平成12年9月27日
1.ウルソデスオキシコール酸(別名:ウルソデオキシコール酸)と間質性肺炎について該当商品名 | ウルソ顆粒、ウルソサン錠50mg、ウルソ100(三菱東京製薬)他 |
---|---|
年間推定出荷量 | 約140億円 |
ウルソデスオキシコール酸(別名:ウルソデオキシコール酸)は、昭和32年(1957年)3月に承認された肝・胆・消化機能改善剤であり、各科領域で使用されている。
ウルソデスオキシコール酸は、年間約280万人に使用されているが、今般、本剤との因果関係を否定できない間質性肺炎が3例報告されたことから「重大な副作用」の項を新たに設けて間質性肺炎を記載し、医療関係者への注意喚起を行った。なお、今回報告された症例はいずれも肝機能の改善を目的として本剤が投与された症例であった。
該当商品名 | キサンボン注(キッセイ薬品工業) 注射用カタクロット(小野薬品工業) |
---|---|
年間推定出荷量 | 約290億円 |
オザグレルナトリウムは、トロンボキサン合成酵素阻害剤であり、昭和63年(1988年)1月に「クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善」の効能効果で承認され、平成4年(1992年)1月「脳血栓症(急性期)に伴う運動障害の改善」の追加効能を取得している。
本剤による腎機能障害については、平成6年(1994年)4月に「その他の副作用」の項に「BUNの上昇」、さらに平成8年(1996年)4月には「クレアチニンの上昇」を記載し注意喚起してきたが、その後急性腎不全等の重篤な腎機能障害が14例報告されたため「重大な副作用」の項に「腎機能障害」を追記し、一層の注意喚起を行った。
該当商品名 | メレリル散(日本チバガイギー) メレリル10、同25、同50、同100(武州) |
---|---|
年間推定出荷量 | 約6億円 |
チオリダジンは、昭和37年(1962年)2月に承認されたドパミン拮抗作用を有するフェノチアジン系の抗精神病薬である。
チオリダジン投与による「QT延長とそれに続く突然死の報告がある」ことは、昭和51年(1976年)に使用上の注意に記載して注意喚起を行ってきたが、本年6月には使用上の注意を改訂し、QT間隔の延長のリスクファクター、Torsades de pointesを含む心室頻拍を追記するなど適正使用の注意喚起を行った。
しかしながら、本剤の投与量に依存してQT延長の程度が増大するとの報告があることから、今回「用法用量に関連する使用上の注意」を新設し、更に注意喚起を行った。
ヨストラジャパン株式会社が販売していた代用心膜「シェルハイノーリアクトパッチ」の使用症例に、遅発性皮下膿症(縦隔炎)が発生したとの報告があり、当該製品は本年3月に回収を完了している。
このほど、当該製品と遅発性皮下膿症との関係等について、「遅発性皮下膿症への当該製品の関与は否定できない」及び「患者については、症状の有無にかかわらず現時点での状況を確認するとともに観察を継続することが必要である」との検討結果をとりまとめたので紹介する。