目次
- 医療用具における「コンピュータの西暦2000年問題」への対応について
- 酸セフォセリスによる痙攣、意識障害について
- 脂性成分を基剤とする腟坐剤等の接触による避妊用ラテックスゴム製品の品質の劣化について
- 用上の注意の改訂について(その112)
この医薬品等安全性情報は、従来の医薬品副作用情報を改めたもので、厚生省において収集された副作用情報をもとに、医薬品等のより安全な使用に役立てていただくために、医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成11年(1999年)2月
厚生省医薬安全局
No. | 医薬品名 | 対策 | 情報の概要 |
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1 | 2000年問題 | 医療用具における「コンピュータの西暦2000年問題」については、予備調査の結果では、患者の死亡あるいは重篤な障害をもたらすような問題はみられなかったが、日付表示の異常等いくつかの問題があることが明らかになった。 医療用具製造業者等に対しては、自社の製品について2000年問題への対応を急ぐとともに情報提供体制の整備等を求めたところではあるが、各医療機関においても、自らの有する医療用具及び独自で構築した医療情報システム等について、早期に情報を収集するとともに適切な対策を講じるよう注意喚起を行った。 |
|
2 | 硫酸セフォセリス | 緊 使 症 | 硫酸セフォセリスはセフェム系の抗生物質製剤であり、平成10年6月に承認された。承認後、重篤な痙攣、意識障害等の中枢神経症状の副作用症例が報告され、透析患者を含む腎不全のある患者を「禁忌」、高齢者を「原則禁忌」、また「重大な副作用」の項に痙攣、意識障害を追加するなどの「使用上の注意」の改訂を行った。更に、その後も重篤例を含む報告が続いたので、平成10年12月に緊急安全性情報を配布し、医療現場への情報提供の徹底を図った。今般、その後の報告を含めて情報提供を行う。 |
3 | 腟坐剤等 | 使 症 | 油脂性成分を基剤として使用している腟適用の医薬品、外陰部及びその周辺に適応を有する外用医薬品は、コンドーム等の避妊用ラテックス製品の品質を劣化・破損する可能性があるため、これらとの接触を避ける旨の「使用上の注意」の改訂を行い、注意喚起を行った。 |
4 | 硫酸セフォセリス他(23件) | 使用上の注意の改訂について(その112) |
緊:緊急安全性情報の配布 使:使用上の注意の改訂 症:症例の紹介
医療用具における「コンピュータの西暦2000年問題」への対応について
(1)概要
コンピュータプログラムが、日付情報に基づく計算処理を行う際に、計算を誤って処理してしまうことが指摘されており、「コンピュータの西暦2000年問題」(以下、「2000年問題」という。)と称されている。
この問題の発生の背景には、欧米では年を西暦の下2桁で記述することが一般的であり、コンピュータが使われはじめた当初は(2000年すなわち00が訪れることを想定せず)この下2桁を用いる慣習をそのままプログラミングに適用していたことが挙げられる。その後、このような状況下では、西暦2000年1月1日以降の日付情報を入力すると、コンピュータが1900年と2000年との区別ができず正常に作動しなくなるため、社会生活に種々の不都合や混乱を招くことが危惧されるようになった。
(2)現状
医療分野は、コンピュータを導入した機器が少なくなく、直接患者の生命や健康にもたらす影響が大きいものが含まれるため、政府の高度情報通信社会推進事業本部においても重要5分野の一つとして位置づけられている。2000年問題においては、主として日付の前後関係処理、年齢算出処理、閏年の計算処理等で誤処理が生じると予想されているが、医療用具においても、日付情報を基にしたデータの比較、並び替え、読み出し、年齢に関連した処理等の機能を備えているものがあるため、同様の問題の発生が考えられる。
そこで、医療用具に起因するおそれのある2000年問題の実態を把握するため、平成10年10月に医療用具製造業者等を対象に予備的な事情聴取やアンケート調査を行い、447社から回答が得られた。その結果、いくつかの医療用具では日付表示や記録に問題が発生すること、また起動時の自己診断で日付異常を発見するため起動しないなどの問題が生じるおそれのあることが明らかになった(図)。しかし、直接患者が死亡または重篤な障害が発生するおそれのあるという問題はアンケートでは見つからなかった。表1に、アンケートの結果確認された2000年問題の具体例を示す。これらの問題に対しては製造業者等において医療関係者への情報提供や対応プログラムの配布等の措置が実施又は予定されている。なお、表1は当該装置の一例であり、すべての当該装置に同様の問題発生のおそれがあることを示すものではないことに注意をお願いしたい。
(3)対応方法と具体的に講じてきた対策
医療分野における2000年問題の発生を回避すべく、厚生省がこれまでに講じてきた対応を表2にまとめた。ここに示すように、実態の把握に努めるとともに、製造業者等には2000年問題への早期対応を求め、更には患者の生命や健康に直接影響を与える用具を優先医療用具に指定し、優先医療用具については1998年12月末までに、またその他の医療用具については1999年6月末までに、2000年問題回避のための修正作業及び模擬テストを完了するよう求めたところである。また、同時に医療機関に対しては、自主的総点検の実施や製造業者等への問い合わせによる安全性の確認等を求めているところである。
厚生省医薬安全局においては、製造業者等に対し医療機関からの問い合わせに応じるための2000年問題対応窓口の設置を求めるとともに、その連絡先をホームページ(URL http://www.mhw.go.jp/)等で公表するなど情報の提供に努めている。
(4)今後の対応
現在、全製造業者等を対象にした2000年問題への対応状況の調査を実施しており、調査結果がまとまり次第、公表する予定である。また、万が一、2000年問題が発生することにより医療用具のもつ本来の機能が発揮されない場合、あるいは誤作動を起こし患者に影響がでるおそれがある場合においては、保健衛生上の危害の発生を未然に防止するため、医療用具製造業者等に対しては安全性確保に必要な措置を講じるよう指導をしている。
一方、医療機関においてこれらの医療用具をコンピュータで制御あるいはデータを蓄積するなどのシステムを構築している場合においては、医療用具単体の作動状況のみならずネットワークの入出力機能を含むシステム全体の安全性の確保が必要であるため、医療機関側で個別にチェックする必要があり、各医療機関においても早期着手とともに十分な対応が望まれるところである。
医療用具業界には、自社の製品について2000年問題についての対応を急ぐとともに情報提供体制の整備を求めたところではあるが、各医療機関においても、自らの有する医療用具及び医療機関内のコンピュータシステム等について十分注意を払い、今後、製造企業や厚生省ホームページ等に掲載される最新情報に常に着目するなど、早期に情報を収集し、適切な対策を講じることが必要である。
〈参考文献〉
1)松井一郎:「コンピュータ2000年問題」、岩波ブックレットNo.451、岩波書店、東京(1998)
表1 点検の結果判明した2000年問題の例
医療用具 | 発生する問題の例 | 備考 | |
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1 | 超音波診断装置 | 出産日推定機能付き超音波診断装置において、本来の診断機能には影響がないものの、1999年後半に妊娠して診察を受けた場合、出産推定日の計算に誤処理が発生し、出産日の推定ができない。 | 医療機関に対し情報提供済み |
2 | 脳波計 | 2000年以降に記録したデータの解析ができない。 | 対応プログラムを配布中 |
3 | 心電図自動解析装置 | 2000年になると心電図データの登録ができない。 | 対応プログラムを配布中 |
4 | ベッドサイドモニタ | 単独で用いる場合には問題はないが、記録計が接続されている場合、記録計への出力が1986年に戻り、そこから始まる。 | ソフトウエア(ROM)を交換中 |
5 | 画像診断装置 | 起動時、自動立ち上げができなくなる。 | 対応プログラムを配布中 |
表2 コンピュータ西暦2000年問題への対応の流れ
平成10年9月8日 | コンピュータ西暦2000年問題に関する顧問会議 |
平成10年9月11日 | 高度情報通信社会推進本部 行動計画発表 |
平成10年10月2日 | 医療用具製造業者等における対応状況の予備的調査 (医薬審第891号及び医薬安第107号通知) |
平成10年10月13日 | 医療用具製造業者等における2000年問題対応部署調査 (医薬審第898号及び医薬安第124号通知) |
平成10年10月20日 | 医療用具製造業者等及び医療機関に対し2000年問題への早期 対応要請 (健政発第1136号、医薬発第940号及び障第625号通知)
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平成10年10月22日 | 厚生省コンピュータ西暦2000年問題対策実施要領策定 |
平成10年11月20日 | 医療用具製造業者等の2000年問題対応窓口を厚生省ホームページに掲載 |
平成10年11月25日 | 医療用具製造業者等に対する2000年問題予備調査の結果公表 |
平成10年12月7日 | 医療用具製造業者等における対応状況の悉皆調査 (医薬審第1072号及び医薬安第140号通知) |
平成10年12月14日 | 1999年問題注意喚起 (医薬審第1201号、医薬安第146号、医薬監第221号通知) |
硫酸セフォセリスによる痙攣、意識障害について
成 分 名 該当販売名 |
成分名 | 該当販売名 |
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硫酸セフォセリス | ウィンセフ点滴用0.5g、1g(藤沢) | |
薬効分類等 | セフェム系抗生物質製剤 | |
効能効果 | ブドウ球菌属、・・等のうちセフォセリス感性菌による中等症以上の下記感染症 敗血症等(詳細略) |
(1)経緯
硫酸セフォセリスは平成10年6月30日に承認された注射用のセフェム系抗生物質である。本剤は平成10年9月に発売されたが、その後、開発時においてはみられなかった痙攣、意識障害等の中枢神経症状の発現例が報告されたため、平成10年12月3日に透析患者を含む腎不全のある患者を「禁忌」、高齢者を「原則禁忌」、また「重大な副作用」の項に痙攣、意識障害を追加するなどの「使用上の注意」の改訂を行った。更に、その後も重篤例を含む報告が続いたので、同年12月18日には、「使用上の注意」に「警告」を設け、腎不全患者は「禁忌」、高齢者は「原則禁忌」であることを記載し、併せて緊急安全性情報を配布し、医療現場への情報提供の徹底を図った。
(2)症例の紹介
平成11年1月末までに報告された副作用発現例の患者背景(表1)を分析すると、約半数が透析患者であった。高齢者では透析患者及び腎不全患者以外でも20例報告されているが、これは、加齢に伴い腎機能が低下している場合が多いためと考えられる。
表2に症例を紹介する。
(3)安全対策
硫酸セフォセリスの中枢神経症状の発症機序については明確ではないが、本剤は腎排泄型の薬剤であり、透析例等の腎不全のある患者では高い血中濃度が持続するため、腎機能正常者に比べて本剤が高濃度に髄液中に移行し、痙攣、意識障害等の中枢神経症状を誘発したものと推測される。また、高齢者では血清クレアチニン値等の臨床検査値は正常範囲であっても加齢に伴い腎機能が低下している例があるなど、危険性が高いと考えられる。
したがって、本剤の投与にあたっては患者の腎機能を十分に評価した上で、以下のような点に注意することが必要である。
(1)透析患者を含む腎不全のある患者には投与しない。
(2)高齢者には原則として投与しないが、やむを得ず投与する場合は、腎機能等に十分注意し、低量(1回0.5g)から投与を開始するなど慎重に投与する。
(3)腎不全ではなくとも、腎障害のある患者では中枢神経症状の発現する危険性が高いと考えられるので、腎障害の程度に応じて投与量を減量し、投与間隔をあけて慎重に投与する。
(4)中枢神経障害の既往又は痙攣の素因のある患者では中枢神経症状があらわれやすいと考えられるので、患者の体質や既往歴を確認した上で慎重に投与する。
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
〈硫酸セフォセリス〉
警告 (1)透析患者を含む腎不全のある患者では、重篤な痙攣、意識障害等の中枢神経症状が特にあらわれやすいので、投与しないこと。 (2)高齢者では、加齢に伴う腎機能の低下又は体重の減少がみられることがあり、高い血中濃度が持続し、重篤な痙攣、意識障害等の中枢神経症状があらわれるおそれがあるので、原則として投与しないこと。 |
禁忌(次の患者には投与しないこと) (2)透析患者を含む腎不全のある患者[痙攣、意識障害等の中枢神経症状が特にあらわれやすい。] |
原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること) (2)高齢者[加齢に伴う腎機能の低下又は体重の減少がみられることがあり、高い血中濃度が持続し、痙攣、意識障害等の中枢神経症状があらわれるおそれがある。] |
用法・用量に関連する使用上の注意
(2)腎障害のある患者では、高い血中濃度が持続し、痙攣、意識障害等の中枢神経症状があらわれやすいので、腎障害の程度に応じて投与量を減量し、投与の間隔をあけて使用すること。(「薬物動態」の項参照)
- 慎重投与
(4)中枢神経障害の既往又は痙攣の素因のある患者[痙攣、意識障害等の中枢神経症状があらわれやすい。]
- 副作用
(3)痙攣、意識障害:痙攣、意識障害等の中枢神経症状(頻度不明)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に、腎障害のある患者にあらわれやすいので、投与する場合は十分に注意すること。
- 高齢者への投与
高齢者では加齢に伴う腎機能の低下又は体重の減少がみられることがあり、高い血中濃度が持続し、痙攣、意識障害等の中枢神経症状があらわれるおそれがあるので、原則として投与しないこと。やむを得ず投与する場合には、腎機能等に十分注意し、低用量(1回0.5g)から投与を開始するなど慎重に投与すること。
表1 患者背景
症例数(%) | |
透析患者 | 31/64(48.4) |
腎不全患者 | 6/64(9.4) |
高齢者(65歳以上) | 42/64(65.6) |
透析患者及び腎不全患者の高齢者(65歳以上) | 22/64(34.4) |
表2 症例の概要
No. | 患 者 | 1日投与量・投与期間 | 副作用 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
性・年齢 | 使用理由 〔合併症〕 |
経過及び処置 | |||
1 | 男 60代 |
不明熱〔糖尿病性腎症、浮腫、高血圧症〕 | 1g×2 (40分点滴) 8日間 |
発熱(38.8℃)に対し原因不明であったが、CRP +2のため、近医(入院中)にて本剤1g×2回/日投与開始。 投与5日目、熱は36℃台に下がったが、本剤は継続して投与。意識レベルが少し低下。 投与6日目、ほぼ解熱。 投与8日目、意識レベルがかなり低下し、痙攣のようなものが見られたため入院(脳梗塞と脳症の疑い)。入院時、四肢のミオクロヌスが頻発しており、痛み(注射時)に反応するも呼名に反応なし(III-200)。本剤中止し、輸液開始。頭部CTで特変なし。ミオクロヌス持続。発語あり、ただし傾眠状態。Cr 3.0mg/dL。 投与9日目、髄液検査で特変なし。代謝性・中毒性脳症に一致する脳波を認める。 投与10日目、意識レベル回復し(応答も活発)、ミオクロヌスも軽減。Cr 3.8mg/dL、BUN 30mg/dL前後。 |
企業報告 |
併用薬:フロセミド、ボグリボース、ニフェジピン、塩酸ベバントロール | |||||
2 | 男 80代 |
急性気管支炎〔うっ血性心不全、僧帽弁閉鎖不全、脳梗塞〕 | 1g×2 (30分点滴) 12日間(体重:35kg) |
約5ヵ月前、脳梗塞、右不全麻痺、失語症にて入院。 投与前日、発熱、CRP6.5(+3)、BUN18mg/dL、Cr 1.2mg/dL。 本剤 1g×2回/日投与開始。心不全の治療も開始。 投与3日目、顎のあたりに振戦が出現。1日2回位で長くて30分位。 投与4日目、頭部全体に振戦。 投与5日目、全身に痙攣が出現。 投与10日目、その後も同様の痙攣が時々出現。10分に8回位あるときもあり、長く続いたりもした。睡眠中は痙攣が少なかった感じがした。 投与12日目、1時間に1-2回の痙攣あり。1-2秒の強直性痙攣の後、間代性痙攣が10-15秒出現したりした。本剤投与中止。 投与16日目、この日も痙攣があったが、少しずつ弱くなり、回数も減少。 投与17日目、痙攣、振戦等なし。 |
企業報告 |
併用薬:フロセミド、塩酸ドパミン、D-マンニトール | |||||
3 | 女 60代 |
肺炎、敗血症〔高血圧症、腎不全、糖尿病性腎症〕 | 1g(1時間点滴) 2回投与(体重:38kg) |
8年前から血液透析を開始し、現在週3回透析中。 投与1週間前、BUN 53.1mg/dL(透析前)。 4時間の透析終了後に本剤1gを点滴開始。 投与3日後の透析終了後に本剤1gを点滴。 投与5日目、両上肢に振戦(ミオクロヌス様)発現、特に処置せず経過観察。透析施行。透析前の本剤の血中濃度は19.81μg/mL(透析前)。抗生剤を硫酸アルベカシン75mg、スルバクタム・アンピシリン1.5gに変更。 投与6日目、硫酸アルベカシンに塩酸ミノサイクリン200mg、塩酸セフォゾプラン1g追加。 投与7日目、診察時には振戦を認めない。BUN 47.8mg/dL。 |
企業報告 |
併用薬:塩酸バンコマイシン、イミペネム・シラスタチンナトリウム、インスリン、カプトプリル、アルファカルシドール、塩酸ニカルジピン、ニフェジピン、硫酸アルベカシン、スルバクタム・アンピシリン、塩酸ミノサイクリン、塩酸セフォゾプラン |
油脂性成分を基剤とする腟坐剤等の接触による避妊用ラテックスゴム製品の品質の劣化について
成 分 名 該当販売名 |
成 分 名 | 該当販売名 |
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硝酸イソコナゾール(クリーム剤) 硝酸エコナゾール(クリーム剤、腟坐剤) 硝酸オキシコナゾール(クリーム剤) 酪酸クロベタゾン(軟膏剤) トリコマイシン(軟膏剤) ナイスタチン(軟膏剤) ピマリシン(軟膏剤) 硫酸フラジオマイシン・フルオシノロンアセトニド(軟膏剤) ポビドンヨード(産婦人科用) 硝酸ミコナゾール(クリーム剤、軟膏剤、腟坐剤) 幼牛血液抽出物(腟坐剤) ビダラビン(軟膏剤) |
アデスタンクリーム(日本シエーリング)他 パラベールクリーム他、腟坐剤(大塚工場) オキナゾールクリーム(東京田辺)他 キンダベート軟膏(グラクソ)他 トリコマイシン軟膏(藤沢) マイコスタチン軟膏(ブリストル・マイヤーズスクイブ) ピマフシン軟膏(鳥居) フルコートF(田辺)他 産婦人科用イソジンクリーム(明治製菓) フロリードD(持田)他、アムリードD軟膏 (海外)、 フロリード(持田)他 ソルコセリル腟坐薬(東菱) アラセナ-A軟膏(持田) |
(1)経緯
避妊用ラテックスゴム製品(コンドーム、ペッサリー等)は、クリームやオイル等の油脂性成分により品質が劣化するため、「クリーム等の油性潤滑剤を使用しないこと」の「使用上の注意」が記載されている。一方、腟坐剤等の医薬品には、その基剤に油脂性成分を含有する製剤があり、これらについても避妊用ラテックスゴム製品に品質の劣化を及ぼす可能性が考えられる。
したがって、今般、油脂性成分を基剤とする腟坐剤等の添付文書の「使用上の注意」を改訂し、医療関係者への注意喚起を行うこととした。
(2)症例等の紹介
外国では、腟坐剤使用時におけるラテックスコンドーム製品の破損に関する症例が報告されている。この報告について表1に紹介する。
ラテックスゴムは強度に優れ、弾性が大きく、透過性が低いという優れた性質を持つ。しかしながら、油脂性成分によりラテックスの架橋構造の結合が切断され、その結果として、ラテックスゴムを劣化させる。コンドーム製品は非常に薄い膜であるため、わずかな品質の劣化でも大きな影響が生じることになり、表2に示したような実験結果も報告されている。
(3)安全対策
上述のように、油脂性成分を基剤とする腟坐剤等の接触により、避妊用ラテックスゴム製品の品質が劣化する可能性があることから、今般、次のように医薬品の「使用上の注意」に追加記載を行い、医療関係者への注意喚起を行った。
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
〈硝酸ミコナゾール(クリーム剤、軟膏剤、腟坐剤)〉
適用上の注意
本剤の基剤として使用されている油脂性成分は、コンドーム等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化・破損する可能性があるため、これらとの接触を避けさせること。
〈参考文献〉
1)R. H. B. Meyboom., et al.:Beschadiging van condooms door vaginaal toegediende geneesmiddelen, Ned. Tijdschr. Geneeskd., 139(31):1602-1605(1995)
2)G. S. Bernstein., et al.:Contraception and infection, Journal of Obstetrics and Gynaecology, 14(Suppl. 2):S139-S141(1994)
表1 症例の概要
No. | 患者 | 1日投与量・投与期間 | 副作用 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
性・ 年齢 |
使用理由 〔合併症〕 |
経過及び処置 | |||
1 | 女 20代 |
腟カンジダ症 | 硝酸ミコナゾール腟坐剤 400mg 3日間 |
治療3日目、パートナーとの性行為時、使用していたコンドームが破損した。破損したコンドームは、まるで使い古しのように見えた。後に患者は妊娠していることが判明した。 | 文献報告 |
表2 コンドームの強度への影響に関する実験の概要
6種類のコンドームを包装から取り出して広げ、硝酸ミコナゾールを含有する腟坐剤 を37℃にて、1時間接触させた後、腟坐剤を拭き取り、室温まで自然冷却した。コンド ーム(25個×6種類)は、ISO規格にしたがって検査し、薬剤非接触群(100個×6種類) と比較した。 その結果、バースト圧・バースト容積ともに平均35%の低下がみられた。 |
使用上の注意の改訂について(その112)
医薬品等安全性情報No.151掲載分以降に改訂を指導した使用上の注意について、改訂内容、主な該当販売名、参考文献等をお知らせいたします。
1 〈セフェム系抗生物質〉 硫酸セフォセリス |
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[販 売 名] | ウィンセフ点滴用0.5g(藤沢)他 | |
[警 告] |
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[禁 忌] |
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[原則禁忌] |
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[用法・用量に関連する 使用上の注意] |
腎障害のある患者では、高い血中濃度が持続し、痙攣、意識障害等の中枢神経症状があらわれやすいので、腎障害の程度に応じて投与量を減量し、投与の間隔をあけて使用すること。(「薬物動態」の項参照) | |
[慎重投与] | 中枢神経障害の既往又は痙攣の素因のある患者[痙攣、意識障害等の中枢神経症状があらわれやすい。] | |
[副作用] | 痙攣、意識障害:痙攣、意識障害等の中枢神経症状(頻度不明)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に、腎障害のある患者にあらわれやすいので、投与する場合は十分に注意すること。 | |
[高齢者への投与] | 高齢者では加齢に伴う腎機能の低下又は体重の減少がみられることがあり、高い血中濃度が持続し、痙攣、意識障害等の中枢神経症状があらわれるおそれがあるので、原則として投与しないこと。やむを得ず投与する場合には、腎機能等に十分注意し、低用量(1回0.5g)から投与を開始するなど慎重に投与すること。 |
2 〈抗真菌剤、組織呼吸賦活剤、殺菌消毒剤、副腎皮質ホルモン剤、副腎皮質ホルモン・抗生物質配合剤、抗ウイルス剤〉 硝酸イソコナゾール(クリーム剤)、硝酸エコナゾール(クリーム剤、腟坐剤)、硝酸オキシコナゾール(クリーム剤)、酪酸クロベタゾン(軟膏剤)、トリコマイシン(軟膏剤)、ナイスタチン(軟膏剤)、ピマリシン(軟膏剤)、硫酸フラジオマイシン・フルオシノロンアセトニド(軟膏剤)、ポビドンヨード(産婦人科用)、硝酸ミコナゾール(クリーム剤、軟膏剤、腟坐剤)、幼牛血液抽出物(腟坐剤)、ビダラビン(軟膏剤) |
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[販 売 名] | 次の医薬品で、基剤として油脂性成分を使用しているもの (1)腟坐剤 (2)外陰部及びその周辺に適応を有する外用医薬品 アデスタンクリーム(日本シエーリング)他 パラベールクリーム他、腟坐剤(大塚工場) オキナゾールクリーム(東京田辺)他 キンダベート軟膏(グラクソ)他 トリコマイシン軟膏(藤沢) マイコスタチン軟膏(ブリストル・マイヤーズ スクイブ) ピマフシン軟膏(鳥居) フルコートF(田辺)他 産婦人科用イソジンクリーム(明治製菓) フロリードD(持田)他、アムリードD軟膏(海外)、フロリード(持田)他 ソルコセリル腟坐薬(東菱) アラセナ-A軟膏(持田) |
[適用上の注意] | 本剤の基剤として使用されている油脂性成分は、コンドーム等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化・破損する可能性があるため、これらとの接触を避けさせること。 |
〈参 考〉 | White, N., et al.:Nature, 335:19(1988) Bruce, V., et al.:Contraception, 39:95(1989) Meyboom, R, H. B., et al.:Ned. Tijdschr. Geneeskd.,139(31):1602(1995) |
3 〈抗パーキンソン剤〉 レボドパ、レボドパ・カルビドパ、レボドパ・塩酸ベンセラジド |
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[販 売 名] | ドパストンSE錠(三共)他 ネオドパストン錠100mg(三共)、メネシット錠100(萬有)他 ネオドパゾール錠(第一製薬)他 |
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[禁 忌] |
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[重要な基本的注意] | 塩酸セレギリン(B型モノアミン酸化酵素阻害剤)との併用に際しては、使用前に必ず塩酸セレギリンの添付文書を参照すること。 | |
[相互作用 (併用禁忌)] |
非選択的モノアミン酸化酵素阻害剤[血圧上昇等をおこすおそれがある。] | |
〈参 考〉 | Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th ed.(1996)塩酸セレギリンのPhysician’s Desk Reference(1998) |
4 〈精神神経用剤〉 塩酸モサプラミン |
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[販 売 名] | クレミン錠10mg(吉富)他 | |
[禁 忌] |
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〈参 考〉 | 企業報告 |
5 〈精神神経用剤〉 ピモジド |
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[販 売 名] | オーラップ錠1mg(藤沢)他 | |
[禁 忌] |
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[相互作用 (併用禁忌)] |
リトナビル、イトラコナゾール、クラリスロマイシン[QT延長、心室性不整脈等の重篤な副作用を起こすおそれがある。] | |
[副作用 (重大な副作用)] |
心室頻拍、突然死:心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 また、心電図異常(QT間隔の延長、T波の平低化や逆転、二峰性T波ないしU波の出現等)に続く突然死が報告されているので、特にQT部分の変化があれば中止すること。 |
6 〈総合感冒剤〉 サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・メチレンジサリチル酸プロメタジン |
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[販 売 名] | PL顆粒(塩野義)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
再生不良性貧血、無顆粒球症:再生不良性貧血、無顆粒球症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
7 〈脳血管障害性精神症状改善剤〉 アニラセタム |
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[販 売 名] | サープル錠100(富山)、ドラガノン錠100(ロシュ)他 |
[副 作 用] | 精神神経系:興奮、頭痛、頭重、幻覚、歩行障害、めまい、譫妄、不眠、眠気、精神不安定、異常行動 |
[その他の注意] | (歩行障害を削除) |
〈参 考〉 | 企業報告 |
8 〈眼科用剤〉 ヨウ化エコチオパート、塩酸ジピベフリン、塩酸ピロカルピン |
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[販 売 名] | フォスフォリンアイオダイド点眼薬(東菱) ピバレフリン0.04%(参天)他 サンピロ0.5%(参天)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
眼類天疱瘡:眼類天疱瘡(結膜充血、角膜上皮障害、乾性角結膜炎、結膜萎縮、睫毛内反、眼瞼眼球癒着等)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
9 〈耳鼻科用剤〉 塩酸セフメノキシム(耳鼻科用剤) |
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[販 売 名] | ベストロン耳鼻科用(千寿)他 |
[副作用 (その他の副作用)] |
呼吸器:呼吸困難、喘息発作、喘鳴、咳嗽等を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
10 〈強心剤〉 ジゴキシン、メチルジゴキシン |
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[販 売 名] | ジゴシン錠(中外)他 ラニラピッド錠(ロシュ) |
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[原則禁忌] |
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[相互作用 (原則併用禁忌)] |
カルシウム注射剤(カルシウム値の補正に用いる場合を除く)(グルコン酸カルシウム、L-アスパラギン酸カルシウム、塩化カルシウム)[静注により急激に血中カルシウム濃度が上昇するとジゴキシンの毒性が急激に出現することがある。] | |
〈参 考〉 | Bower. J. O., et al. :JAMA, 106:1151(1936) |
11 〈Ca拮抗剤〉 フェロジピン |
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[販 売 名] | スプレンジール錠2.5mg(チバガイギー)、ムノバール2.5mg錠(ヘキスト・マリオン・ルセル)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
血管浮腫:血管浮腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
12 〈高脂血症用剤〉 プラバスタチンナトリウム |
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[販 売 名] | メバロチン錠(三共)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
肝障害:黄疸、著しいGOT・GPTの上昇等を伴う肝障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
13 〈気管支拡張剤〉 硫酸イソプロテレノール・臭化メチルアトロピン、硫酸イソプロテレノール・臭化メチルアトロピン・デキサメタゾン |
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[販 売 名] | ストメリン(藤沢) ストメリンD(藤沢) |
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[禁 忌] |
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[相互作用 (併用禁忌)] |
カテコールアミン製剤(エピネフリン等)、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン[不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。] |
14 〈プロトンポンプインヒビター〉 ランソプラゾール |
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[販 売 名] | タケプロンカプセル30(武田)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
黄疸、GOT、GPTの上昇等を伴う重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
15 〈抗甲状腺剤〉 チアマゾール |
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[販 売 名] | メルカゾール錠(ヘキスト・マリオン・ルセル)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
16 〈糖質副腎皮質ホルモン〉 リン酸デキサメタゾンナトリウム(注射剤) |
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[販 売 名] | コルソン注(武田)他 |
[副作用 (その他の副作用)] |
その他:リン酸デキサメタゾンナトリウム注射液を静脈内投与した際に、刺激感(ピリピリした痛み、しびれ、ひきつり感等)が発現したとの報告がある。 |
[小児等への投与] | 低出生体重児で、一過性の肥大型心筋症が起こることが報告されている。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
17 〈糖質副腎皮質ホルモン〉 デキサメタゾン(経口剤)、酢酸デキサメタゾン(注射剤) |
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[販 売 名] | デカドロン錠(萬有)他 デカドロンA水性懸濁注射液(萬有)他 |
[小児等への投与] | 低出生体重児で、一過性の肥大型心筋症が起こることが報告されている。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
18 〈補酵素型ビタミンB12〉 メコバラミン(注射剤) |
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[販 売 名] | メチコバール注射液500μg(エーザイ)他 |
[副作用 (重大な副作用)] |
アナフィラキシー様反応:血圧降下、呼吸困難等のアナフィラキシー様反応を起こすことがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
19 〈経腸成分栄養剤〉 エンシュア・リキッド、エンシュア・H |
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[販 売 名] | エンシュア・リキッド(明治乳業) エンシュア・H(明治乳業) |
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[禁 忌] |
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20 〈セフェム系抗生物質〉 塩酸セフカペンピボキシル |
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[販 売 名] | フロモックス錠75mg(塩野義) |
[副作用 (重大な副作用)] |
(急性腎不全:他のセフェム系抗生物質でまれに急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることが報告されているので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 偽膜性大腸炎:他のセフェム系抗生物質でまれに偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることが報告されているので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):他のセフェム系抗生物質でまれに皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることが報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 を削除) 急性腎不全:急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 偽膜性大腸炎:偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
〈参 考〉 | 企業報告 |
21 〈セフェム系抗生物質〉 硫酸セフピロム |
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[販 売 名] | ケイテン静注用(中外)、ブロアクト静注用(ヘキスト・マリオン・ルセル) |
[副作用 (重大な副作用)] |
痙攣:意識障害を伴う痙攣発作を誘発することがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
[副作用 (その他の副作用)] |
(その他:意識障害を削除) |
〈参 考〉 | 企業報告 |
22 〈マクロライド系抗生物質〉 クラリスロマイシン |
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[販 売 名] | クラリス錠200(大正)他 | |
[禁 忌] |
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[慎重投与] | (ピモジドを投与中の患者[「相互作用」の項参照]を削除) 心疾患のある患者[QT延長、心室性頻脈(Torsades de pointesを含む)をおこすことがある(「副作用」の項参照)。] |
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[相互作用 (併用禁忌)] |
ピモジド[ピモジドは主に肝チトクロームP-450 3A4で代謝されるので、本剤との併用により、代謝が阻害され、血中濃度が上昇する。] | |
[相互作用 (併用注意)] |
(ピモジドを削除) リファンピシン[クラリスロマイシンの血中濃度低下が報告されている。] |
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[副作用 (重大な副作用)] |
QT延長:心室性頻脈(Torsades de pointesを含む):QT延長、心室性頻脈(Torsades de Pointesを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、QT延長等の心疾患のある患者には特に注意すること[「慎重投与」の項参照]。 | |
〈参 考〉 | Desta, Z., et al.:Clin. Pharmacol. Ther., 63(2):184(1998) Lee, K. L., et al.:Am. J. Med., 104(4):395(1998) Kundu, S., et al.:Ann. Emergency Med., 30(4):542(1997) Richard, J. W., et al.:J. Infec. Disease, 171:747(1995) 企業報告 |
23 〈抗真菌剤〉 イトラコナゾール |
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[販 売 名] | イトリゾールカプセル50(ヤンセン) | |
[禁 忌] |
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[相互作用] | 本剤は肝チトクロームP-450 3A(CYP3A)と親和性を有するため、CYP3Aで代謝される薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。他の薬剤との相互作用はすべての薬剤との組み合わせについて検討されているわけではないので、他剤による治療中に新たに本剤を併用したり、本剤による治療中に新たに他の薬剤を併用する場合には、患者の状態を十分観察し、慎重に投与すること。 | |
[相互作用 (併用禁忌)] |
ピモジド[ピモジドの血中濃度上昇により、QT延長が発現する可能性がある。] | |
[相互作用 (併用注意)] |
メチルプレドニゾロン[メチルプレドニゾロンの副作用が増強されることがある。]カルバマゼピン[本剤の血中濃度が低下することがある。また、カルバマゼピンの血中濃度が上昇する可能性がある。] ミダゾラム、ブロチゾラム、シクロスポリン、タクロリムス水和物、ドセタキセル水和物、ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤(ニフェジピン、ニルバジピン、フェロジピン)、ベラパミル、サキナビル、セレギリン[これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある。] クラリスロマイシン、リトナビル[本剤の血中濃度が上昇することがある。] インジナビル[本剤又はインジナビルの血中濃度が上昇する可能性がある。] リファンピシン、フェニトイン、イソニアジド[本剤の血中濃度が低下することがある。] H2遮断薬、プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール等)[本剤の血中濃度が低下することがある。併用する場合には両剤の投与間隔をできる限りあけるなど慎重に投与すること。] |
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[副作用 (その他の副作用)] |
過敏症:血管浮腫 (精神神経系:手足のしびれ感等の四肢感覚異常を削除) 精神神経系:めまい、頭痛、肩こり、倦怠感、不眠、末梢神経障害 |
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〈参 考〉 | Linthoudt, H., et al.:J. Heart Lung Transplant., 15:1165(1996) Royer, I., et al.:Cancer Res., 56:58(1996) Kroemer, H. K., et al.:Arch. Pharmacol., 348:332(1993) Wacher, V. J., et al.:7th North American ISSX Meeting, 10(1996) Hardin,T. C., et al.:Pharmacother., 17:195(1997) Bonay, M., et al.:Drug Safety, 9:309(1993) Spina, E., et al.:Ther. Drug Monitoring, 19:535(1997) Pilheu, J.A., et al.:Medicina, 49:43(1989) Jaruratanasirikul, S., et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol., 54:159(1998) 企業報告 |
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