薬食安発第0921004号
平成19年9月21日
ペースメーカ協議会会長 殿
厚生労働省医薬食品局安全対策課長
植込み型除細動器と抗不整脈薬との相互作用に係る「使用上の注意」の改訂指示等について
植込み型除細動器(以下「ICD」という。)が植込まれた患者に、併用投与していた抗不整脈薬アミオダロン塩酸塩を増量したところ、アミオダロン塩酸塩の徐拍化作用により、患者に出現した持続性頻脈発作をICDが検出できず、除細動治療が行われなかった事例が報告されているところです。
今般、適正使用の推進の観点から、下記のとおりICDの使用上の注意を改訂するとともに、当該機器を使用する医療関係者に対する注意喚起を行わせるよう、貴会傘下の製造販売業者に対する指導方よろしくお願いします。
記
- 「重要な基本的注意」の項に、以下のように記載すること。
「併用する薬剤の追加投与又は投与量の変更に伴い、患者の心機能状態に影響を及ぼす可能性があるため、頻拍検出条件の再評価を行い、除細動試験を実施すること等により除細動効果が得られることを確認すること。【相互作用の欄参照のこと。】」
- 「相互作用(併用注意)」の項に、以下のように記載すること。
(1)ICDの頻拍検出パラメータがレート設定の機種の場合医療機器又は、
医薬品の名称等臨床症状・措置方法 機序・危険因子 抗不整脈薬
(アミオダロン
塩酸塩など)・ 抗不整脈薬の追加投与、増量、もしくは投与薬剤の変更を行った場合には、ICDによる治療が行なわれない可能性があるため、ICDの頻拍検出レートの再評価を考慮すること。 ・ 抗不整脈薬の徐拍化作用により、治療対象の不整脈のレートが、設定されたICDの頻拍検出レートを下回る可能性がある。 ・ 抗不整脈薬の追加投与、増量、もしくは投与薬剤の変更を行った場合には、ICDによる治療が行なわれない、あるいは治療効果が得られない可能性があるため、ICDの除細動パラメータの再評価を考慮すること。 ・ 抗不整脈薬による心内電位波形の変化や除細動閾値の変化により、治療対象の不整脈に対して適切な除細動効果が得られない可能性がある。 (2)ICDの頻拍検出パラメータがインターバル設定の機種の場合
医療機器又は、
医薬品の名称等臨床症状・措置方法 機序・危険因子 抗不整脈薬
(アミオダロン
塩酸塩など)・ 抗不整脈薬の追加投与、増量、もしくは投与薬剤の変更を行った場合には、ICDによる治療が行なわれない可能性があるため、ICDの頻拍検出インターバルの再評価を考慮すること。 ・ 抗不整脈薬の徐拍化作用により、治療対象の不整脈のインターバルが、設定されたICDの頻拍検出インターバルを上回る可能性がある。 ・ 抗不整脈薬の追加投与、増量、もしくは投与薬剤の変更を行った場合には、ICDによる治療が行なわれない、あるいは治療効果が得られない可能性があるため、ICDの除細動パラメータの再評価を考慮すること。 ・ 抗不整脈薬による心内電位波形の変化や除細動閾値の変化により、治療対象の不整脈に対して適切な除細動効果が得られない可能性がある。
以 上