独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

維持液投与後の低Na血症発生に関する電子媒体を用いた遡及的調査(拠点医療機関ネットワーク構築のための試行調査)

 PMDAでは、第一期中期計画に定める「特定の薬効群、特定の品目、特定の疾患ごとに医療機関を組織化し、情報を一定期間内に集中的に収集する情報収集拠点医療機関ネットワーク」を構築するための試行調査として、「維持液投与後の低Na血症発生に関する電子媒体を用いた遡及的調査」を実施しました。

本調査について

  小児における維持輸液(以下「維持液」)の使用中におこる低Na血症は「水中毒」として添付文書上では注意喚起されており、また小児科専門医においても経験的に知られているところです。しかし、この有害事象は病態の悪化ととらえられる場合もあり、維持液による副作用としての報告は多くはないため、発症頻度等の詳細な実態は明らかではありません。そこで平成18年10月より、PMDAは、維持液の使用による「低ナトリウム血症」に関して調査を実施することとしました。

目的

  小児における維持液〔調査対象薬〕の使用状況を確認し、維持液使用中の低ナトリウム血症発生頻度と発生傾向(患者背景)を把握し、さらに問題点、疑問点等を検証の上、製造販売後安全対策に用いることを目的とします。また、拠点医療機関ネットワーク構築上の試行調査として、電子媒体から得られる情報の検討と、各医療機関の異なった電子フォーマットのデータ統合に必要なプロセス、問題点の把握も目的としています。

調査方法

  本調査は、過去の電子的患者情報(電子カルテ・オーダリングシステム・薬歴システム・臨床検査システム・医事課システム等)を用いた遡及的調査であり、各医療機関から調査対象者〔調査対象者〕についての匿名化されたデータを回収・集計し、さらに、必要に応じて詳細調査を行います。また、調査結果につきましては本ホームページ上に掲載する予定です。
  なお、本調査は既存資料のみを用いる観察研究(介入を伴わない疫学研究)であり、「疫学研究に関する倫理指針」(平成14年6月17日 文部科学省・厚生労働省告示第2号)に従い、インフォームド・コンセントの実施を不要としております。ただし、上記指針に基づき、本ホームページ上に本調査の情報を公開しております。

調査方法

調査実施施設(調査対象期間)

国立成育医療センター (2006年4月~6月)
順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院 (2006年4月~6月)
虎の門病院 (2006年1月~12月)

調査対象者

調査対象期間に調査対象薬 (下記参照)の投与が開始された、年齢15歳未満の入院患者
※組み入れ患者数は事前に定めず、該当患者をすべて抽出します。

調査対象薬

調査対象薬  
製品名 製造販売業者
Na 35mEq/L
ソリタ-T3号 味の素株式会社
ソルデム3A テルモ株式会社
カーミキープ3号4.3G 川澄化学工業株式会社
ハルトマン-G3号「小林」 アイロム製薬株式会社
ユエキンキープ 光製薬株式会社
ソリタ-T3号G 味の素株式会社
ソルデム3AG テルモ株式会社
フィジオゾール・3号 株式会社大塚製薬工場
カーミキープ3号 川澄化学工業株式会社
アステマリン3号MG メルク株式会社
ヒルシナク液 ニプロファーマ株式会社
フィジオ35 株式会社大塚製薬工場
グルアセト35注 アイロム製薬株式会社
トリフリード 株式会社大塚製薬工場
Na 40mEq/L
EL-3号 味の素株式会社
10%EL-3号 味の素株式会社
ソルデム3PG テルモ株式会社
リプラス・3号 扶桑薬品工業株式会社
Na 45mEq/L
ヴィーン3G注 興和創薬株式会社
アクチット注 興和創薬株式会社
ペンライブ注 メルク製薬株式会社
エスロンB注 アイロム製薬株式会社
ソルマルト テルモ株式会社
アクマルト 光製薬株式会社
キリットミンB 株式会社大塚製薬工場
クリニザルツB アイロム製薬株式会社
アルトフェッド注射液 扶桑薬品工業株式会社
Na 50mEq/L
KN補液3B 株式会社大塚製薬工場
ソルデム3 テルモ株式会社
フルクトラクト注 株式会社大塚製薬工場
KN補液MG3号 株式会社大塚製薬工場
アステマリン3号 メルク製薬株式会社
ソリタックス-H 味の素株式会社
Na 60mEq/L
KN補液3A 株式会社大塚製薬工場
ソルデム4 テルモ株式会社

 

調査結果

維持液投与後の低Na血症発生に関する電子媒体を用いた遡及的調査 報告書
 

(参考)第一期中期計画 抜粋

副作用情報の解析の精度を高めるため、厚生労働省との協力、審査等部門との連携により、特定の薬効群、特定の品目、特定の疾患毎に医療機関を組織化し、 情報を一定期間内に集中的に収集する情報収集拠点医療機関ネットワークを厚生労働省と協力することにより中期目標期間終了時までに構築する。また、 このネットワークに参加する医療機関に対し、当該医療機関の診療に資する特定の疾患群等における副作用情報や適正使用に関する情報を重点的に提供する。

連絡先

医薬品医療機器総合機構
医薬品安全対策第一部 薬剤疫学課
TEL:03-3506-9484
FAX:03-3506-9441