平成14年5月30日
医薬品の副作用としてスティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)、中毒性表皮壊死症等の重篤な皮膚障害がある。これらの副作用の発生頻度は極めて低いものの、発症すると予後不良となる場合があり、皮膚症状が軽快した後も眼や呼吸器官などに障害を残すことがある。
これらの重篤な皮膚障害については、2000年(平成12年)11月発行の「医薬品・医療用具等安全性情報No.163」において紹介したところであるが、今般、スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)、中毒性表皮壊死症等について改めて注意を喚起するため、厚生労働省への副作用症例報告等をまとめて紹介する。
2.アジスロマイシン水和物とスティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症及びショックについて
アジスロマイシン水和物は、2000年(平成12年)3月に承認されたマクロライド系抗生物質である。
本剤によるスティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)、中毒性表皮壊死症及びショックについては、海外での市販後の成績に基づき、2000年(平成12年)6月の発売時より「重大な副作用」として使用上の注意に記載し、注意を喚起してきた。
発売以降、本剤との因果関係を否定できないスティーブンス・ジョンソン症候群21例、中毒性表皮壊死症1例、ショック(アナフィラキシー様症状を含む。)25例が報告されたことから、「重要な基本的注意」の項に本剤投与時の患者への説明等を追記するなど使用上の注意を改訂し、より一層の注意喚起を行うこととした。