独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

埋め込み型中心静脈ポートシステムの不具合に関する調査研究

背景

埋め込み型中心静脈ポートシステムの利用の広がり

 埋め込み型中心静脈ポートシステムは、薬剤投与ルート確保の容易さ、薬剤の長時間投与における利便性、 患者さんの日常生活への影響の少なさなどの理由により、外来にて化学療法を反復する患者さんに対し広く用いられています。 特に、進行再発結腸直腸がん症例に対する塩酸イリノテカン(CPT-11)やオキサリプラチン(L-OHP)との 併用による5-フルオロウラシル(5-FU)の46時間投与(FOLFIRI、FOLFOX)が標準的治療として導入されて以降、著しく普及してきています。

留置過程・使用過程における様々な不具合

 患者の病態に由来するもの、システム自体に由来するもの、取り扱いに由来するものなど構造上の欠陥とは言えない不具合も発生しており、 その実態についてはあまり把握されていないのが実情です。このような不具合の発生に関する実態把握と、 適切かつ迅速に対応できる体制の構築が求められています。
本調査研究は、PMDAと日本腫瘍IVR研究グループ(JIVROSG)の連携のもと実施しました。

目的

 本調査研究は、

  • 埋め込み型中心静脈ポートシステムの不具合発生率の推定
  • 不具合の内容の分類・集計
  • 不具合評価体制構築に必要な条件の把握

を目的としています。
さらに、この調査研究の実施経験をふまえて、医療機器の不具合評価体制の構築に必要な条件を検討します。

調査方法

(1)担当医は、適格症例を症例登録センター(大学病院医療情報ネットワーク;UMIN)にオンライン登録する。(匿名化)
(2)登録後、症例登録センターから事務局(調査分析課)に、症例登録番号・登録施設がE-mailにより通知される。
(3)事務局は、登録通知のE-mailを受信後、調査票を発行し登録施設へ郵送する。
(4)担当医は登録時、留置時および留置後1年間(4週毎に13回)、以下の項目について調査し、事務局にFAXにて報告する。
   登録時:患者性別・年齢、身長、体重、診断名、合併症 等
   留置時:留置手技実施日・所要時間、使用器具、合併症、術者の経験症例数 等
   留置後(13回):ポートシステムに関連する不具合・投与薬剤・管理(穿刺回数等)、患者の転帰 等

調査デザイン

本調査研究は多施設共同前向きの観察研究です。観察・検査についても日常診療の範囲内で行いました。

調査対象者

化学療法における抗癌剤の定期的静脈内投与を目的に埋め込み型中心静脈ポートシステム留置を必要とする患者

調査実施期間

登録期間:平成18年11月~平成19年3月 (登録例数:113例)
調査期間:平成20年4月まで

調査方法

調査実施施設

旭川厚生病院 放射線科
北海道大学病院 放射線科
岩手医科大学 放射線科
新潟県立がんセンター新潟病院 放射線科
国立がんセンター東病院 放射線部
国立がんセンター中央病院 放射線診断部
癌研有明病院 画像診断部
東京慈恵会医科大学 放射線科
静岡県立静岡がんセンター 画像診断科
愛知県がんセンター中央病院 放射線診断・IVR部
たかやすクリニック
高知県・高知市病院企業団立高知医療センター 放射線療法科

(参考)中期計画 抜粋

第一期(平成16~20年度)

 医療機器の特性から一定の割合で発生する構造上の欠陥とは言えない不具合の発生率を把握し、 中期目標期間終了時までに不具合について科学的な評価を実施する体制を構築する。

第二期(平成21~25年度)

医療機器の特性から一定の割合で発生する、構造上の欠陥とは言えない不具合の発生率を把握し、科学的な評価手法を開発する。

連絡先

医薬品医療機器総合機構 医療情報活用推進室
TEL:03-3506-9484
FAX:03-3506-9543



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