平成15年9月10日
製品の概要
1)成分名
塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム、無水硫酸ナトリウム配合剤
2)販売名
ニフレック(平成4年3月27日承認、平成4年6月販売開始)、他4品目(別紙参照)
3)企業名
味の素ファルマ株式会社、他4社(別紙参照)
4)効能・効果
大腸内視鏡検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除
5)販売実績
約330億円(ニフレック)(平成4年6月~平成15年7月末)
(平成14年度:約26億円)
6)推定使用患者数
約1,772万人(ニフレック)(平成4年6月~平成15年7月末)
(平成14年度:約165万人)
経緯
- 「ニフレック」等は、「大腸内視鏡検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除」に用いられる医薬品であり、我が国では平成4年6月から販売されている。米国等海外においても同処方の製剤が使用されている。
- 本剤投与時の腸管内圧上昇による腸管穿孔の発現については、市販後の6例(うち死亡1例)の副作用報告を踏まえ、平成12年3月に、使用上の注意の「重大な副作用」の項等に「腸管穿孔」に関する記載を追加して、医療関係者の注意を喚起してきた。
- しかしながら、使用上の注意の改訂後も、腸管穿孔について死亡例4例を含む5例が報告されているほか、腸閉塞についても、発売以来、死亡例1例を含む7例が報告されている。本剤は年間約165万人に投与されている医薬品であり、これらの重篤な副作用の発現は極めてまれであるものの、本剤の投与にあたっては、排便、腹痛等の状況を確認しながら慎重に投与することをあらためて徹底すべきであると考えられた。
- 以上のことから、今般、あらためて警告欄を含め使用上の注意を改訂するとともに、「緊急安全性情報」等を医療機関等に配布して、腸管穿孔、腸閉塞について医療関係者の注意を喚起するよう、関係5社に指示した。
対応
(1)厚生労働省
関係5社に対し、以下の内容の使用上の注意(警告欄も含む)の改訂を指示し、併せて緊急安全性情報及び患者向け説明文書の作成並びに医療機関等への配布を指示した。
<使用上の注意の改訂内容>
- 排便、腹痛等の状況を確認しながら慎重に投与し、腹痛等があらわれた場合には、適切な検査等を行い、投与継続の可否について慎重に検討すること。(「警告」に追加。「用法・用量に関連する使用上の注意」に具体的に記載。)
- 腸閉塞の疑いのある患者には投与しないこと。(「警告」、「禁忌」に追加。)
- 腸管狭窄、高度な便秘の患者には慎重に投与すること。(「警告」、「慎重投与」に追加。)
- 高齢者では、時間をかけて投与するなど十分に注意すること。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「高齢者への投与」等に追加。)
- 患者の日常の排便の状況及び投与前の便通を確認すること。特に自宅で服用する際には、服用前日あるいは服用前に排便がない場合には医師等に相談するよう患者を指導すること。(「重要な基本的注意」に追加。)
(2)関係5社
- 使用上の注意の改訂を行うとともに、「緊急安全性情報」を作成し、医療機関等に対して、速やかに伝達する。
- 患者向け説明文書の作成
患者が、定められた投与速度で、かつ、腹痛等の有無を確認しながら慎重に服用することができるように、分かりやすく服用手順やチェック項目を記載した患者向け説明文書を作成し、医療機関等に配布する。 - 引き続き、有害事象の発現状況の把握に努める。
問い合わせ先
医薬食品局安全対策課
担当
俵木(内線2755)
田宮(内線2753)
味の素ファルマ(株)
担当部署
薬制部
担当
井上、網野
電話
03-5201-1818
太田製薬(株)
担当部署
安全性管理部
担当
三倉、冨士田
電話
048-622-0697
大洋薬品工業(株)
担当部署
安全性調査室
担当
三宅、小川
電話
052-205-5006
大原薬品工業(株)
担当部署
安全性調査部
担当
山岸、鈴木
電話
03-5614-6577
日本製薬(株)
担当部署
医薬情報部
担当
海野
電話
03-3864-8413
別紙
経口腸管洗浄剤(塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム、無水硫酸ナトリウム配合剤)一覧
販売名 | 企業名 |
---|---|
ニフレック | 味の素ファルマ株式会社 |
オーペグ | 太田製薬株式会社 |
スクリット | 大洋薬品工業株式会社 |
ニフプラス | 大原薬品工業株式会社 |
ムーベン | 日本製薬株式会社 |