までに本剤の投与と因果関係の否定できない症例が5例報告されている。報告例では、咳、痰、気道感染等に用いられて発症し、また既往歴として呼吸器疾患のある症例もあることから、注意して使用することが重要で ある。
(5)柴胡桂枝乾姜湯
柴胡桂枝乾姜湯による間質性肺炎については、今までに本剤の投与と因果関係の否定できない症例が4例報告されている。
以上、漢方製剤5処方について新たに使用上の注意の「重大な副作用」の項に、間質 性肺炎を記載した。
それぞれ、報告された症例の一部を表2に紹介する。
(4)具体的な注意事項
薬剤による間質性肺炎の発生機序については、一般的に細胞毒性によるもの、アレルギー機序によるものが考えられている。細胞毒性によるものとしては、抗癌剤5)などがあるが、これ以外の多くの薬剤性間質性肺炎は、アレルギー機序によるものと推定さ れている6)。小柴胡湯の間質性肺炎についてはアレルギー機序と考えられており7)、他の漢方製剤についても同様に考えられる。したがって、その発生を予測することは難しいため、重篤化させないためにも、間質性肺炎の早期診断・治療が極めて重要であ る。
また、間質性肺炎の初期症状(発熱、乾性咳嗽、呼吸困難等)と感冒様症状との鑑別が難しいため、薬剤が中止されることなく抗生物質等による治療が行われている場合がある。このため、薬剤の使用中に発熱、乾性咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等 が認められた場合には、直ちに投与を中止する等の対応が必要である。
漢方製剤の使用に際しては、「証」に基づく使用が大切であることを、医薬品副作用情報No.143(平成9年6月)に掲載したところである。漢方製剤による間質性肺炎の発現と「証」の関係については明確にされていないものの、漢方製剤の使用においては 「患者の証を考慮して投与する」ことが重要である。
(1)使用中の注意
- 初期症状の早期発見と診断
発熱、乾性咳嗽、呼吸困難等の感冒様症状及び胸部聴診による肺音の異常(捻髪音)
の確認等に十分留意し、このような初期症状があらわれた場合には、直ちに漢方製剤
の投与を中止する。また胸部X線、胸部CTによる間質性陰影の確認、血液ガス分析によ
る低酸素血症の確認等、間質性肺炎との確定診断を速やかに行う。
- 患者への説明
患者には、発熱、咳、息切れ等の症状があらわれた場合には、服薬を中止し、直ちに
医師に連絡するよう説明する。
(2)間質性肺炎が発現した場合の対応
- 漢方製剤の投与を直ちに中止する。
- 患者の症状に合わせ副腎皮質ステロイド剤の経口投与またはパルス療法を行う。
- 著しい呼吸困難を認める場合は、酸素吸入等の適切な処置を行う。
《使用上の注意(下線部追加改訂項目)》
〈小柴胡湯〉
本剤の投与により、間質性肺炎が起こり、早期に適切な処置を行わない場合、死亡等の重篤な転帰に至ることがあるので、患者の状態を十分観察し、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)、胸部X線異常等があらわれた場合には、直ちに本剤の投与を中止すること。 |
副作用
(1)重大な副作用
間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン 剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合 には、本剤の服用を中止し、直ちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。
〈柴朴湯、柴苓湯〉
副作用
(1)重大な副作用
間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤 の投与等の適切な処置を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合に は、本剤の服用を中止し、直ちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。
〈柴胡桂枝乾姜湯、辛夷清肺湯、清肺湯、大柴胡湯、半夏瀉心湯〉
副作用
(1)重大な副作用
間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合に は、本剤の服用を中止し、直ちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。
〈参考文献〉
1)厚生省薬務局:小柴胡湯と間質性肺炎.医薬品副作用情報No.107、p7(1991)
2)厚生省薬務局:インターフェロン‐α製剤及び小柴胡湯と間質性肺炎.医薬品副作用情報No.118、p2(1993)
3)厚生省薬務局:インターフェロン‐α製剤と自殺企図、間質性肺炎.医薬品副作用情報No.125、p2(1994)
4)厚生省薬務局:小柴胡湯の投与による重篤な副作用「間質性肺炎」について.医薬品副作用情報No.137、p8(1996)
5)工藤宏一郎:呼吸、13(12):1254(1994)
6)本間 栄、中田紘一郎:医学と薬学、35(2):29(1996)
7)築山邦規他:日胸疾会誌、27(12):1556(1989)
表1 症例の概要
No. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
性、 年齢 |
使用理由〔合併症〕 | 経過及び処置 | |||
1 | 男 70代 |
肝硬変 | 小柴胡湯 7.5g 27日間 |
肝硬変の患者(小柴胡湯の服薬歴あり)に小柴胡湯の投与開始。 投与22日後に咽頭痛、23日後には発熱(37~38℃)を認め、食欲低下を来す。投与26日後自力歩行にて来院。咽頭痛、発熱の改善がみられないため、小柴胡湯の投与を中止した。ただし咳嗽、喀痰、呼吸困難は認めなかった。投与27日後早朝5時頃より、自宅にて強い呼吸困難があらわれた。来院途中、タクシー内で意識消失し、呼吸停止した。救急車にて最寄りの病院へ搬送され、一時蘇生するも、同日夕刻死亡した。 |
企業報告 |
併 用 薬:エンプロスチル、アスコルビン酸・パントテン酸カルシウム、総合感冒薬(アスピリン、フェナセチン) |
表2-1 症例の概要
No. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
性、 年齢 |
使用理由〔合併症〕 | 経過及び処置 | |||
1 | 女 60代 |
慢性肝炎 | 大柴胡湯 7.5g 14日間 |
慢性肝炎の治療目的に大柴胡湯の投与開始(14日間)。その後乾性咳、倦怠感が出現し、投与17日後に咳、発熱、呼吸困難を認める。 投与20日後に近医受診し、感冒と説明され投薬を受ける。その後、更に歩行困難となるほど苦しくなる。 投与24日後、胸部X線にて両側のスリガラス影、低酸素血症(PaO2・41.8torr、PaCO2・31.2torr)を認め、プレドニゾロン60mg/日と酸素投与を開始する。 投与29日後よりステロイドパルス療法[コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム1000mg/日(3日間)]を施行し、以後プレドニゾロン60mg/日(7日間)、50mg/日(9日間)と漸減し、間質性肺炎はほぼ消失した。 |
企業報告 |
併 用 薬:ベシル酸アムロジピン、ポリエンホスファチジルコリン、センノシドマレイン酸トリメブチン、ナパジシル酸アクラトニウム | |||||
2 | 女 60代 |
慢性胃炎 | 半夏瀉心湯 7.5g 約1ヵ月間 |
慢性胃炎に対して半夏瀉心湯の投与開始。 投与約1ヵ月後に発熱、呼吸困難を認め、その3日後には意識レベルが低下したため入院となる。入院後直ちに人工呼吸器に装着され、人工呼吸を受けるとともに、このときの胸部X線はびまん性の間質性陰影であったことから、副腎皮質ステロイドの投与を行い改善に至る。 発症後約1ヵ月で退院となる。 退院後、再度半夏瀉心湯を投与され、再び発熱と胸部X線に間質性陰影を認めたため、薬剤を中止。 再発後、薬剤の中止のみで約2週間後には回復した。 |
企業報告 |
併 用 薬:マレイン酸プログルメタシン、塩酸マニジピン、酢酸トコフェロール総合ビタミン剤、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液 | |||||
3 | 男 70代 |
慢性副鼻腔炎 | 辛夷清肺湯 7.5g 7日間 |
慢性副鼻腔炎に辛夷清肺湯を投与開始。 投与13日後に全身倦怠感、悪寒、息苦しさを認める。 投与16日後に血痰も見られ、胸部X線より肺炎の診断。38.1℃の発熱あり、入院後O25L、ピペラシリンナトリウム2g/日(3日間)投与。 投与19日後発熱などの症状が持続するため、クリンダマイシン1200mg/日(3日間)、塩酸セフォチアム2g/日(2日間)、O2投与6Lに変更。投与20日後に経気管支肺生検、気管支肺胞洗浄を施行。同日よりプレドニゾロン60mg内服開始(7日間)。 投与27日後よりプレドニゾロン減量開始、30mg(6日間)、15mg(6日間)、10mg(3日間)、5mg(3日間)、5mg隔日投与(5日間)後、プレドニゾロン投与終了、回復した。 |
企業報告 |
併 用 薬:ジソピラミド、塩酸ニカルジピン、ジピリダモール、ラクトミン、健胃消化剤 |
表2-2 症例の概要
No. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
性、 年齢 |
使用理由〔合併症〕 | 経過及び処置 | |||
4 | 女 60代 |
慢性気道感染 | 清肺湯 9.0g 19日間 |
慢性気道感染に清肺湯を投与開始。 投与約半月後、咳、全身倦怠感が出現した。 投与18日後呼吸困難が増悪し、救急外来を受診する。 同日、胸部CTにて両肺野に間質性陰影、血液ガス分析にて動脈血酸素分圧が37mmHgと著明な低酸素血症を認め、急性間質性肺炎として入院。入院後、清肺湯の投与を中止した。コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム1000mg/日及びセファゾリンナトリウム2g/日を投与開始した。 投与24日後、胸部CTで陰影は完全に消失。血液ガス所見も改善したため退院。 |
企業報告 |
併 用 薬:なし | |||||
5 | 男 70代 |
脊椎管狭窄症 | 柴胡桂枝乾姜湯 7.5g 25日間 |
脊椎管狭窄症に対し、柴胡桂枝乾姜湯の投与開始。 投与7日後に頭痛を認めた。 投与19日後に発熱、呼吸困難を来した。 投与24日後に胸部X線にて間質性肺炎と診断され、入院となる。 人工呼吸器管理、副腎皮質ステロイド治療等を施行し、投与41日目に回復と判断、退院した。 退院6日後に再投与を5日間行ったが症状は再発せず。 退院22日後に再々投与したところ、夜より発熱、呼吸困難を発現した。翌日胸部X線にて間質性肺炎と診断し、投与を中止し、副腎皮質ステロイド療法施行、再発症後13日後に軽快した。 |
企業報告 |
併 用 薬:なし |
α‐グルコシダーゼ阻害剤による肝機能障害
成分名 該当商品名 |
成分名 | 該当商品名 |
---|---|---|
アカルボース ボグリボース |
グルコバイ(バイエル薬品) ベイスン(武田薬品工業) |
|
薬効分類等 | 糖尿病用剤 | |
効能効果 | (アカルボースの場合) インスリン非依存型糖尿病における食後過血糖の改善(ただし、食事療法・運動療法によっても十分な血糖コントロールが得られない場合の追加療法に限る) (ボグリボースの場合) 糖尿病の食後過血糖の改善(ただし、食事療法・運動療法を行っている患者で十分な効果が得られない場合、又は食事療法・運動療法に加えて経口血糖降下剤若しくはインスリン製剤を使用している患者で十分な効果が得られない場合に限る) |
(1)経緯
アカルボース並びにボグリボースはともにα‐グルコシダーゼ阻害剤であり、消化管における糖質の消化・吸収を遅延させ、食後の過血糖を改善する作用を有する糖尿病用剤である。両薬剤ともに、治験時よりGOT、GPT等の肝機能異常が認められており、発売当初より「使用上の注意」にはGOT、GPT上昇等の肝機能異常について記載し、医療関係 者の注意を喚起してきた。アカルボース、ボグリボースはそれぞれ平成5年12月、平成6年9月に発売開始し、この間、アカルボースにおいては平成6年10月に、また、ボグリボースにおいては平成8年10月に「使用上の注意」に黄疸を追加記載し、医療関係者 の注意を喚起してきたところである。
市販後これまでに、因果関係が不明なものも含め、アカルボース57例(うち劇症肝炎での死亡例2例を含む)、ボグリボース20例の肝機能障害が集積された。
このため、両薬剤ともに「使用上の注意」の改訂を行い、肝機能障害に対する医療関係者への一層の注意喚起を行った。
(2)症例の紹介
アカルボースで報告された57例の性別は、男性17例、女性40例であった。年齢は23~77歳で、そのうち65歳以上の高齢者は12例であった。投与開始してから発現までの日数をみると、44例が6ヵ月以内に異常所見を認め、特に3~6ヵ月目が多く34例であっ た。このうち51例の転帰は、投与中止により消失あるいは軽快した。報告症例のうち、 重篤な肝機能障害3例について、表1に紹介する。
一方、ボグリボースで報告された20例の性別は、男性12例、女性8例であった。年齢は36~82歳で、そのうち65歳以上の高齢者は9例であった。投与開始してから発現までの日数をみると、1ヵ月以内が9例であり、17例が3ヵ月以内の発現であった。全例で本剤の投与が中止され、経過中にMRSA感染を合併して死亡した1例を除き、消失あるい は軽快した。報告症例のうち1例を表2に紹介する。
(3)安全対策
今回、重篤な肝機能障害が集積されてきたことから、「重大な副作用」の項にその旨を新たに記載するとともに、定期的な肝機能検査を行うなど観察を十分に行う旨を記載し、医療関係者に肝機能障害に対する一層の注意喚起を行うこととした。
(4)報告のお願い
安全性確保の観点から、α‐グルコシダーゼ阻害剤投与後に肝機能障害が認められた場合には、医薬品等安全性情報報告制度による報告をお願いしたい。
《使用上の注意(下線部追加改訂項目)》
〈アカルボース〉
副作用
(1)重大な副作用
3)肝機能障害:黄疸、GOT、GPTの上昇等を伴う重篤な肝機能障害(0.1%未満)があらわれることがある。また、劇症肝炎(0.1%未満)の報告がある。定期的に肝機能検査を 行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈ボグリボース〉
副作用
(1)重大な副作用
3)黄疸、GOT、GPTの上昇等を伴う重篤な肝機能障害(0.1%未満)があらわれることがあり、また、類薬(アカルボース)で劇症肝炎(0.1%未満)が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参考文献〉
1)Yoshinori Fujimoto, et al.:Lancet, 351:340(1998)
表1‐1 症例の概要
No. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
性、 年齢 |
使用理由〔合併症〕 | 経過及び処置 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 | 女 50代 |
糖尿病〔高血圧症、高脂血症〕 | アカルボース 150mg 28日間 ↓ 300mg 118日間 ↓ (再投与) 300mg 29日間 |
本剤投与開始後132日目に、体重減少、全身倦怠感に気づき受診したところ、肝機能障害が認められた。肝庇護剤の投与により肝機能は改善傾向を示し、その後に本剤とグリベンクラミドをインスリンに切り換えた。肝機能が改善したため、本剤とグリベンクラミドの投与を再開したところ、17日目に再び肝機能障害が発現し、肝庇護剤の投与と本剤のみの投与中止にて33日目に回復した。 *肝炎ウイルス感染(HAV、HBV、HCV):陰性 |
企業報告 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
併 用 薬:グリベンクラミド、塩酸マニジピン、アルプラゾラム、半夏厚朴湯、ベザフィブラート、塩酸イミダプリル |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2 | 女 50代 |
糖尿病 〔高血圧症、虚血性心疾患〕 |
アカルボース 150mg 210日間 ↓ (再投与) 150mg 32日間 |
本剤投与開始後206日目に掻痒、黄疸が発現した。その3日後に掻痒の増強、全身倦怠感のため来院した。急性肝炎と診断し、入院安静の上、肝庇護剤等の投与を行うも改善せず、本剤を中止した。 他院に転院し、副腎皮質ステロイド剤の投与にて回復した。インスリンのみでは血糖コントロールが不良のため本剤の再投与を開始したところ、19日目に、GOT、GPT値が再び上昇した。その13日後には掻痒、T‐Bil上昇も再発したため本剤を中止した。再入院の上、副腎皮質ステロイド剤の投与を開始し、再投与中止後22日目には回復し退院した。 *肝炎ウイルス感染(HAV、HBV、HCV):陰性、全身性ウイルス感染 (EBV、CMV):陰性 |
企業報告 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値 投与開始 84日前
併 用 薬:インスリン、ベシル酸アムロジピン、マレイン酸トリメブチン、ジゴキシン、硝酸イソソルビド、アロプリノール、アゾセミド、塩酸ベネキサート、β‐シクロデキストリン、塩化カリウム |
表1‐2 症例の概要
No. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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性、 年齢 |
使用理由〔合併症〕 | 経過及び処置 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
3 | 女 53 |
糖尿病 〔糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害〕 |
アカルボース 150mg 70日間 ↓ 300mg 144日間 |
インスリン療法にて糖尿病コントロールがやや不良となったため、本剤を追加した。更に効果を期待し、本剤を増量した。本剤投与開始6ヵ月後に倦怠感、食欲不振、黄疸が発現し、入院した。 入院時、全身倦怠感、頭重感、口渇、歩行時のふらつきを認めた。本剤のみ投与を中止し、肝庇護剤を投与開始した。投与中止後6日目よりトランスアミナーゼ、ビリルビン値のかい離、アンモニア値の軽度上昇と凝固因子の減少が認められたため、アルブミン・血漿分画製剤、G‐I(グルカゴンインスリン)療法、新鮮凍結血漿等を投与した。 投与中止後27日目より意識障害が出現し、血漿交換を以後連日施行したが、投与中止後33日目に死亡した。 *肝炎ウイルス感染(HAV、HBV、HCV、HGV):陰性、全身性ウイルス感染(EBV、CMV):陰性 |
企業報告 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
併 用 薬:インスリン、プラノプロフェン*、塩酸チザニジン*、レバミピド*、フルルビプロフェン貼布剤* (*:腰痛等のため、本剤と最初の3ヵ月間併用) |
表2 症例の概要
No. | 患者 | 1日投与量 投与期間 |
副作用 | 備考 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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性、 年齢 |
使用理由〔合併症〕 | 経過及び処置 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 | 男 52 |
糖尿病 〔糖尿病性網膜症〕 |
ボグリボース 0.6mg 57日間 |
アカルボースに替え、本剤投与開始約1ヵ月後に、GOT、GPT、AL‐P、LDH、LAP上昇が認められた。更に1ヵ月後の来院時に眼球結膜が黄染していたため薬剤性肝炎を疑い、本剤、グリベンクラミドの投与を中止し、入院させインスリン療法へ切り替えた。入院後、超音波検査、ウイルス肝炎検査(A、B、C、EB)、ルポイド肝炎、原発性胆汁性肝硬変、びまん性肝癌等の検査を実施し、脂肪肝が疑われた。その後グリベンクラミドの投与を再開したが、肝機能異常は改善した。 *HBs抗原:陰性、HBs抗体:陰性、HCV抗体:陰性、IgM‐HBC抗体:0.2(正常値:0.9以下)、EBV VCAIgM(FA):10未満(正常値:10未満)、EBV EBNA(FA):20未満(正常値:0.9以下)、CMV IgM(EIA):0.8未満:陰性、抗ミトコンドリア抗体:陰性、DLST(Drug Lymphocyte Stimulation Test):陰性(ボグリボース、アカルボース、グリベンクラミド)、LEテスト:陰性 |
企業報告 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
臨床検査値
併 用 薬:グリベンクラミド |
使用上の注意の改訂について(その106)
医薬品等安全性情報No.145掲載分以降に改訂を指導した使用上の注意について、改訂
内容、主な該当商品名、参考文献等をお知らせいたします。
1 〈漢方製剤〉 柴胡桂枝乾姜湯、清肺湯、半夏瀉心湯 |
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[販売名] | ツムラ柴胡桂枝乾姜湯エキス顆粒(ツムラ)他、ツムラ清肺湯エキス顆粒(ツムラ)他、ツムラ半夏瀉心湯エキス顆粒(ツムラ)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、直ちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。 偽アルドステロン症:低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定など)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。 ミオパシー:低カリウム血症の結果としてミオパシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣、麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
2 〈漢方製剤〉 柴朴湯、柴苓湯 |
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[販売名] | ツムラ柴朴湯エキス顆粒(ツムラ)他、ツムラ柴苓湯エキス顆粒(ツムラ)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、直ちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。 偽アルドステロン症:低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定など)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。 ミオパシー:低カリウム血症の結果としてミオパシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣、麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
3 〈漢方製剤〉 小柴胡湯 |
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[販売名] | ツムラ小柴胡湯エキス顆粒(ツムラ)他 | |
[警 告] |
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[禁忌] |
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[副作用 (重大な副作用)] |
間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、直ちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。 偽アルドステロン症:低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定など)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。 ミオパシー:低カリウム血症の結果としてミオパシーがあらわれることがある。 また、脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣、麻痺等の横紋筋融解症の症状があらわれることがあるので、CPK上昇、血中及び尿中のミオグロビン上昇が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。 |
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〈参 考〉 | 企業報告 |
4 〈漢方製剤〉 大柴胡湯、辛夷清肺湯 |
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[販売名] | ツムラ大柴胡湯エキス顆粒(ツムラ)他、ツムラ辛夷清肺湯エキス顆粒(ツムラ)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、直ちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
5 〈糖尿病用剤〉 アカルボース |
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[販売名] | グルコバイ(バイエル) |
[副作用 (重大な副作用)] |
肝機能障害:黄疸、GOT、GPTの上昇等を伴う重篤な肝機能障害(0.1%未満)があらわれることがある。また、劇症肝炎(0.1%未満)の報告がある。定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
6 〈糖尿病用剤〉 ボグリボース |
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[販売名] | ベイスン(武田) |
[副作用 (重大な副作用)] |
黄疸、GOT、GPTの上昇等を伴う重篤な肝機能障害(0.1%未満)があらわれることがあり、また、類薬(アカルボース)で劇症肝炎(0.1%未満)が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
7 〈抗リウマチ剤〉 アクタリット |
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[販売名] | オークル(日本新薬)、モーバー(三菱化学) |
[副作用 (重大な副作用)] |
間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
8 〈局所麻酔剤〉 塩酸テトラカイン(注射剤) |
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[販売名] | テトカイン「杏林」(杏林) | |
[一般的注意] | 一般に脊椎麻酔の際には血圧が下降しやすいので、次の測定基準により血圧管理を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。 1)薬液を注入してから1分後に血圧を測定する。 2)それ以降14分間は、2分に1回血圧を測定する。必要があれば(例えば血圧が急速に下降傾向を示すような場合)連続的に血圧を測定する。 3)薬液注入後15分以上経過した後は、2.5分~5分に1回血圧を測定する。必要があれば(例えば血圧が急速に下降傾向を示すような場合)連続的に血圧を測定する。 バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸、意識レベル)及び麻酔高に注意し、患者の全身状態の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。 |
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[禁忌] |
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[慎重投与] | (中枢神経系疾患 髄膜炎、灰白脊髄炎等の患者[症状が悪化するおそれがある。]を削除) 若年者[一般に麻酔範囲が拡がりやすい。] |
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〈参 考〉 | 芦沢直文他:脊椎麻酔の安全指針(1996) 富澤和夫他:ペインクリニック、16(4):607(1995) 平林由広他:麻酔、42(9):1274(1993) |
9 〈強心剤〉 ジゴキシン(液剤、注射剤) |
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[販売名] | ジゴシンエリキシル(中外)、ジゴシン注(中外) | |
[禁忌] |
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[原則禁忌] |
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[相互作用 (併用しないこと)] |
ジスルフィラム、シアナミド[本剤はエタノールを含有しているため、ジスルフィラム・シアナミド‐アルコール反応を起こすことがある。] | |
[相互作用 (原則として併用しないこと)] |
塩化スキサメトニウム[併用により重篤な不整脈を起こすおそれがあるので、併用しないことを原則とするが、やむを得ず併用する場合には慎重に投与すること。] |
10 〈強心剤〉 ジゴキシン(錠剤、散剤)、メチルジゴキシン |
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[販売名] | ジゴシン(中外)他、ラニラピッド(ベーリンガー・マンハイム) | |
[原則禁忌] |
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[相互作用 (原則として併用しないこと)] |
塩化スキサメトニウム[併用により重篤な不整脈を起こすおそれがあるので、併用しないことを原則とするが、やむを得ず併用する場合には慎重に投与すること。] |
11 〈不整脈用剤〉 硫酸キニジン |
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[販売名] | 硫酸キニジン(日研) |
[相互作用 (併用に注意すること)] |
ジギタリス製剤(ジゴキシン、ジギトキシン等)[ジギタリス製剤と本剤との間には競合排泄現象が認められており、ジギタリス製剤、キニジンの副作用がともに増大することがある。] アミオダロン、ベラパミル[本剤の血中濃度が上昇し、致死的な心室性不整脈等があらわれることがあるので、必要に応じて本剤を減量するなど慎重に投与すること。] メキシレチン、アプリンジン、フレカイニド[動物実験においてメキシレチン等抗不整脈剤の作用が増強するとの報告がある。] 骨格筋弛緩剤(ツボクラリン、パンクロニウム等)[骨格筋弛緩剤の作用を増強させることがある。] ワルファリン[ワルファリンの抗凝血作用を増強させることがある。] 尿アルカリ化剤(乾燥水酸化アルミニウムゲル、炭酸水素ナトリウム等)[尿中pHを上昇させる作用により、本剤の尿中排泄率が低下し、血中濃度が上昇することがある。] 三環系抗うつ剤(イミプラミン等)[三環系抗うつ剤の血中濃度を上昇させることがある。] リファンピシン[本剤の代謝クリアランスの増加により、血中濃度が低下することがある。] |
[副作用 (重大な副作用)] |
無顆粒球症、白血球減少、再生不良性貧血、溶血性貧血:まれにこのような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。 |
〈参 考〉 | Tartini, R., et al.:Lancet, 1:1327(1982) Trohman, R. G., et al.:Am. J. Cardiol., 57:706(1986) Schmidt, J. L., et al.:JAMA, 183(8):669(1963) Koch‐Wester:J. Ann, Intern. Med., 68(3):511(1968) Zinn, M. B.:Tex Med., 66:64(1970) Brosen. K., et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol., 37:155(1989) Ahmad, D., et al.:Br. J. Dis, Chest., 73:409(1979) |
12 〈持続性Ca拮抗剤〉 塩酸ベニジピン |
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[販売名] | コニール(協和発酵) |
[副作用] | 循環器:期外収縮、徐脈、ときに動悸、顔面紅潮、ほてり、また、まれに胸部重圧感があらわれることがある。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
13 〈α型ヒト心房性ナトリウム利尿ポリペプチド〉 カルペリチド |
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[販売名] | ハンプ注射用(サントリー) |
[副作用 (その他の副作用)] |
循環器:ときに顔のほてり、頻脈、不整脈等があらわれることがある。 血液:ときに血小板減少、赤血球減少、白血球増加、白血球分画の異常、ヘマトクリット値・ヘモグロビン値の変動等があらわれることがある。 肝臓:ときにGOT、GPT、Al‐P、γ‐GTP、LDH、総ビリルビンの上昇等があらわれることがある。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
14 〈持続性Ca拮抗剤〉 ニトレンジピン |
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[販売名] | バイロテンシン(吉富ファインケミカル) |
[副作用 (その他の副作用)] |
肝臓:ときにGOT、GPT、LDHの上昇等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。 その他:ときにふるえ、脱力感、しびれ、眠気、不眠、頻尿、女性化乳房、CPKの上昇等があらわれることがある。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
15 〈高カリウム血症改善イオン交換樹脂〉 ポリスチレンスルホン酸カルシウム |
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[販売名] | カリメート(日研)他 |
[一般的注意] | 便秘に伴って結腸穿孔があらわれることがあるので、投与に際してはソルビトール溶液を経口投与するなど便秘の防止に努めること。また、便秘を起こしやすい薬剤の併用に留意すること。 |
[副作用 (重大な副作用)] |
結腸穿孔:結腸穿孔があらわれることがあるので、観察を十分に行い、便秘、腹痛等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
[副作用 (その他の副作用)] |
消化器:経口 ときに悪心・嘔気、食欲不振、胃部不快感があらわれることがある。また、便秘を起こすことがある。 |
〈参 考〉 | 企業報告 Minford, E. J., et al.:Prostgrad, Med. J., 68(798):302(1992) |
16 〈気管支拡張剤〉 塩酸プロカテロール(キッドエアー) |
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[販売名] | メプチンキッドエアー(大塚) |
[一般的注意] | 本剤の使用は、患者又は保護者が適正な使用方法について十分に理解しており、過量投与になるおそれのないことが確認されている場合に限ること。 本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。 投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法・用量を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。 患者又は保護者に対し、本剤の過度の使用により不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、次の事項及びその他必要と考えられる注意を与えること。 1)成人1回4吸入、小児1回2吸入の用法・用量を守り、1日4回(原則として成人16吸入、小児8吸入)までとすること。 |
[未熟児、新生児、乳児への投与] | (削除) |
[小児等への投与] | 小児に対する投与は、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。 未熟児、新生児及び乳児に対する安全性は確立していない。 |
17 〈気管支拡張剤〉 塩酸プロカテロール(エアー) |
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[販売名] | メプチンエアー(大塚) |
[一般的注意] | 本剤の使用は、患者又は保護者が適正な使用方法について十分に理解しており、過量投与になるおそれのないことが確認されている場合に限ること。 本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。 投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法・用量を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。 患者又は保護者に対し、本剤の過度の使用により不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、次の事項及びその他必要と考えられる注意を与えること。 1)成人1回2吸入、小児1回1吸入の用法・用量を守り、1日4回(原則として成人8吸入、小児4吸入)までとすること。 |
[未熟児、新生児、乳児への投与] | (削除) |
[小児等への投与] | 小児に対する投与は、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。 未熟児、新生児及び乳児に対する安全性は確立していない。 |
18 〈気管支拡張剤〉 ツロブテロール |
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[販売名] | ホクナリンエアゾール(北陸) |
[一般的注意] | 本剤の使用は、患者が適正な使用方法について十分に理解しており、過量投与になるおそれのないことが確認されている場合に限ること。 本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。 投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法・用量を正しく指導し、経過観察を十分に行うこと。用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。 患者に対し、本剤の過度の使用により、不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、次の事項及びその他必要と考えられる注意を与えること。 (1)成人1回2吸入の用法・用量を守り、1日4回(原則として成人8吸入)までとすること。 |
19 〈気管支拡張剤〉 硫酸イソプロテレノール |
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[販売名] | メジヘラー・イソ(大日本)他 |
[一般的注意] | 本剤の使用は、患者又は保護者が適正な使用方法について十分に理解しており、過量投与になるおそれのないことが確認されている場合に限ること。 本剤は小児に投与しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合は、他のβ2刺激薬吸入剤が無効な場合に限ること。 本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。 投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法・用量を正しく指導し、経過観察を十分に行うこと。用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。 患者又は保護者に対し、本剤の過度の使用により不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、次の事項及びその他必要と考えられる注意を与えること。 (1)成人の場合、1回1吸入の用法・用量を守ること。なお、吸入後2~5分を待っても十分な効果がみられない場合には、1回1吸入を限度として追加吸入できるが、それ以上の追加投与は行わないこと。 続けて用いる必要がある場合でも、少なくとも4~6時間の間隔をおき、1日4回(8吸入)までとすること。 (2)小児の場合、投与しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には、1回1吸入を限度とし、次の発作に使用する場合、少なくとも4~6時間の間隔をおき、1日4回(4吸入)までとすること。 |
[小児等への投与] | 小児に対する安全性は確立していないので、投与しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には、1回1吸入を限度とする。なお、経過観察を十分に行い副作用の発現や過度の使用に注意し、保護者の監督のもとで使用させること。 |
20 〈気管支拡張剤〉 硫酸オルシプレナリン(吸入剤) |
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[販売名] | アロテック(日本ベーリンガーインゲルハイム) |
[一般的注意] | 本剤の使用は、患者又は保護者が適正な使用方法について十分に理解しており、過量投与になるおそれのないことが確認されている場合に限ること。 本剤は小児に投与しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合は、他のβ2刺激薬吸入剤が無効な場合に限ること。 本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。 投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法用量を正しく指導し、経過観察を十分に行うこと。用法用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。 患者又は保護者に対し、本剤の過度の使用により、不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、次の事項及びその他必要と考えられる注意を与えること。 (1)成人の場合、1回1吸入の用法用量を守ること。なお、吸入後2~5分を待っても十分な効果がみられない場合には、1回1吸入を限度として追加吸入できるが、それ以上の追加投与を行うときは、少なくとも4~6時間の間隔をおき、1日4回(8吸入)までとすること。 (2)小児の場合、投与しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には、1回1吸入を限度とし、次の発作に使用する場合、少なくとも4~6時間の間隔をおき、1日4回(4吸入)までとすること。 |
[小児等への投与] | 小児に対する安全性は確立していないので、投与しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には、1回1吸入を限度とする。なお、経過観察を十分に行い副作用の発現や過度の使用に注意し、保護者の監督のもとで使用させること。 |
21 〈気管支拡張剤〉 硫酸サルブタモール(吸入剤) |
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[販売名] | アスミドン・エアー(グラクソ)他 |
[一般的注意] | 本剤の使用は、患者又は保護者が適正な使用方法について十分に理解しており、過量投与になるおそれのないことが確認されている場合に限ること。 本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。 投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法・用量を正しく指導し、経過観察を十分に行うこと。用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。 患者又は保護者に対し、本剤の過度の使用により、不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、次の事項及びその他必要と考えられる注意を与えること。 (1)成人1回2吸入、小児1回1吸入の用法・用量を守り(本剤は、通常3時間以上効果が持続するので、その間は次の吸入を行わないこと。)、1日4回(原則として、成人8吸入、小児4吸入)までとすること。 |
[小児等への投与] | 使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。 |
22 〈気管支拡張剤〉 dl‐塩酸イソプロテレノール・塩酸フェニレフリン |
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[販売名] | メジヘラーD(大日本) |
[一般的注意] | 本剤の使用は、患者が適正な使用方法について十分に理解しており、過量投与になるおそれのないことが確認されている場合に限ること。 本剤は、小児に投与しないこと。 本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。 投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法・用量を正しく指導し、経過観察を十分に行うこと。用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。 患者に対し、本剤の過度の使用により、不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、次の事項及びその他必要と考えられる注意を与えること。 (1)1回1吸入の用法・用量を守ること。なお、吸入後1~2分を待っても十分な効果がみられない場合には、1回1吸入を限度として追加吸入できるが、それ以上の追加投与は行わないこと。続けて用いる必要がある場合でも、少 なくとも3時間の間隔をおき、1日4回(8吸入)までとすること。 |
23 〈気管支拡張剤〉 硫酸イソプロテレノール・臭化メチルアトロピン |
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[販売名] | ストメリン(藤沢) |
[一般的注意] | 本剤の使用は、患者又は保護者が適正な使用方法について十分に理解しており、過量投与になるおそれのないことが確認されている場合に限ること。 本剤は小児に投与しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合は、他のβ2刺激薬吸入剤が無効な場合に限ること。 本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法・用量を正しく指導し、経過観察を十分に行うこと。用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。 患者又は保護者に対し、本剤の過度の使用により、不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、次の事項及びその他必要と考えられる注意を与えること。 (1)成人の場合、1回1吸入の用法・用量を守ること。なお、吸入後2~5分を待っても十分な効果がみられない場合には、1回1吸入を限度として追加吸入できるが、それ以上の追加投与は行わないこと。続けて用いる必要がある場合でも、少なくとも4~6時間の間隔をおき、1日4回(8吸入)までとすること。 (2)小児の場合、投与しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には、1回1吸入を限度とし、次の発作に使用する場合、少なくとも4~6時間の間隔をおき、1日4回(4吸入)までとすること。 |
[小児等への投与] | 小児に対する安全性は確立していないので、投与しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には、1回1吸入を限度とする。なお、経過観察を十分に行い副作用の発現や過度の使用に注意し、保護者の監督のもとで使用させること。 |
24 〈気管支拡張剤〉 硫酸イソプロテレノール・臭化メチルアトロピン・デキサメタゾン |
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[販売名] | ストメリンD(藤沢) |
[一般的注意] |
本剤は小児に投与しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合は、他のβ2刺激薬吸入剤が無効な場合に限ること。 本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。 投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法・用量を正しく指導し、経過観察を十分に行うこと。用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。 患者又は保護者に対し、本剤の過度の使用により、不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、次の事項及びその他必要と考えられる注意を与えること。 (1)成人の場合、1回1吸入の用法・用量を守ること。なお、吸入後2~5分を待っても十分な効果がみられない場合には、1回1吸入を限度として追加吸入できるが、それ以上の追加投与は行わないこと。続けて用いる必要がある場合でも、少なくとも4~6時間の間隔をおき、1日4回(8吸入)までとすること。 (2)小児の場合、投与しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には、1回1吸入を限度とし、次の発作に使用する場合、少なくとも4~6時間の間隔をおき、1日4回(4吸入)までとすること。 |
[小児等への投与] | 投与しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には、1回1吸入を限度とする。なお、経過観察を十分に行い副作用の発現や過度の使用に注意し、保護者の監督のもとで使用させること。 |
25 〈5‐HT3受容体拮抗型制吐剤〉 塩酸ラモセトロン |
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[副作用 (重大な副作用(類薬))] |
ショック、アナフィラキシーショック、アナフィラキシー様症状:他の5‐HT3受容体拮抗型制吐剤で、ショック、アナフィラキシーショック、アナフィラキシー様症状(気分不良、胸内苦悶感、呼吸困難、喘息、顔面潮紅、発赤、そう痒感、チアノーゼ、血圧低下等)を起こすことがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 てんかん様発作:他の5‐HT3受容体拮抗型制吐剤で、外国において、てんかん様発作があらわれたとの報告がある。 |
26 〈消化管運動改善剤〉 シサプリド |
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[販売名] | アセナリン(ヤンセン協和)他 | |
[禁忌] |
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[相互作用 (併用しないこと)] |
HIVプロテアーゼ阻害剤(インジナビル)[本剤は主に肝チトクロームP450 3A4で代謝されるので、これらの薬剤との併用により、代謝が阻害され、血中濃度が上昇し、重篤な心室性不整脈等が起こる可能性がある。] | |
[小児等への投与] | 新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。 外国で、早産児においてQT延長の発現する可能性が高いとの報告があるので生後3ヵ月以内の早産児には投与しないこと。 |
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〈参 考〉 | 企業報告 |
27 〈潰瘍性大腸炎・クロン病治療剤〉 メサラジン |
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[販売名] | ペンタサ(日清製粉) |
[副作用 (重大な副作用)] |
過敏性肺障害(0.01%以上0.1%未満):メサラジンによる好酸球性肺炎、肺胞炎、肺臓炎、間質性肺炎等の肺障害が報告されているため、発熱、咳、呼吸困難、胸部X線異常等があらわれた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。 血小板減少症(0.01%未満):メサラジンによる血小板減少症が報告されているため、投与期間中は血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 Delerck, D., et al.:Rev. Mal. Respir., 11(3):292(1994) Reinoso, M. A., et al.:Chest, 101(5):1469(1992) Lagler, U., et al.:Shcweiz. Med. Wochenschr., 122(36):1332(1992) Honeyborne, D., et al.:BMJ, 308:533(1994) Casellas, F., et al.:J. Clin. Gastroenterol., 22(2):160(1996) Jick, H., et al.:Parmacotherapy, 15(2):176(1995) Current Problems in Parmacovigilance, 21:5(1995) Daneshmend, T. K.:Lancet, 337:1297(1991) |
28 〈経口プロスタサイクリン誘導体製剤〉 ベラプロストナトリウム |
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[販売名] | ドルナー(東レ)、プロサイリン(科研) |
[副作用 (重大な副作用)] |
出血傾向(脳出血、消化管出血、肺出血、眼底出血):観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
[副作用 (その他の副作用)] |
血液:血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。 精神・神経系:ときに頭痛、まれに眠気、また、めまい、ふらつき、立ちくらみ、しびれ感等があらわれることがある。 消化器系:まれに胃潰瘍、ときに嘔気・嘔吐、下痢、胃障害、腹痛、食欲不振、また、口渇、胸やけ等があらわれることがある。 循環器系:血圧低下、ときに顔面潮紅、ほてり、のぼせ、動悸、まれに頻脈があらわれることがある。 その他:浮腫、疼痛、胸痛、関節痛、脱毛、咳嗽、息苦しさ、倦怠感、ときにトリグリセライドの上昇、まれに発熱、冷汗等があらわれることがある。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
29 〈ロイコトリエン受容体拮抗剤〉 プランルカスト水和物 |
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[販売名] | オノン(小野) |
[副作用 (重大な副作用)] |
まれに白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
30 〈セフェム系抗生物質〉 塩酸セフォソプラン |
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[販売名] | ファーストシン(武田) |
[副作用 (重大な副作用)] |
血液:ときに顆粒球減少、また、まれに無顆粒球症があらわれることがあり、他のセフェム系抗生物質で溶血性貧血があらわれることが報告されているので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
31 〈ニューキノロン系抗菌剤〉 フレロキサシン |
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[販売名] | メガロシン(杏林) |
[副作用 (重大な副作用)] |
過敏性血管炎:まれに紫斑、腹痛、嘔吐、下痢、下血等を伴う過敏性血管炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
[副作用 (その他の副作用)] |
肝臓:まれに黄疸、また、ときにGOT、GPT、Al‐Pの上昇等の肝機能異常があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
32 〈抗ウイルス剤〉 硫酸インジナビル |
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[販売名] | クリキシバンカプセル(萬有) |
[副作用 (重大な副作用)] |
腎不全、水腎症、間質性腎炎、腎盂腎炎:本剤の投与により腎不全、水腎症、間質性腎炎、腎盂腎炎が報告されているので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。 肝炎、肝不全:本剤の投与により肝炎、肝不全が報告されているので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。 貧血、溶血性貧血:本剤の投与により貧血、溶血性貧血が報告されているので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。 血糖値の上昇、糖尿病:本剤の投与により血糖値の上昇、糖尿病が報告されているので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 |
[副作用 (その他の副作用)] |
その他:味覚倒錯(14.8%)が報告されているので、このような症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
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