独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
メニュー
閉じる
閉じる
閉じる

添付文書、患者向医薬品ガイド、
承認情報等の情報は、
製品毎の検索ボタンをクリックしてください。

安全対策業務

医薬品・医療機器等安全性情報 No.236

目次

  1. チクロピジン塩酸塩製剤とTAXUSエクスプレス2ステントの市販後安全対策について
  2. 重要な副作用等に関する情報
    1. エダラボン
    2. 塩酸アミオダロン(経口剤)
    3. コハク酸シベンゾリン(経口剤)
  3. 使用上の注意の改訂について(その186)
    リン酸オセルタミビル他(11件)
  4. 市販直後調査の対象品目一覧

 

 この医薬品・医療機器等安全性情報は, 厚生労働省において収集された副作用等の情報をもとに, 医薬品・医療機器等のより安全な使用に役立てていただくために, 医療関係者に対して情報提供されるものです。

平成19年(2007年)5月
厚生労働省医薬食品局

 
【情報の概要】
No. 医薬品等 対策 情報の概要
1 チクロピジン塩酸塩製剤とTAXUSエクスプレス2ステントの市販後安全対策について     チクロピジン塩酸塩(塩酸チクロピジン)の安全対策については, 医薬品等安全性情報No.156(平成11年8月号)及び緊急安全性情報(平成11年6月30日, 平成14年7月23日)において適正使用をお願いしてきたところであるが, 今般, 国内2例目の薬剤溶出型冠動脈ステントの承認に伴い, 当該ステントを用いた冠動脈ステント治療の安全対策のため, 関係企業に対して, 適正使用の徹底を通知するとともに, 都道府県, 関係学会及び団体に対して協力依頼・周知をお願いしたので, 当該通知の内容を紹介し, 改めて医療関係者に注意喚起するものである。
2 エダラボン他(2件) (使)
(症)
 平成19年3月23日に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について, 改訂内容等とともに改訂の根拠となった症例の概要等に関する情報を紹介する。
3 リン酸オセルタミビル他(11件)    使用上の注意の改訂について(その186)
4 市販直後調査対象品目    平成19年5月1日現在, 市販直後調査の対象品目一覧を紹介する。

(緊):緊急安全性情報の配布 (使):使用上の注意の改訂 (症):症例の紹介




 

厚生労働大臣への副作用等報告は, 医薬関係者の業務です。

 医師, 歯科医師, 薬剤師等の医薬関係者は, 医薬品や医療機器による副作用, 感染症, 不具合を知ったときは, 直接又は当該医薬品等の製造販売業者を通じて厚生労働大臣へ報告してください。
 なお, 薬種商販売業や配置販売業の従事者も医薬関係者として, 副作用等につき, 報告することが求められています。
 

目次へ

 

チクロピジン塩酸塩製剤とTAXUSエクスプレス2ステントの市販後安全対策について

 チクロピジン塩酸塩(塩酸チクロピジン)の安全対策については, 医薬品等安全性情報No.156(平成11年8月号)及び緊急安全性情報(平成11年6月30日, 平成14年7月23日)において適正使用をお願いしてきたところであるが, 今般, TAXUSエクスプレス2ステント(会社名:ボストン・サイエンティフィック ジャパン)の承認に伴い改めて注意喚起することとした。
 チクロピジン塩酸塩製剤とTAXUSエクスプレス2ステントの適正使用については, 平成19年4月20日付薬食審査発第0420003~7号及び薬食安発第0420001~5号において, 当該ステントを用いた冠動脈ステント治療の安全対策のため, 関係企業に対して, 適正使用の徹底を通知するとともに, 都道府県, 関係学会及び関係団体に対して協力依頼・周知をお願いしたので, 当該通知の内容等について紹介する。

 

1.概要

 平成19年3月に薬剤溶出型冠動脈ステント「TAXUSエクスプレス2ステント」(承認番号21900BZX00340000)が承認された。当該ステントは, 国内2例目の薬剤溶出型冠動脈ステントであり, ステント治療には抗血小板療法を行うことが必須である。
 当該ステントに係る標準的な抗血小板療法に用いられる薬剤は, アスピリン製剤及びチクロピジン塩酸塩製剤であり, チクロピジン塩酸塩製剤については, 臨床試験等の結果から術後少なくとも6ヶ月間の投与が推奨された。
 従来より, 医療関係者等に対しては, 薬剤溶出型冠動脈ステント留置術と併用されるチクロピジン塩酸塩製剤による血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)や無顆粒球症等の重篤な副作用の発現防止のための適正使用の徹底をお願いしてきたが, 当該ステントの販売に合わせて, 関係企業に対して, 適正使用の徹底について通知するとともに, 都道府県, 関係学会及び関係団体に対して適正使用の推進に係る協力依頼及び周知をお願いしている。

 

2.チクロピジン塩酸塩製剤及びTAXUSエクスプレス2ステントの適正使用のお願い

 チクロピジン塩酸塩製剤に係る血栓性血小板減少性紫斑病(TTP), 無顆粒球症, 重篤な肝障害等の重大な副作用を防止するため, 当該ステントの添付文書に次の警告を記載している。この点に御留意いただき, チクロピジン塩酸塩製剤及び当該ステントの適正使用をお願いする。

<警告>
1.リスク低減措置

(1) 冠動脈造影法, PTCA, 冠動脈用ステント留置術, 抗血小板療法に十分な経験を持ち, 本品に関する所要の講習を受けた医師が使用すること。
(2) 留置から1年を超える長期予後は, 現在のところ日本の医療環境下において十分な確認はされていないこと, 留置後の抗血小板療法であるチクロピジン塩酸塩製剤の投与が, 薬剤塗布のないベアメタルステントに比べて長期にわたって必要であり, チクロピジン塩酸塩製剤による出血及び重篤な副作用の発現のリスクが高まること等を踏まえ, 本品の使用に当たっては, 各患者における利点とリスクを考慮し, 使用患者を慎重に選定すること。患者の選定に当たっては, 病変部(血管)の位置, 対照血管径, 病変長とその特徴, 急性又は亜急性血栓症により危険にさらされる心筋領域の大きさを考慮すること。
(3) 使用前に, 本品の特性(利点とリスク)とともに, 留置後の抗血小板療法に伴うリスク等について患者に十分に説明し, 理解したことを確認した上で使用すること。留置後, 胸痛等の虚血症状が見られる場合は, 医師に連絡するよう十分指導するとともに, 特にチクロピジン塩酸塩製剤の投与については, 生命に関わる重篤な副作用が発生する場合があることを説明し, 以下について患者を指導すること。
[1] 投与開始後2ヶ月間は定期的に血液検査を行う必要があるので, 原則として2週間に1回, 来院すること。
[2] 副作用を示唆する症状が現れた場合にはただちに医師等に連絡すること。
(4) 留置後は定期的なフォローアップを行うとともに, 使用に当たっては, 適切な抗血小板療法, 抗凝固療法を行うこと。特に抗血小板療法については, 留置時に十分に効果が期待できる状態になるよう, 十分な前投与を行うこと。
[1] 本品を留置した患者への無期限のアスピリンの投与と, 術後少なくとも6ヶ月間のチクロピジン塩酸塩製剤の投与を推奨する。ただし, 患者の状態に応じて適宜延長又は他の抗血小板療法を検討すること。さらに, 投与期間終了後も経過観察を継続し, 必要に応じて再投与を検討すること。
[2] 6ヶ月未満の抗血小板療法における本品の安全性は確認されていない。また, 本品を使用した日本の患者にチクロピジン塩酸塩製剤を投与した際の血栓症の発生頻度や発現時期は, 大規模臨床試験では確認されていない。
[3] 本品留置後の抗血小板療法, 抗凝固療法により, 出血, 血腫が現れることがある。
[4] 併用する抗血小板薬の添付文書を必ず参照すること。

 なお, チクロピジン塩酸塩製剤の投与においては, 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP), 無顆粒球症, 重篤な肝障害等の重大な副作用が, 主に投与開始後2ヶ月以内に発現し, 死亡に至る例も報告されているので, 以下の点に十分留意すること。
[1] 投与開始後2ヶ月間は, 特に上記の副作用の初期症状の発現に十分留意し, 原則として2週間に1回, 血球算定(白血球分画を含む), 肝機能検査を行い, 上記副作用の発現が認められた場合には, 投与を中止し, 適切な処置を行うこと。本剤投与期間中は, 定期的に血液検査を行い, 上記副作用の発現に注意すること。
[2] 本剤投与中, 患者の状態から血栓性血小板減少性紫斑病, 顆粒球減少, 肝障害の発現等が疑われた場合には, 必要に応じて血液像もしくは肝機能検査を実施し, 適切な処置を行うこと。
[3] 投与開始後2ヶ月間は, 原則として1回2週間分を処方すること。
(5) 患者の生命に関わる合併症が発生した場合のため, 冠動脈ステント留置術は, 緊急冠動脈バイパス手術が迅速に行える施設のみで行うこと。
 

2.適用対象(患者)
 TAXUSエクスプレス2ステント(以下, 本品という)の使用には, 血栓症(急性, 亜急性, 遅発性), 血管合併症, 出血事象などの冠動脈ステント留置に関連するリスクが伴うので患者の選別は慎重に行うこと。

3.企業に対する指導の概要

 当該ステントを用いた冠動脈ステント治療の安全対策のため, 関係企業に対して, 適正使用の徹底を通知している。

(1)TAXUSエクスプレス2ステントの適正使用について

ア) 当該ステントの適正使用のための講習会又は医局説明会を開催し, 講習会等へ参加した医療機関のみに販売を限定すること。
イ) 患者に対する重要な説明事項を記載した文書, 患者手帳等を整備し, これらを用いて患者への説明が適切に行われるよう医療機関への情報提供を徹底すること。また, ステント留置後の血液検査の徹底及びチクロピジン塩酸塩製剤の副作用の発生に関し医療機関への定期的な注意喚起を行うこと。

(2)チクロピジン塩酸塩製剤の適正使用について

 チクロピジン塩酸塩製剤製造販売業者と連携し, 以下の事項を含むステント留置後のチクロピジン塩酸塩製剤の適正使用について, 医療機関への情報提供等に努めること。

[1] 当該ステント留置後少なくとも6ヶ月間の投与が推奨されたこと。
[2] 投与開始後2ヶ月間は, 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP), 無顆粒球症, 重篤な肝障害等の重大な副作用の初期症状の発現に十分留意し, 原則として2週間に1回, 血球算定等の臨床検査を実施すること。
[3] 本剤投与中, 患者の状態から上記副作用の発現等が疑われた場合には, 必要に応じて血液像もしくは肝機能検査を実施し, 適切な処置を行うこと。

(3)患者転院時における安全対策の実施について

ア) 患者が転院する際, 転院先医療機関の主治医に対し, 必要な情報提供がなされるよう, 医療機関への協力依頼を行うこと。
イ) 患者の同意が得られた場合には, 患者情報の入手に努めること。また, 患者同意の取得につき, 医療機関への定期的な協力依頼を行うこと。患者が転院した場合には, チクロピジン塩酸塩製剤製造販売業者に対し患者情報を提供し, 転院先医療機関に対し, チクロピジン塩酸塩製剤の適正使用に関する情報提供を行うこと。

4.おわりに

 TAXUSエクスプレス2ステント留置患者においては, チクロピジン塩酸塩製剤を長期間服用することが推奨されていることから, チクロピジン塩酸塩製剤の副作用発現リスクが増加する恐れがある。医薬関係者においては, より一層の適正使用に努めていただくとともに, チクロピジン塩酸塩製剤の副作用又はTAXUSエクスプレス2ステントの不具合に関する情報を入手した際には, 薬事法77条の4の2第2項の規定に基づき, 厚生労働省医薬食品局安全対策課に報告をお願いする。

 

目次へ

 

重要な副作用等に関する情報

 平成19年3月23日に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について, 改訂内容等とともに改訂の根拠となった症例の概要等に関する情報を紹介いたします。

【1】エダラボン

販売名(会社名) ラジカット注30mg(三菱ウェルファーマ)
薬効分類等 その他の中枢神経系用薬
効能効果 脳梗塞急性期に伴う神経症候, 日常生活動作障害, 機能障害の改善

 

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[重要な基本
的注意]
急性腎不全又は腎機能障害の増悪, 重篤な肝障害, 播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれ, 致命的な経過をたどることがある。これらの症例では, 腎機能障害, 肝機能障害, 血液障害等を同時に発現する重篤な症例が報告されている。
[副作用
(重大な副作用)]
劇症肝炎, 肝機能障害, 黄疸劇症肝炎等の重篤な肝炎, AST(GOT), ALT(GPT), Al-P, γ-GTP, LDH, ビリルビン等の著しい上昇を伴う肝機能障害, 黄疸があらわれることがあるので, 頻回に肝機能検査を実施し観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には, 投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 直近約3年間(平成15年4月1日~平成19年2月28日)の副作用報告(因果関係が否定できないもの)の件数
・劇症肝炎:6例(うち死亡1例)
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:約14万人(平成18年3月~平成19年2月)
販売開始:平成13年6月


症例の概要
No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用
性 ・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
70代
脳梗塞
(胃炎, 拡張型心筋症, 心室性期外収縮)
30mg
4日間
劇症肝炎, 急性腎不全
投与開始日 脳梗塞(JCSII-10, 左不全麻痺)で入院し, 本剤などを使用し治療開始した。
投与4日目
(投与中止日)
軽度の肝機能障害認め(AST(GOT)98IU/L, ALT(GPT)67IU/L, LDH355IU/L), 本剤などを中止した。
中止1日後 AST(GOT)12966IU/L, ALT(GPT)5477IU/L, LDH16562IU/Lと肝不全となった。また, BUN41.8mg/dL, Cr3.05mg/dLと上昇, 尿量も確保できなくなり, 腎不全も併発したため, 持続的血液ろ過透析(以下, CHDF), 血漿交換(以下, PE)を施行した。肝性昏睡があり, 血中アンモニア42μg/dL, ヘパプラスチンテスト23%, プロトロンビン活性23%と劇症肝炎を認める所見であった(HCV(-), HBsAg(-))。
中止7日後 CHDF, PEにより肝, 腎機能は改善傾向となり, 中止7日後まで24時間連続CHDFを施行した。AST(GOT)72IU/L, ALT(GPT)174IU/L, LDH251IU/L, BUN39.4mg/dL, Cr5.27mg/dLと肝機能は改善したが, 腎機能は不良なため, 透析(以下, HD)に切り換えて加療した。2日間HDを施行し, 以後離脱した。その後は自尿も排泄良好となった。
中止21日後 BUN11.0mg/dL, Cr1.28mg/dLとほぼ改善した。
中止35日後 BUN29.6mg/dL, Cr1.08mg/dL, AST(GOT)33IU/L, ALT(GPT)20IU/Lと改善し, 全身状態も良好となった。
中止37日後 退院。
臨床検査値
   投与開始日 投与4日目
(投与中止日)
中止1日後 中止3日後 中止7日後 中止17日後 中止21日後 中止35日後
プロトロンビン時間(秒) 11.6 35.8 23.2 14.3
プロトロンビン活性(%) 23
AST(GOT)(IU/L) 19 98 12966 2264 72 23 33
ALT(GPT)(IU/L) 14 67 5477 2350 174 24 20
γ-GTP(IU/L) 51 70 98 84
Al-P(IU/L) 229 336 370 264
LDH(IU/L) 207 355 16562 839 251 236
総ビリルビン(mg/dL) 0.6 2.8 2.8 4.1 1.0
血中アンモニア(μg/dL) 42
ヘパプラスチンテスト(%) 23
BUN(mg/dL) 17.7 18.3 41.8 39.9 39.4 18.2 11.0 29.6
Cr(mg/dL) 0.97 1.20 3.05 4.29 5.27 1.86 1.28 1.08
併用薬:デキストラン40・ブドウ糖, 乳酸リンゲル液(マルトース加), ヘパリンナトリウム, 塩酸ラニチジン, フロセミド
 
No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用
性 ・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
70代
小脳梗塞[ラクナ梗塞]
(高血圧, 糖尿病, 軽度腎不全, 心筋梗塞)
60mg
6日間
劇症肝炎
投与開始日 脳梗塞に対し本剤を投与開始した。
投与6日目
(投与中止日)
特に症状はないが, 採血にて肝酵素上昇し, 本剤を同日で中止した。
中止1日後 全身倦怠感が強く, 肝酵素は更に上昇し, また, 下肢静脈閉塞にて外科へ転科した。同日夕方, 意識状態が悪化した。肝酵素2000台にまで上昇し, 当科へ再転科した(意識状態JCSII-10程度で, 肝性脳症のような症状はみられなかった。全身状態悪化に伴う意識レベルの低下かと考えられた。腹部CTでは肝萎縮等は認められていない)。治療に関しては安静, 薬剤投与の中止, グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤の投与にて保存的に加療した。
中止2日後 意識状態は改善したが, 肝酵素はさらに上昇した(AST(GOT)5980IU/L, ALT(GPT)3658IU/L)。
中止3日後 この日以降は状態が安定し, 肝酵素も下降を続けた。
中止8日後 軽快。
検査日不明 HBsAg0.1, HBsAb(-), HCV抗体(第3世代抗体)0.1
臨床検査値
   投与開始日 投与2日目 投与6日目
(投与中止日)
中止1日後 中止2日後 中止3日後 中止4日後 中止7日後
プロトロンビン時間(秒) 19.3 35.1 35.8 35.7 19.5
プロトロンビン活性(%) 54.4 24.5 23.9 24.0 53.6
AST(GOT)(IU/L) 16 34 111 2525 5980 1874 762 111
ALT(GPT)(IU/L) 11 13 73 1947 3658 2311 1558 628
γ-GTP(IU/L) 28 27 157 155 163 143 137 106
Al-P(IU/L) 168 274 355 354 378 329 318 277
LDH(IU/L) 182 333 276 3784 5885 710 346 219
総ビリルビン(mg/dL) 0.38 0.24 0.42 0.65 0.56 0.75 0.83 0.74
ヘパプラスチンテスト(%) 18.0
併用薬:ベンズブロマロン, ワルファリンカリウム, 塩酸メキシレチン, アルプロスタジル, ウロキナーゼ, 塩酸チクロピジン, スピロノラクトン, アスピリン, 塩酸キナプリル, 塩酸アゼラスチン, グリメピリド, フロセミド, カルベジロール


 

【2】塩酸アミオダロン(経口剤)

販売名(会社名) アンカロン錠100(サノフィ・アベンティス)
アミオダロン塩酸塩錠100mg「サワイ」(メディサ新薬)
薬効分類等 不整脈用剤
効能効果 生命に危険のある下記の再発性不整脈で他の抗不整脈薬が無効か, 又は使用できない場合
心室細動, 心室性頻拍, 肥大型心筋症に伴う心房細動

 

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[警  告]

警告

患者の限定
他の抗不整脈薬が無効か, 又は副作用により使用できない致死的不整脈患者にのみ使用すること。〔本剤による副作用発現頻度は高く, 致死的な副作用(間質性肺炎, 肺胞炎, 肺線維症, 肝障害, 甲状腺機能亢進症, 甲状腺炎)が発現することも報告されているため〕
[禁  忌]
本剤の成分又はヨウ素に対する過敏症の既往歴のある患者
リトナビル, サキナビル, メシル酸サキナビル, 硫酸インジナビルエタノール付加物, メシル酸ネルフィナビル, スパルフロキサシン, 塩酸モキシフロキサシン, 塩酸バルデナフィル水和物, クエン酸シルデナフィルを投与中の患者
[相互作用
(併用禁忌)]
リトナビル, サキナビル, メシル酸サキナビル, 硫酸インジナビルエタノール付加物 塩酸バルデナフィル水和物, クエン酸シルデナフィル
[副作用
(重大な副作用)]
甲状腺機能亢進症, 甲状腺炎, 甲状腺機能低下症:甲状腺機能亢進症, 甲状腺炎, 甲状腺機能低下症があらわれることがあり, 甲状腺機能亢進症及び甲状腺炎においては致死的な場合も報告されている。甲状腺機能検査を行い, 異常が認められた場合には, 投与を中止する等の適切な処置を行うこと。これらの副作用は本剤投与中だけでなく, 投与中止後数ヵ月においてもあらわれることがあるため, 本剤投与中だけでなく投与中止後数ヵ月においても, 甲状腺機能検査を行うこと。
〈参   考〉 直近約3年間(平成15年4月1日~平成19年1月31日)の副作用報告(因果関係が否定できないもの)の件数
甲状腺機能亢進症, 甲状腺炎:9例(うち死亡1例)
甲状腺機能低下症:5例(うち死亡0例)
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:約2万8000人(平成18年)
販売開始:平成4年10月


症例の概要
No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用
性 ・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
40代
心室頻拍
(拡張型心筋症, うっ血性心不全, 高尿酸血症, 胃潰瘍)
100mg
約5年間
 ↓
200mg
投与継続
甲状腺機能亢進症
投与開始日 拡張型心筋症に伴う心室頻拍に対し, 本剤100mg投与開始。ICD植え込み術施行。
投与約6年目 本剤200mgに増量。
投与約6年9ヵ月目
(入院日)
うっ血性心不全の増悪で, 他院から紹介入院。入院時体重82.0kg。甲状腺機能は正常範囲内。フロセミド静注及びカルペリチド(遺伝子組換え)点滴静注開始。また血圧80mmHg台と低く, 塩酸ドパミンの持続投与開始。心不全症状は速やかに改善。胃潰瘍に対しオメプラゾール20mg/日投与開始。
入院5日目 うっ血性心不全に対しワルファリンカリウム1.5mg/日投与開始。
入院6日目 うっ血性心不全に対しトリクロルメチアジド1mg/日投与開始。
入院14日目 体重73kgまで減量。同日から水様下痢及び労作時動悸出現。利尿剤等を減量したにもかかわらず, その後も徐々に体重減少。
入院16日目 うっ血性心不全に対しカルベジロール5mg/日投与開始。
入院18日目 軽労作で, 動悸及び全身倦怠感あり。体重69.8kgに減量。手の震え, 夜間の寝汗を自覚。
入院37日目
(副作用確認日)
夜間動悸訴えあり。心電図で今まで見られなかった心房細動を確認。血液検査で, 甲状腺機能亢進症を確認。電解質異常や発熱, 白血球数上昇, CRP上昇等の炎症所見は認めなかった。
確認1日後 チアマゾール30mg/日の内服開始。心房細動に対してICDを用い, Cardio versionを行い洞調律に復帰した。その後, 再発認めず。
確認3日後 経過観察の採血にて, 甲状腺機能亢進症の増悪を認めた。チアマゾール60mg/日に増量。
確認12日後 採血にて, 甲状腺機能亢進症変わりなく, チアマゾール無効と判断し, 投与中止。無機ヨード内服にて治療開始。
確認14日後 甲状腺関連自己抗体検査で, いずれも陰性。本剤による甲状腺機能亢進症(II型)を疑い, プレドニゾロン30mg/日の内服を開始。プレドニゾロン開始後, 動悸や発汗の症状は改善。
確認27日後 血液検査で甲状腺ホルモンの低下確認。
不   明 その後, ホルモン値は正常化し, プレドニゾロン20mg/日に減量。
不   明 その後, 再発なく経過。
確認36日後 軽快。
臨床検査値
   投与約6年9ヵ月目
(入院日)
入院37日目
(副作用確認日)
確認3日後 確認13日後 確認21日後 確認27日後
TSH(μIU/mL) 5.49 0.02 0.02 0.01 0.01 0.01
FT3(pg/mL) 2.41 12.12 14.71 30.64 21.03 7.15
FT4(ng/dL) 1.69 5.00 6.28 ≧7.77 ≧7.77 5.42
併用薬:アロプリノール, フロセミド, オメプラゾール, ワルファリンカリウム, トリクロルメチアジド, カルベジロール, スピロノラクトン, カンデサルタンシレキセチル, カルペリチド(遺伝子組換え), 塩酸ドパミン
 
No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用
性 ・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
30代
非持続性心室頻拍
(拡張型心筋症, 慢性心不全)
200mg
不明
 ↓
100mg
不明
甲状腺炎
投与開始日 非持続性心室頻拍41連発(心拍数200)を認めたため, 本剤200mgで内服開始し, 維持量100mgに投与量変更となる。
投与約2ヵ月目 FT3, FT4, TSHはいずれも正常。アミオダロン, デスエチルアミオダロン(DEA)血中濃度はいずれも低値。
投与約5ヵ月目
(副作用確認日)
FT311.6pg/mL, FT47.7ng/dL, TSH0.02μIU/mLと甲状腺機能上昇を認め, 本剤による甲状腺炎を疑う。
確認2日後 甲状腺炎に対してプロピルチオウラシルの内服開始。夜間より尿量が減少し, 右心不全が急速に増悪。甲状腺機能上昇が原因の心不全及び腎前性の急性腎不全と考える。
確認3日後 フロセミド増量, 塩酸ドブタミン増量, 塩酸ドパミン追加するも, 乏尿状態となる。徐々に血圧低下, 脈拍低下し, 死亡を確認。
臨床検査値
   投与約2ヵ月目 投与約4ヵ月目 投与約5ヵ月目
(副作用確認日)
確認1日後 確認3日後
BNP(pg/mL) 178.8 513.9 2800.6
アミオダロン血中濃度(μg/mL) 0.20 0.23
DEA血中濃度(μg/mL) 0.13 0.22
TSH(μIU/mL) 2.61 4.16 0.02
FT3(pg/mL) 2.3 2.5 11.6 11.2
FT4(ng/dL) 1.6 1.7 7.7
サイログロブリン(ng/mL) <100
マイクロソーム(倍) <100
TSHレセプター抗体(%) 1.8
TSH刺激性レセプター抗体(%) 82
併用薬:カルベジロール, ピモベンダン, スピロノラクトン, アロプリノール, 塩酸オルプリノン, アルプラゾラム, フルニトラゼパム, ジゴキシン, テプレノン, マレイン酸トリメブチン, ランソプラゾール, ラクトミン, クエン酸第一鉄ナトリウム, メトクロプラミド, ミルリノン, フロセミド, ワルファリンカリウム, 塩酸ドパミン, 塩酸ドブタミン
 
No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用
性 ・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
3
70代
心室頻拍
(陳旧性心筋梗塞, 甲状腺機能低下症, 慢性心不全)
400mg
3日間
 ↓
200mg
投与継続
甲状腺機能低下症
投与開始日 陳旧性心筋梗塞に伴う心室頻拍に対して, 本剤400mg投与開始。
投与4日目 本剤維持量200mgに投与量変更。
投与15日目 採血では軽度TSH上昇あるも, 元々TSHがやや高値であり, 本剤投与継続。
投与557日目 慢性心不全の急性増悪と腎不全にて再入院。この時の採血にて, TSHの高度上昇を認め, 甲状腺機能低下症と診断。
心不全に対してはミルリノン点滴静注。
投与559日目 レボチロキシンナトリウム50μg/日での治療開始。
投与591日目 レボチロキシンナトリウムにて検査値は軽快。
臨床検査値
   投与150日前 投与開始日 投与15日目 投与557日目 投与591日目
TSH(μIU/mL) 13.93 14.74 17.84 326.34 122.23
FT3(pg/mL) 1.60 1.65 1.10 1.41 1.43
FT4(ng/dL) 0.75 0.67 0.65 0.40 0.42
併用薬:ワルファリンカリウム, ファモチジン, アロプリノール, 塩酸チクロピジン, カルベジロール, カンデサルタンシレキセチル, フロセミド, スピロノラクトン
 

【3】コハク酸シベンゾリン(経口剤)

販売名(会社名) シベノール錠50mg, 同錠100mg(アステラス製薬)
シノベジール錠50mg, 同錠100mg(東和薬品)
薬効分類等 不整脈用剤
効能効果 下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか, 又は無効の場合
頻脈性不整脈

 

使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
間質性肺炎:発熱, 咳嗽, 呼吸困難, 胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので, このような症状があらわれた場合には投与を中止し, 副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 直近約3年間(平成15年4月1日~平成19年2月26日)の副作用報告(因果関係が否定できないもの)の件数
間質性肺炎:3例(うち死亡0例)
関係企業が推計したおおよその年間使用者数:約11万人(平成18年1月~12月)
販売開始:平成3年1月


症例の概要
No. 患者 1日投与量
投与期間
副作用
性 ・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
80代
心房細動
(高血圧, 洞不全症候群)
300mg
36日間
 ↓
(7日間投与なし)
 ↓
300mg
5日間
 ↓
(13日間投与なし)
 ↓
200mg
3日間
 ↓
300mg
1日間
薬剤性肺障害(間質性肺炎)
投与開始日 ニフェジピン, アスピリン・ダイアルミネート, 塩酸ピルジカイニド処方から塩酸ピルジカイニドを本剤300mgへ変更。ニフェジピン, アスピリン・ダイアルミネートはそのまま継続。
投与32日目 発熱, 咳嗽, 喀痰が出現。
投与36日目
(投与中止日)
発熱, 咳嗽, 喀痰に加え, 食欲低下出現。胸部XP上, 浸潤影出現。
入院し, パニペネム・ベタミプロン配合剤の点滴開始。
本剤, ニフェジピン, アスピリン・ダイアルミネートの内服すべて中止。
中止1日後 炎症反応悪化, 気管支鏡検査施行。抗生剤をパニペネム・ベタミプロン配合剤からメシル酸パズフロキサシンへ変更。
その後徐々に解熱し, 自覚症状も改善。
中止8日後
(再投与開始日)
CRP20.1mg/dLから3.5mg/dLと改善。胸部XP所見改善。
自覚症状ほとんど消失。
夕方より本剤, ニフェジピン再開。
再投与2日目 夕方より38.4℃の発熱出現。
再投与5日目
(再投与中止日)
CRP12.6mg/dLと悪化。胸部XP所見悪化。
本剤, ニフェジピン両剤を中止。
再投与中止3日後 解熱し, 自覚症状改善。CRP1.9mg/dLまで改善。
再投与中止7日後 CRP0.4mg/dL。白血球数6500/mm3。PaO2 81.0Torr。胸部XP所見改善。
ニフェジピン再開。
再投与中止14日後
(再々投与開始日)
CRP0.2mg/dL。白血球数5800/mm3
胸部XP所見ほぼclear。
夕方より本剤200mg再度再開。
再々投与4日目
(再々投与中止日)
昼より本剤300mgへ増量。
夕方より体温が37.0℃であったが, CRP5.1mg/dL, 白血球数9300/mm3, PaO2 60.8Torrと低下。
夜, 本剤投与中止。ニフェジピンは継続。
再々投与中止8日後 CRP0.2mg/dL, PaO2 92.3Torrまで改善。
以降, 塩酸ピルジカイニド, アスピリン・ダイアルミネート追加処方するも病状の悪化を認めず。
再々投与中止14日後 回復。
DLST試験:本剤(-), ニフェジピン(-)
臨床検査値
   中止1日後 中止8日後
(再投与開始日)
再投与5日目
(再投与中止日)
再投与中止7日後 再投与中止14日後
(再々投与開始日)
再々投与4日目
(再々投与中止日)
再々投与中止8日後
体温(℃) 38.3 37.0
脈拍(/分) 80
拡張期血圧(mmHg) 84
収縮期血圧(mmHg) 146
赤血球数(×104/mm3 390 357 375 375 388 395 380
ヘモグロビン(g/dL) 11.8 10.7 11.1 11.1 11.4 11.6 11.3
ヘマトクリット(%) 35.2 31.9 33.7 33.5 34.8 35.3 33.4
白血球数(/mm3 7400 8400 8900 6500 5800 9300 5400
好酸球(%) 0.2 0.0 0.1 0.9 0.4 0.6 2.5
好塩基球(%) 0.1 0.3 0.3 0.7 0.9 0.4 0.6
好中球(%) 75.7 73.5 76.7 56.7 68.6 80.6 59.0
リンパ球(%) 15.0 17.0 12.5 31.2 22.6 11.3 29.5
単球(%) 9.0 9.2 10.4 10.5 7.5 7.1 8.4
血小板数(×104/mm3 12.3 31.8 33.9 30.3 20.7 14.9 19.4
CRP(mg/dL) 20.1 3.5 12.6 0.4 0.2 5.1 0.2
CK(CPK)(IU/L) 47 31 38 42 55 32 40
PaO2(Torr) 81.0 60.8 92.3
併用薬:ニフェジピン, アスピリン・ダイアルミネート



 

目次へ

 

使用上の注意の改訂について(その186)

 平成19年3月20日, 3月23日又は4月13日に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「2重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について, 改訂内容, 主な該当販売名等をお知らせいたします。

 
1 〈抗ウイルス剤〉
リン酸オセルタミビル
[販売名] タミフルカプセル75, 同ドライシロップ3%(中外製薬)
[警  告]

警告

10歳以上の未成年の患者においては, 因果関係は不明であるものの, 本剤の服用後に異常行動を発現し, 転落等の事故に至った例が報告されている。このため, この年代の患者には, 合併症, 既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては, 原則として本剤の使用を差し控えること。
また, 小児・未成年者については, 万が一の事故を防止するための予防的な対応として, 本剤による治療が開始された後は, [1]異常行動の発現のおそれがあること, [2]自宅において療養を行う場合, 少なくとも2日間, 保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと。
なお, インフルエンザ脳症等によっても, 同様の症状が現れるとの報告があるので, 上記と同様の説明を行うこと。
[副作用
(重大な副作用)]
精神・神経症状:精神・神経症状(意識障害, 異常行動, 譫妄, 幻覚, 妄想, 痙攣等)があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 症状に応じて適切な処置を行うこと。
[効能・効果に関連
する使用上の注意]
治療に用いる場合には, A型又はB型インフルエンザウイルス感染症と診断された患者のみが対象となるが, 抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては必須ではないことを踏まえ, 患者の状態を十分観察した上で, 本剤の使用の必要性を慎重に検討すること。
特に, 幼児及び高齢者に比べて, その他の年代ではインフルエンザによる死亡率が低いことを考慮すること。
 
2 〈抗てんかん剤〉
カルバマゼピン
[販売名] テグレトール細粒50%, 同錠100mg, 同錠200mg(ノバルティスファーマ)他
[禁 忌]
ポルフィリン症の患者
[副作用
(重大な副作用)]
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群), 中毒性表皮壊死症(Lyell症候群), 紅皮症(剥脱性皮膚炎):重篤な皮膚症状があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
SLE様症状SLE様症状(蝶形紅斑等の皮膚症状, 発熱, 関節痛, 白血球減少, 血小板減少, 抗核抗体陽性等)があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
 
3 〈精神神経用剤〉
アリピプラゾール
[販売名] エビリファイ散1%, 同錠3mg, 同錠6mg(大塚製薬)
[副作用
(重大な副作用)]
痙攣:痙攣があらわれることがあるので, 異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 
4 〈不整脈用剤〉
塩酸ソタロール
[販売名] ソタコール錠40mg, 同錠80mg(ブリストル・マイヤーズ)
[副作用
(重大な副作用)]
心室細動, 心室頻拍, Torsades de pointes, 洞停止, 完全房室ブロック, 心不全, 心拡大:本剤の催不整脈作用による心室細動あるいは心室頻拍, Torsades de pointes, 洞停止, 完全房室ブロック, 心不全, 心拡大の症状があらわれることがあるので, 定期的に心電図検査及び胸部レントゲン検査又は心エコー検査を行い, 異常が認められた場合には, 減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(心室細動, 心室頻拍又はTorsades de pointesの場合には下記の処置法を考慮)。
直流除細動, 経静脈ペーシング, エピネフリンの投与, 硫酸マグネシウムの投与
 
5 〈その他の循環器官用薬〉
ボセンタン水和物
[販売名] トラクリア錠62.5mg(アクテリオンファーマシューティカルズジャパン)
[重要な基本
的注意]
本剤の投与によりヘモグロビン減少, 血小板減少が起こる可能性があるので, 投与開始時及び投与開始後4ヶ月間は毎月, その後は3ヶ月に1回の頻度で血液検査を行うこと。
[副作用
(重大な副作用)]
血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので, 定期的な検査及び十分な観察を行い, 異常が認められた場合は減量及び投与中止など適切な処置をとること。
 
6 〈脳下垂体ホルモン剤〉
オキシトシン
[販売名] アトニン-O注 1単位, 同-O注 5単位(あすか製薬)他
[用法・用量に関連
する使用上の注意]
点滴速度をあげる場合は, 一度に1~2ミリ単位/分の範囲で, 30分以上経過を観察しつつ徐々に行うこと。点滴速度を20ミリ単位/分にあげても有効陣痛に至らないときは, それ以上あげても効果は期待できないので増量しないこと。
 
7 〈その他のホルモン剤〉
ジノプロスト
[販売名] プロスタルモン・F注射液1000, 同・F注射液2000(小野薬品工業)他
[禁 忌]
気管支喘息又はその既往歴のある患者
 
8 〈その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬〉
ナフトピジル
[販売名] フリバス錠25mg, 同錠50mg, 同錠75mg, 同OD錠50mg(旭化成ファーマ)他
[副作用
(重大な副作用)]
失神, 意識喪失:血圧低下に伴う一過性の意識喪失等があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
 
9 〈たん白アミノ酸製剤〉
エンテルード
[販売名] エンテルード(テルモ)
[慎重投与] 卵白アレルギーの患者
[副作用
(重大な副作用)]
ショック, アナフィラキシー様症状:ショック, アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので, 観察を十分に行い, 血圧低下, 意識障害, 呼吸困難, チアノーゼ, 悪心, 胸内苦悶, 顔面潮紅, そう痒感, 発汗等があらわれた場合には直ちに投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
 
10 〈その他の腫瘍用薬〉
アナストロゾール, エキセメスタン
[販売名] アリミデックス錠1mg(アストラゼネカ)
アロマシン錠25mg(ファイザー)
[重要な基本
的注意]
本剤の投与によって, 骨粗鬆症, 骨折が起こりやすくなるので, 骨密度等の骨状態を定期的に観察することが望ましい。
 
11 〈合成抗菌剤〉
シプロフロキサシン, 塩酸シプロフロキサシン
[販売名] シプロキサン注200mg, 同注300mg(バイエル薬品)
シプロキサン錠100mg, 同錠200mg(バイエル薬品)他
[副作用
(重大な副作用)]
骨髄抑制, 汎血球減少, 無顆粒球症, 血小板減少:骨髄抑制, 汎血球減少, 無顆粒球症, 血小板減少等があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常があらわれた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
 
12 〈抗ウイルス剤〉
硫酸インジナビルエタノール付加物
[販売名] クリキシバンカプセル(萬有製薬)
[禁 忌]
塩酸アミオダロン, シサプリド, トリアゾラム, ミダゾラム, アルプラゾラム, ピモジド, 酒石酸エルゴタミン・無水カフェイン, メシル酸ジヒドロエルゴタミン, マレイン酸メチルエルゴメトリン及びマレイン酸エルゴメトリンを投与中の患者
[相互作用
(併用禁忌)]
塩酸アミオダロン, シサプリド, トリアゾラム, ミダゾラム, アルプラゾラム, ピモジド, 酒石酸エルゴタミン・無水カフェイン, メシル酸ジヒドロエルゴタミン, マレイン酸メチルエルゴメトリン, マレイン酸エルゴメトリン
 

目次へ

 

市販直後調査の対象品目一覧

(平成19年5月1日現在)
一般名 製造販売業者名 市販直後調査開始年月日
販売名
インターフェロンベータ-1a(遺伝子組換え) バイオジェン・アイデック・ジャパン(株) 平成18年11月6日
アボネックス筋注用シリンジ30μg
塩酸モキシフロキサシン 日本アルコン(株) 平成18年11月6日
ベガモックス点眼液0.5%
肺炎球菌ワクチン 萬有製薬(株) 平成18年11月29日
ニューモバックスNP
ボルテゾミブ ヤンセンファーマ(株) 平成18年12月1日
ベルケイド注射用3mg
イトラコナゾール ヤンセンファーマ(株) 平成18年12月6日
イトリゾール注1%
ロピニロール塩酸塩 グラクソ・スミスクライン(株) 平成18年12月6日
レキップ錠0.25mg, 同錠1mg, 同錠2mg
ランソプラゾール 武田薬品工業(株) 平成18年12月7日
タケプロン静注用30mg
ロサルタンカリウム・ヒドロクロロチアジド 萬有製薬(株) 平成18年12月8日
プレミネント錠
ポリドカノール 堺化学工業(株) 平成18年12月14日
ポリドカスクレロール0.5%注2mL, 同1%注2mL, 同3%注2mL
塩酸フェキソフェナジン サノフィ・アベンティス(株) 平成19年1月9日
アレグラ錠30mg
ペルフルブタン 第一三共(株) 平成19年1月10日
ソナゾイド注射用
ペメトレキセドナトリウム水和物 日本イーライリリー(株) 平成19年1月22日
アリムタ注射用500mg
レミフェンタニル塩酸塩 ヤンセンファーマ(株) 平成19年1月22日
アルチバ静注用2mg, 同静注用5mg
インフリキシマブ(遺伝子組換え) 田辺製薬(株) 平成19年1月26日
レミケード点滴静注用100*1
ザナミビル水和物 グラクソ・スミスクライン(株) 平成19年1月26日
リレンザ*2
タクロリムス水和物 アステラス製薬(株) 平成19年1月26日
プログラフカプセル0.5mg, 同カプセル1mg*3
バクロフェン 第一三共(株) 平成19年1月26日
ギャバロン髄注0.005%, 同髄注0.05%, 同髄注0.2%*4
ミカファンギンナトリウム アステラス製薬(株) 平成19年1月26日
ファンガード点滴用25mg, 同点滴用50mg, 同点滴用75mg*5
ルリオクトコグアルファ(遺伝子組換え) バクスター(株) 平成19年2月22日
アドベイト注射用 250, 同注射用 500, 同注射用1000
フォリトロピンベータ(遺伝子組換え) 日本オルガノン(株) 平成19年3月16日
フォリスチム注50, 同注75*6
ペグインターフェロンアルファ-2a(遺伝子組換え) 中外製薬(株) 平成19年3月16日
ペガシス皮下注90μg, 同皮下注180μg*7
リバビリン 中外製薬(株) 平成19年3月16日
コペガス錠200mg
モダフィニル アルフレッサファーマ(株) 平成19年3月28日
モディオダール錠100mg
塩酸バラシクロビル グラクソ・スミスクライン(株) 平成19年4月18日
バルトレックス顆粒50%*8
エンタカポン ノバルティスファーマ(株) 平成19年4月19日
コムタン錠100mg
 
*1: 効能追加された「ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎(既存治療で効果不十分な場合に限る)」
*2: 効能追加された「A型又はB型インフルエンザ感染症の予防」
*3: 効能追加された「ループス腎炎(ステロイド剤の投与が効果不十分, 又は副作用により困難な場合)」
*4: 用法追加された「小児」
*5: 効能追加された「造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防」
*6: 効能追加された「視床下部-下垂体機能障害に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発」
*7: 効能追加された「リバビリンとの併用による以下のいずれかのC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善(1)セログループ1(ジェノタイプI(1a)又はII(1b))でHCV-RNA量が高値の患者(2)インターフェロン単独療法で無効又はインターフェロン単独療法後再燃した患者」
*8: 効能追加された「水痘」
 

目次へ

 

お知らせ

医薬品・医療機器等安全性情報は, 医薬品医療機器情報提供ホームページ(https://www.pmda.go.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。