独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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添付文書、患者向医薬品ガイド、
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安全対策業務

医薬品等安全性情報 No.157

目次

  1. ロサルタンカリウムと過降圧に伴う失神・意識喪失について
  2. ブジラストと血小板減少について
  3. ノキシジルと動悸・胸痛等について
  4. 療用具における「コンピュータの西暦2000年問題」への対応について(その4)
  5. 使用上の注意の改訂について(その116)

 この医薬品等安全性情報は、従来の医薬品副作用情報を改めたもので、厚生省において収集された副作用情報をもとに、医薬品等のより安全な使用に役立てていただくために、医療関係者に対して情報提供されるものです。

平成11年(1999年)11月
厚生省医薬安全局

情報の概要

No. 医薬品等 対策 情報の概要
1 ロサルタンカリウム 使 症  ロサルタンカリウムはアンギオテンシン-IIタイプ1受容体を選択的に阻害する降圧薬として、平成10年8月に発売された。本剤の臨床試験において、低血圧の発現が認められており、添付文書の「使用上の注意」に記載していたが、過降圧に伴う失神、意識喪失が報告されたことから、「使用上の注意」の改訂を行い、医療関係者への注意喚起を行うこととした。
2 イブジラスト 使 症  イブジラストは経口の気管支喘息改善剤等として平成元年1月に承認され、5月より発売された。開発時においてはみられなかった血小板減少が5例報告されたため、「使用上の注意」の「副作用」の項に「重大な副作用」を新たに設け、医療関係者への注意喚起を行うこととした。
3 ミノキシジル    「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」の効能・効果で承認されたミノキシジル1%含有ローションは、平成11年6月より薬局・薬店において販売が開始された。しかし、発売後、動悸、胸痛等の症状が報告されていることから、安全性確保の観点から、消費者の注意を一層喚起する必要がある。
4 2000年問題     平成11年7月末時点での医療用具業界における「コンピュータの西暦2000年問題」(以下「2000年問題」という。)への対応状況について調査を行ったところ、マイコンチップ搭載医療用具は8602品目あり、このうち8101品目(94.2%)については、修正・模擬テストの実施等必要な対応を完了した。また、2000年問題の対応が完了していない501品目全てについても、11月末までに対応が完了するよう進められている。
5 ロサルタンカリウム他(25件)   使用上の注意の改訂について(その116)
 

緊:緊急安全性情報の配布 使:使用上の注意の改訂 症:症例の紹介

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ロサルタンカリウムと過降圧に伴う失神・意識喪失について

成分名
該当販売名
成分名 該当販売名
ロサルタンカリウム ニューロタン錠25、50(萬有製薬)
薬効分類等 アンギオテンシン-II受容体拮抗剤
効能効果 高血圧症
 

(1) 経緯

 ロサルタンカリウムは、アンギオテンシン-II(AII)タイプ1受容体(AT1)を選択的に阻害し、AIIの昇圧作用を受容体のレベルで抑制することにより降圧作用をもたらす薬剤で平成10年7月に承認された。
 本剤の臨床試験において、低血圧の発現が認められており、発売当初より添付文書の「使用上の注意」に記載し、注意を喚起してきた。特に、利尿降圧剤投与中の患者、厳重な減塩療法中の患者及び血液透析中の患者といった体液量の減少している患者では、初回投与後一過性の血圧低下を起こすおそれがあることを「重要な基本的注意」に記載してきた。
 平成10年8月の発売以降、現在までに過降圧によるショック5例、意識喪失4例、失神1例が報告されたことから、「使用上の注意」の改訂を行い、医療関係者への注意喚起を行うこととした。
 

(2) 症例の紹介

 報告された意識喪失等の10例の年齢は55~85歳であり、投与開始から副作用発現までの期間は1日未満(5例)、4日(1例)、約2週間(2例)、1ヵ月以上(2例)であった。9例には発現時に過度の降圧(収縮期血圧60~70mmHg/拡張期血圧30~50mmHg)が認められ、そのうち、4例では利尿剤を併用(うち1例は減塩療法併用)していた。10例ともすべて本剤投与中止後回復した。
 報告症例のうち意識喪失の2症例を表1に紹介する。
 

(3) 安全対策

 本剤による失神・意識喪失の発現機序は明らかではないが、報告されたほとんどの症例で過度の血圧低下を認めていることから、過降圧に伴う一過性のショック症状であると考えられる。利尿降圧剤投与中、厳重な減塩療法中、又は血液透析中の体液量の減少している患者では、レニン・アンギオテンシン系が亢進していることが知られており、これらの患者ではAII受容体拮抗薬の降圧効果が強くあらわれることがあるため、慎重に投与する必要がある。

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》

〈ロサルタンカリウム〉

慎重投与

 体液量が減少している患者(利尿降圧剤投与中、厳重な減塩療法中、血液透析中)(「重要な基本的注意」の項参照)
 

重要な基本的注意

 本剤の投与によって、一過性の血圧低下(ショック症状、意識喪失、呼吸困難等を伴う)を起こすおそれがあるので、そのような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、特に次の患者では投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
 ア.利尿降圧剤投与中の患者
 イ.厳重な減塩療法中の患者
 ウ.血液透析中の患者


副作用

重大な副作用

失神・意識喪失:血圧低下に伴う一過性のショック症状があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。


表1 症例の概要

No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性、
年齢
使用理由〔合併症〕 経過及び処置
1
50代
高血圧症
〔慢性腎不全、高脂血症、高尿酸血症〕
50mg
1日間
本剤投与開始1日目、朝、内服。
10:00:血圧102/48mmHg。
13:00:歩行中、突然意識喪失し転倒。前額部強打にて血腫あり。
転倒時、収縮期血圧64mmHg。数分後に意識回復。頭部CT上、脳内異常なし。
14:00頃:血圧82/40mmHg。
夕方:血圧124/84mmHg。
本剤投与中止。
企業報告
併用薬:アロプリノール、シンバスタチン、ベンズブロマロン、クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム、イコサペント酸エチル、球形吸着炭
2
60代
高血圧症
〔複視、脳梗塞疑い〕
50mg
14日間
本剤投与開始14日目、13:20頃、5秒間の意識喪失を来し倒れる。
13:40:内科受診。血圧70/40mmHg、脈拍60/分。
16:15:輸液1000mL及びメチル硫酸アメジニウム10mg投与。
17:00:収縮期血圧100mmHgのため入院。
本剤投与中止。
中止1日目、4:00:血圧88/57mmHg。
8:00:血圧152/74mmHgと回復。
企業報告
併用薬:メコバラミン、塩酸チクロピジン
 

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イブジラストと血小板減少について

成分名
該当販売名
成分名 該当販売名
イブジラスト ケタスカプセル10mg(杏林製薬)
ピナトスカプセル10mg(大正薬品工業)
薬効分類等 気管支喘息・脳血管障害改善剤
効能効果 気管支喘息
脳梗塞後遺症、脳出血後遺症に伴う慢性脳循環障害による自覚症状の改善
 
成分名
該当販売名
成分名 該当販売名
イブジラスト ガルディカプセル10(沢井製薬)
ケイスラートカプセル10mg(長生堂製薬)
薬効分類等 気管支喘息改善剤
効能効果 気管支喘息
 

(1)経緯

 イブジラストは平成元年1月に承認された経口の気管支喘息・脳血管障害改善剤である。本剤は平成元年5月に発売されたが、その後、開発時においてはみられなかった血小板減少が5例報告されている。このため、「使用上の注意」の改訂を行い、医療関係者への注意喚起を行うこととした。
 

(2)症例の紹介

 血小板減少について、これまでに国内で報告された5例の症例は、患者年齢71~91歳、投与日数4日間~5年45日間ですべて男性であった。
そのうち、2症例について表1に紹介する。
 

(3)安全対策

 「使用上の注意」の「副作用」の項に「重大な副作用」を新設し、血小板減少を追加記載した。血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行うことが必要である。
 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》

〈イブジラスト〉

2.副作用

(1)重大な副作用
血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。


表1 症例の概要

No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性、
年齢
使用理由〔合併症〕 経過及び処置
1
70代
多発性脳梗塞
〔肺炎〕
20mg
92日間
本剤投与92日目、血小板減少出現(PLT 1.1×104/μL)、下肢に点状出血を認め、PT 11.4sec、APTT 32.2sec、フィブリノーゲン 402.1mg/dL、FDP 10μg/mL。
全薬剤投与中止。
メシル酸ガベキサート 2400mg/日投与開始。
右下肺に肺炎あり、抗生剤投与開始。
投与中止4日目、血小板輸血 10U/日。
投与中止5日目、血小板輸血 10U/日、PLT 4.7×104/μL。
投与中止8日目、PLT 8.2×104/μL。
投与中止11日目、PLT 9.5×104/μL。
投与中止15日目、PLT 14.7×104/μL、回復。
企業報告
臨床検査値
 
  本剤投与92日目
(中止1日目)
本剤中止5日目 本剤中止8日目 本剤中止15日目
PLT(104/μL) 1.1 4.7 8.2 14.7
RBC(104/μL) 348 312 291 240
WBC(/μL) 4400 4300 6600 5200
Hb(g/dL) 10.6 9.6 8.8 7.5
Ht(%) 30.5 28.2 26.4 22.3

併用薬:ノルフロキサシン、アスピリン・ダイアルミネート、メトラゾン、塩酸タムスロシン、アニラセタム、アリルエストレノール
2
80代
慢性脳循環障害
慢性気管支炎
30mg
477日間
本剤投与5ヵ月目、在宅酸素療法開始。
本剤投与460日目、皮下出血、その他出血傾向を示す症状はなく、結核菌は陰性。
投与477日目、10時、呼吸困難、血痰出現。酸素吸入にていったん軽減。
11時30分頃、再度呼吸困難が出現。チアノーゼを認めたため救急外来受診。
SpO2 58~61(O2、2L/分、酸素カテーテル)。
四肢に点状出血斑、紫斑を著明に認める。血痰増加。
PLT 2000/μL。濃厚血小板 10U輸血。O210L/分で経過観察したが改善せず。
喀痰の細菌検査は+(常在菌)と判定。
2時46分、死亡(急性呼吸不全)。
企業報告
臨床検査値
 
  本剤投与11日前 本剤投与392日目 本剤投与429日目 本剤投与477日目
PLT(104/μL) 18.5 20.7 7.4* 0.2
RBC(104/μL) 436 419 410 412
WBC(/μL) 5600 5100 5000 6300
Hb(g/dL) 14.1 13.4 13.1 13.6
Ht(%) 42.3 42.4 40.2 41.7
                          *:血小板凝集のため、参考値
併用薬:ペントキシフィリン、塩酸イトプリド、混合ビタミン、アデノシン三リン酸二ナトリウム、水酸化マグネシウム、ピコスルファートナトリウム、納豆菌配合消化酵素製剤、塩化リゾチーム、センナエキス
 

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ミノキシジルと動悸・胸痛等について

成分名
該当販売名
成分名 該当販売名
ミノキシジル リアップ(大正製薬)
薬効分類等 毛髪用薬
効能効果 壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防
 

(1)経緯

 ミノキシジルを1%含有し、発毛作用を有する「リアップ」は平成11年2月に新有効成分含有一般用医薬品(いわゆるダイレクトOTC)として製造を承認され、薬局・薬店において6月初旬に販売が開始された。
 本邦で実施した臨床試験において、動悸、胸痛等の症状は発現していないが、海外での使用成績調査において、動悸、胸痛の発現が報告されていたことから使用上の注意に記載し注意喚起を行ってきた。
 

(2)動悸、胸痛について

 本剤は、新有効成分含有一般用医薬品として発売後6年間の使用成績調査が義務づけられており、調査が行われているが、市販後3ヵ月間に、本剤使用後に動悸、胸痛を経験したとする報告が薬局等を通じて企業に寄せられている。また、海外では、本剤との関係は明らかではないが心筋梗塞を発症した症例が4例報告されており、国内においても、今般、胸痛を発症し心筋梗塞と診断された症例が1例報告されている。
 

(3)対応

 心筋梗塞と本剤との関係は明らかではないが、本剤使用後に動悸、胸痛等の異常が認められた場合には直ちに使用を中止することが必要であり、使用者への注意喚起を徹底する必要がある。
 

(4)お願い

 安全性確保の観点から、薬局・薬店での販売時に、使用中あるいは使用後に好ましくない症状があらわれた場合には、直ちに使用を中止し、医師又は薬剤師に相談するよう注意喚起を徹底するとともに、動悸、胸痛等の好ましくない症状の情報が得られた場合には医薬品等安全性情報報告制度による報告をお願いしたい。

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医療用具における「コンピュータの西暦2000年問題」への対応について(その4)

(1)概要

 平成11年7月末時点での医療用具業界における「コンピュータの西暦2000年問題」(以下「2000年問題」という。)への対応状況について調査を行ったところ(注)、マイコンチップ搭載医療用具は8602品目あり、このうち8101品目(94.2%)については、修正・模擬テストの実施等必要な対応を完了した。また、2000年問題の対応が完了していない501品目全てについても、11月末までに対応が完了するよう進められている。

注)

  • 都道府県及び業界団体を通じ過去2回(平成10年12月、平成11年3月)調査を実施、さらに対応未了の業者に絞って今回調査を実施し、前2回の調査結果とあわせて、医療用具製造業者等の対応状況をとりまとめたもの。
  • 「製造業者等」は、製造業者、輸入販売業者、外国製造承認取得者及び国内管理人を含む。
     

(2)医療用具製造業者等のマイコンチップ搭載医療用具の製造等状況

  • 全ての医療用具のうち、2000年問題発生の恐れがあるのは、マイコンチップを搭載したもののみであり、マイコンチップを搭載していない医療用具に関しては、2000年問題発生の恐れはない。
  • マイコンチップ搭載医療用具を取り扱っていた業者は、全医療用具製造等許可業者3332社のうち、540社であり、合計8602品目を取り扱っていたことを把握した。
  • 全医療用具製造等許可業者のうち、24社については、すでに医療用具製造許可を廃止等しており、マイコンチップ搭載医療用具の製造状況は不明。

  マイコンチップ搭載医療用具を取り扱っていない業者:2768社
  マイコンチップ搭載医療用具を取り扱う業者:540社(8602品目)
  医療用具製造許可を廃止等した業者:24社
  合計:3332社
 

(3)マイコンチップ搭載医療用具の修正等対応状況について

  • 全てのマイコンチップ搭載医療用具8602品目について、全製造業者等540社の修正等対応状況を把握。
  • 不具合が全くないもの7223品目、全ての納入されている製品に対して不具合の修正・模擬テストを完了しているもの365品目及び日付誤表示等軽微な不具合はあるが使用に支障がないため納入されている製品について修正・模擬テストは不要と判断されたもの513品目、併せて8602品目中8101品目(94.2%)については「2000年問題の対応が完了した医療用具」であり、問題なく使用できることが判明。
  • 残りの501品目のうち、484品目については不具合の修正・模擬テストの作業を実施中である(11月末完了予定)。このうち、重篤な健康被害につながるような不具合を来す製品は1品目(平成10年12月末調査で判明のもの)のみであることが確認されている。当該1品目については27台が納入されているが、26台については既に修正等が完了しており、残り1台についても11月中に対応完了予定である。
  • また、1社17品目については、古い品目のため、納入先の把握ができないことから、医療機関等の納入先からの依頼に応じて対応することとしている。
 
  • 不具合が全くないことが確認されたもの7223品目(84.0%)
  • 不具合の修正・模擬テストを完了しているもの365品目(4.2%)
  • 日付誤表示等軽微な不具合はあるが使用に支障がないため修正・模擬テストは不要と判断されたもの513品目( 6.0%)
  • 不具合の修正・模擬テストの作業を実施中のもの88社 484品目(5.6%)
  • 古い品目のため、納入先の把握ができず、医療機関等の納入先からの依頼に応じて対応を予定しているもの1社17品目(0.2%)
     

(4)マイコンチップ搭載医療用具の製造業者等の体制整備状況について

  • マイコンチップ搭載医療用具の製造業者等のうち、体制整備が完了あるいは11月末までに完了予定のものが9割以上。

(1)2000年問題の対応窓口の設置について
既に設置:474社(87.8%)
11月末までに設置予定:33社(6.1%)
小計507社(93.9%)
設置予定なし: 33社(6.1%)
(設置しない主な理由)

  • 取り扱っている全製品はカレンダー機能を内蔵しているマイコンチップは使用しておらず問題発生のおそれはない。
  • 取り扱っている全製品の医療機関は全て把握しており直接連絡を行っている。

(2)危機管理計画の策定
策定済み:211社(39.1%)
11月末までに策定予定:282社(52.2%)
小計493社(91.3%)
策定予定なし:47社( 8.7%)
(策定しない主な理由)

  • 全ての製品が2000年問題には該当しないことを確認した。

(5)医療機関へのお願い

 今回までの調査結果をふまえ別添のとおり「コンピュータの西暦2000年問題:医療用具チェックリスト」を作成したので11頁「このチェックリストの使い方」を活用し、医療機関において保有されている用具のチェックを効率的に進めていただきたい。

医療用具に対する対応状況(平成11年7月末現在)

1999年10月

                        

コンピュータ西暦2000年問題:医療用具チェックリスト

1.このチェックリストは、医療機関において医療用具のチェックを効率的に進めるため作成されております。保有されている医療用具のチェックを行う際にお役立てください。

2.今後の業者の対応の進捗状況については、厚生省ホームページ( http://www.mhw.go.jp)に逐次掲載する予定ですので、今後とも厚生省からの新しい情報をチェックするようにお願いします。

3.このチェックリストにおいて、問題発生のおそれのあるとされている製品については、取扱業者に連絡をとって、予想される不具合の内容の詳細と必要な対応について確認してください。

  •  このチェックリストの使い方

このチェックリストは以下の2つの表から構成されております。
 

  表1:マイコンチップ搭載医療用具チェックリスト
  表2:マイコンチップ搭載医療用具を取り扱っていない製造業者等の名称リスト
 

このチェックリストは以下の順序で使用し、医療用具のチェックを行ってください。
 

(1)表1にはマイコンチップ搭載医療用具を取り扱っている業者名が50音順に記載されています。まず、チェックする医療用具の取扱業者名が表1の「企業名」の欄に記載されているかどうか確認してください。表1に記載があれば、その医療用具の取扱業者はマイコンチップ搭載医療用具を取り扱っている業者となります。
 

(2)表1にその医療用具の取扱業者名の記載があった場合には、その医療用具の製品名が表1の「製品名」の欄に記載されているかチェックしてください。その医療用具の製品名が記載されている場合には、誤作動等の内容の詳細と必要な対応について取扱業者に確認してください。また、当該業者の医療用具の製品名の記載がない場合には、企業名の記載されている右欄に業者の対応状況を総括的に記載していますので、参考にしてください。
 

(3)その医療用具の企業名が、表1に記載されていない場合には、表2を確認し、そこに企業名が記載されているかチェックしてください。表2に企業名が記載されている場合には、その企業の医療用具にはマイコンチップは搭載されていないので、越年時に使用して差し支えありません。
 

(4)表1及び表2に企業名の記載されていない業者の医療用具は、過去に廃業し現在存在しない業者である可能性が高いので、直接業者に問い合わせできない限り、越年時には原則として使用を避けてください。

表1:マイコンチップ搭載医療用具チェックリスト

  1. 本表は原則平成11年7月末における調査をもとにその後の追跡調査の結果を加え、10月26日現在までに把握できた医療用具製造業者等の対応状況をまとめたものです。今後も、調査によって判明した最新の情報に逐次更新し、厚生省ホームページ( http://www.mhw.go.jp)に掲載する予定でありますので、今後も厚生省あるいは製造業者等からの新しい情報に注意するようお願いします。
  2. なお、製品に関する問い合わせは直接製造業者等に行ってください。
  3. マイコンチップ搭載医療用具チェックリストの見方

(1)「企業名」について
マイコンチップ搭載医療用具を取り扱っている業者の名称を50音順に記載しています。

(2)「一般的名称」について
平成7年11月1日付薬発第1008号厚生省薬務局長通知「医療用具の一般的名称と分類について」に基づいた医療用具の種類名が一般的名称として記載されています。
 

(3)「優」について
「優」の項にPが記載されているものは優先医療用具を示しております。優先医療用具とは、平成11年4月16日付け厚生省医薬安全局審査管理課長及び安全対策課長連名通知にて特定した、以下に示す「患者の多少にかかわらず、万が一2000年問題が発生した場合、患者の生命に影響を与える可能性があると考えられる医療用具」を指します。

(参考:優先医療用具)

成人用人工呼吸器
酸素発生式供給装置
液体酸素気化式供給装置
体外式心臓ペースメーカ
多人数用透析液供給装置
人工心肺用ポンプ
人工膵臓
閉鎖循環式保育器
脳・脊髄電気刺激装置
ベッドサイドモニタ
新生児モニタ
経皮血中ガス分圧モニタ
多用途テレメータ
自動点滴装置
放射線治療計画用X線装置
小児用人工呼吸器
酸素濃縮式供給装置
植え込み型心臓ペースメーカ
透析用監視装置
個人用透析装置
補助循環装置
自動腹膜環流装置
植え込み型除細動器
集中患者監視装置及び関連機器
パルスオキシメータ
分娩監視装置
専用テレメータ
輸液ポンプ
植え込み型医薬品注入器


(4) 「製品名」について
2000年問題対応未完了の製品の名称を記載しております。(一連の製品シリーズで一括掲載しているものもありますので御注意下さい。チェックする医療用具の名称が「製品名」に記載されている製品に該当するか不明な場合には、取扱業者に確認して下さい。)

(5) 「問題点」について
リスト中の各製品の「問題点」の欄に記載されている番号は、それぞれ以下の問題点を示します。なお、複数の数字が並べてある場合、例えば45という記載がある場合には、4及び5を示します。

1 死亡若しくは重篤な障害の発生又はそのおそれがある。
2 動作不良又はそのおそれがある。
3 起動しない。
4 西暦年の表示の異常のみであり死亡若しくは重篤な障害の発生又はそのおそれはない。
5 西暦年の記録の異常のみであり死亡若しくは重篤な障害の発生又はそのおそれはない。
6 その他の異常が生じる。
7 問題発生の可能性について確認中である(古い品目のため、納入先の把握ができず、医療機関等の納入先からの依頼に応じて対応を予定しているもの)。
 

(6) 「現在の対応状況」について
表1中の各製品の「現在の対応状況」は、以下を意味します。
  作 業 中 :修正作業等の2000年問題の対応作業中のもの。
  情報提供完了:2000年問題の不具合の内容等について情報提供完了したもの
  情報提供対応:情報提供により、2000年問題に対応するもの
         (情報提供中のものも含む)。
 

(7) 「使用について」について
「使用について」の欄には、万が一修正作業を行わなかった場合に、使用が可能かどうかについての製造業者等の考え方を示しています。
「使用可」 :健康被害の発生が全くないもの。
「使用不可」:健康被害につながる可能性があり、修正しなければ使用できないもの。
「注意」、「要確認」及び「空欄」:製造業者等において確認を要するもの。
 

(8)「使用者の把握」
表1中の各製品の「使用者の把握」に「否」が記載されている場合には、製造業者等が使用者の把握を完全に行っておらず、安全性に関する情報が行き届いていないおそれがあるため、使用者から製造業者等に連絡をとり、安全性に関する確認を行って下さい。
 

(9)「対応窓口」及び「危機管理計画」について
表1中の「対応窓口」、「危機管理計画」の項の中の記号は、以下の状況を示しています。

「対応窓口」 「危機管理計画」
○:対応窓口設置済 ○:危機管理計画策定済
△:対応窓口設置予定 △:危機管理計画策定予定
×:対応窓口設置予定なし ×:危機管理計画策定予定なし
        

マイコンチップ搭載医療用具チェックリスト

マイコンチップ搭載医療用具を取り扱っていない製造業者等の名称リスト

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使用上の注意の改訂について(その116)

 医薬品等安全性情報No.156掲載分以降に改訂を指導した使用上の注意について、改訂内容、主な該当販売名、参考文献等をお知らせいたします。

1 〈血圧降下剤〉
ロサルタンカリウム
[販 売 名] ニューロタン錠25(萬有)他
[慎重投与] 体液量が減少している患者(利尿降圧剤投与中、厳重な減塩療法中、血液透析中)(「重要な基本的注意」の項参照)
[重要な基本的注意] 本剤の投与によって、一過性の血圧低下(ショック症状、意識喪失、呼吸困難等を伴う)を起こすおそれがあるので、そのような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、特に次の患者では投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。

ア.利尿降圧剤投与中の患者

イ.厳重な減塩療法中の患者

ウ.血液透析中の患者
[副作用
(重大な副作用)]
失神・意識喪失:血圧低下に伴う一過性のショック症状があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性
肝炎又は劇症肝炎:症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
2 〈気管支喘息・脳血管障害改善剤〉
イブジラスト
[販 売 名] ケタスカプセル10mg(杏林)他
[副作用
(重大な副作用)]
血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
3 〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉
アルミノプロフェン
[販 売 名] ミナルフェン錠100(富士レビオ)他
[副作用
(重大な副作用)]
胃・十二指腸潰瘍、消化管出血:胃・十二指腸潰瘍、吐血、下血等の消化管出血があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害:GOT上昇、GPT上昇、Al-P上昇等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
[副作用
(重大な副作用(類薬))]
(穿孔を伴う消化性潰瘍を削除)
〈参 考〉 企業報告
 
4 〈非ステロイド性消炎鎮痛剤〉
プラノプロフェン(経口剤)
[販 売 名] ニフラン錠(吉富)他
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害、黄疸:肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、肝機能検査値に注意するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
5 〈選択的セロトニン再取り込み阻害剤〉
マレイン酸フルボキサミン
[販 売 名] デプロメール錠25(明治製菓)、ルボックス錠25(藤沢)他
[禁  忌] (シサプリドを削除)
[原則禁忌]
シサプリドを投与中の患者[併用によりQT延長、心室性不整脈等が発現する可能性があるので、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ慎重に投与すること(「相互作用」の項参照)。]
[相互作用
(併用禁忌)]
(シサプリドを削除)
[相互作用
(原則併用禁忌)]
シサプリド[併用によりシサプリドの血中濃度上昇の可能性があり、QT延長、心室性不整脈等が発現するおそれがある。やむを得ず併用する場合には、定期的に心機能検査等を実施し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。]
 
6 〈総合感冒剤〉
サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・メチレンジサリチル酸プロメタジン
[販 売 名] PL顆粒(塩野義)他
[副作用
(重大な副作用)]
間質性肺炎、好酸球性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
7 〈四級アンモニウム塩製剤〉
臭化ジスチグミン(経口剤)
[販 売 名] ウブレチド錠(鳥居)他
[用法・用量に関連する
使用上の注意]
コリン作動性クリーゼを防ぐため、医師の厳重な監督下のもとに通常成人1日1回5mgから投与を開始し、患者の状態を観察しながら症状により適宜増減すること。なお、効果が認められない場合には、漫然と投与せず他の治療法を検討すること。
 
8 〈強心剤〉
ベスナリノン
[販 売 名] アーキンZ錠60(大塚製薬)
[警告]
警告

無顆粒球症が発現するおそれが高く、死亡に至った例も報告されている。また、VesT(重症心不全を対象とした外国での長期臨床試験)において、本剤投与群でプラセボ群に比し死亡率が高かったという報告がある。そのため、本剤の投与は他の薬剤の効果が不十分な場合で、予後不良が予想される場合に限ること。

また、投与中は、患者を入院させるなど常に医師の監視下に置き頻回に血液検査を実施すること。(「重要な基本的注意」の項参照)
[禁  忌]
重篤な不整脈(心室頻拍、心室細動、高度な徐脈等)の患者[重篤な不整脈が更に悪化したとの報告がある。また、VesT(重症心不全を対象とした外国での長期臨床試験)における死亡率の増加は不整脈に由来する突然死に起因すると想定している。]
[慎重投与] (重篤な不整脈の患者[重篤な不整脈が更に悪化したとの報告がある。]重篤な肝障害あるいは腎障害のある患者[本剤の血中半減期が約45時間と長いため、薬剤の蓄積が起こるおそれがある。]を削除)

腎機能低下状態の患者[ジギタリス製剤の血中濃度が上昇するおそれがある。また、本剤の血中半減期が約45時間と長いため、薬剤の蓄積が起こるおそれがある。]
重篤な肝障害のある患者[本剤の血中半減期が約45時間と長いため、薬剤の蓄積が起こるおそれがある。]
〈参考〉 Cohn, J. N., et al.:New Eng. J. Med., 329(25):1810(1998)
 
9 〈不整脈用剤〉
ナドロール
[販 売 名] ナディック錠30mg(大日本)他
[禁  忌]
異型狭心症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[心刺激伝導の抑制により、症状の悪化を来す。]
[副作用
(重大な副作用(類薬))]
洞房ブロック、洞不全症候群:他のβ-遮断剤でこれらの副作用が報告されているので、観察を十分に行い、このような症状が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 
10 〈血管拡張剤〉
塩酸ベラパミル(経口剤)
[販 売 名] ワソラン錠(エーザイ)他
[副作用
(重大な副作用)]
循環器:心不全、洞停止、房室ブロック、徐脈、意識消失があらわれることがある。
〈参 考〉 企業報告
 
11 〈プロスタグランジンE1製剤〉
アルプロスタジルアルファデクス(20μg注射剤)
[販 売 名] 注射用プロスタンディン(小野)他
[副作用
(重大な副作用)]
白血球減少:まれに白血球減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止すること。
〈参 考〉 企業報告
 
12 〈鎮咳去たん剤〉
ヒベンズ酸チペピジン
[販 売 名] アスベリン錠(田辺)他
[禁   忌]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
[副作用
(重大な副作用)]
アナフィラキシー様症状:咳嗽、腹痛、嘔吐、発疹、呼吸困難等を伴うアナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
13 〈止しゃ剤、整腸剤〉
タンニン酸アルブミン
[販 売 名] タンナルビン(メルクホエイ)他
[禁忌]
牛乳アレルギーのある患者[ショック又はアナフィラキシー様症状を起こすことがある。]
[慎重投与] (牛乳アレルギーのある患者[呼吸困難、蕁麻疹、顔面浮腫等があらわれることがある。]を削除)
[副作用
(重大な副作用)]
(過敏症:まれに呼吸困難、蕁麻疹、顔面浮腫等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。を削除)

ショック、アナフィラキシー様症状:ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、蕁麻疹、顔面浮腫等の過敏症状あるいは気管支喘息発作等の症状が発現した場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参考〉 企業報告
網戸公美他:アレルギーの領域、4(3):394(1997)
小林一彦他:日本小児科学会雑誌、101(9):1456(1997)
芦田雅士他:日本皮膚科学会雑誌、108(4):554(1998)
 
14 〈消化管運動改善剤〉
シサプリド
[販 売 名] アセナリン錠(ヤンセン協和)他
[禁   忌]
QT延長のある患者(先天性QT延長症候群、特発性QT延長、糖尿病性QT延長)、先天性QT延長症候群の家族歴のある患者[心室性不整脈を起こすおそれがある。]

重篤な心室性不整脈、II度あるいはIII度の房室ブロック、極端な徐脈(40拍/分未満)、うっ血性心不全、虚血性心疾患の既往歴のある患者[QT延長、心室性不整脈を起こすおそれがある。]
[原則禁忌]
マレイン酸フルボキサミンを投与中の患者[併用によりQT延長、心室性不整脈等が発現する可能性があるので、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ慎重に投与すること(「相互作用」の項参照)。]
[相互作用
(原則併用禁忌)]
マレイン酸フルボキサミン[併用により本剤の血中濃度上昇の可能性があり、QT延長、心室性不整脈等が発現するおそれがある。やむを得ず併用する場合には、定期的に心機能検査等を実施し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。]
[相互作用
(併用注意)]
(マレイン酸フルボキサミンを削除)
 
15 〈抗甲状腺剤〉
チアマゾール
[販 売 名] メルカゾール錠(HMR)他
[妊婦、産婦、
授乳婦等への投与]
妊娠中の投与により、新生児に頭皮皮膚欠損症等があらわれたとの報告がある。
〈参 考〉 企業報告
 
16 〈黄体ホルモン剤〉
酢酸クロルマジノン(25mg、50mg)
[販 売 名] プロスタール錠25、プロスタールL錠(帝国臓器)他
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害、黄疸:肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、肝機能検査値に注意するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
17 〈LH-RHアゴニスト〉
酢酸ゴセレリン
[販 売 名] ゾラデックス3.6mgデポ(ゼネカ)
[副作用
(重大な副作用)]
間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。
 
18 〈ビタミンB6剤〉
リン酸ピリドキサール、リン酸ピリドキサールカルシウム、塩酸ピリドキシン
[販 売 名] ピロミジン錠10mg(山之内)他
アデロキザール散(ゾンネボード)他
塩酸ピリドキシン(丸石)他
[用法・用量に関連する
使用上の注意]
依存症に大量を用いる必要のある場合は観察を十分に行いながら投与すること。特に新生児、乳幼児への投与は少量から徐々に増量し、症状に適合した投与量に到達させること。
〈参 考〉 大塚頌子他:小児内科、23(9):1417(1991)
 
19 〈静注用鉄剤〉
含糖酸化鉄
[販 売 名] フェジン(吉富)他
[禁   忌] (重篤な腎障害のある患者[腎障害を増悪させるおそれがある。]を削除)
[慎重投与] 腎障害のある患者[腎障害が悪化するおそれがある。]
 
20 〈静注用鉄剤〉
シデフェロン
[販 売 名] フェリコン(日本臓器)
[禁忌] (重篤な腎障害を有する患者[増悪を来すおそれがある。]を削除)
[慎重投与] 重篤な腎障害を有する患者[増悪を来すおそれがある。]
〈参考〉 Anemia Working Group, Dialysis Outcomes Quality Initiative, National Kidney Foundation(USA):Clinical Practice Guidelines for the Treatment of Anemia of Chronic Renal Failure
山崎悟他:腎と透析、46(4):537(1999)
前田和弘他:新薬と臨床、47(3):286(1998)
川越裕也:日本網内系学会会誌、14(3):129(1975)
静注用鉄剤(InFeD)の添付文書(USA)
 
21 〈抗腫瘍性抗生物質〉
アクチノマイシンD
[販 売 名] コスメゲン(萬有)
[副作用
(重大な副作用)]
再生不良性貧血、無顆粒球症、汎血球減少等の骨髄抑制:重篤な血液障害があらわれることがあるので、頻回に臨床検査を行うこと。

肝静脈閉塞症:肝腫大、腹水等を伴う重篤な肝障害があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
22 〈抗エストロゲン剤〉
クエン酸タモキシフェン
[販 売 名] ノルバデックス(ゼネカ)他
[相互作用
(併用注意)]
リファンピシン[本剤の血中濃度が低下したとの報告がある。ただし、相互作用に起因する効果の減弱及び副作用の報告はない。]
[副作用
(重大な副作用)]
間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 Kivisto, K. T., et al.:Clin. Pharmacol. Ther., 64:648(1998)
 
23 〈ロイコトリエン受容体拮抗剤〉
プランルカスト水和物
[販 売 名] オノンカプセル(小野)
[重要な基本的注意] 本剤を含めロイコトリエン拮抗剤使用時にChurg-Strauss症候群様の血管炎を生じたとの報告がある。これらの症状は、おおむね経口ステロイド剤の減量・中止時に生じている。本剤使用時は、好酸球数、血管炎症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤等)等の推移に注意すること。
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害:黄疸、GOT・GPTの著しい上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
〈参 考〉 企業報告
 
24〈グリコペプチド系抗生物質〉
テイコプラニン
[販 売 名] 注射用タゴシッド(HMR)
[副作用
(重大な副作用)]
血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 
25〈ペネム系抗生物質〉
ファロペネムナトリウム
[販 売 名] ファロム錠150mg(サントリー)他
[副作用
(重大な副作用)]
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):まれに皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[副作用
(重大な副作用(類薬))]
(皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):類似化合物(ペニシリン系、セフェム系又はカルバペネム系薬剤等)で、まれに皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることが報告されているので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。を削除)
〈参 考〉 企業報告
 
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