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安全対策業務

医薬品・医療用具等安全性情報 No.197

目次

  1. 卵胞ホルモン製剤の長期投与と安全性について
  2. 重要な副作用等に関する情報
    1. 塩酸テルビナフィン(経口剤)
    2. グルコン酸クロルヘキシジンを含有する製剤(口腔内適応を有する製剤)
  3. 使用上の注意の改訂について(その152)
    メシル酸ペルゴリド他(12件)

 

この医薬品・医療用具等安全性情報は, 厚生労働省において収集された副作用情報をもとに, 医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために, 医療関係者に対して情報提供されるものです。

平成16年(2004年)1月
厚生労働省医薬食品局

【情報の概要】

No. 医薬品等 対策 情報の概要
1 卵胞ホルモン製剤の長期投与と安全性について 使  平成14年7月, 米国国立心肺血管研究所(National Heart, Lung and Blood Institute)のWomen's Health Initiative(以下「WHI」という)の研究の一部である「閉経期女性を対象とした結合型エストロゲンと酢酸メドロキシプロゲステロンの配合剤のリスクとベネフィットを評価する臨床試験」が中止されたことを受け, 医薬品・医療用具等安全性情報No.182(平成14年10月号)に「卵胞ホルモン/黄体ホルモン併用長期投与と安全性について」の記事を掲載し, 安全性にかかわる情報を提供してきたところである。
 その後, 中止されたWHI studyについて, 主要評価項目であった冠動脈性心疾患だけでなく, 脳卒中, 乳癌, 痴呆及び認知障害のリスクに関する研究成績が公表され, また, 英国で実施されたホルモン補充療法と乳癌のリスクに関するMillion women studyの疫学調査結果が公表されたことを踏まえ, 使用上の注意を改訂し, 医療関係者に情報提供することとした。
2 塩酸テルビナフィン(経口剤)他(1件) 使
 前号(医薬品・医療用具等安全性情報No.196)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について, 改訂内容, 参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介する。
3 メシル酸ペルゴリド他(12件)    使用上の注意の改訂について(その152)

緊:緊急安全性情報の配布 使:使用上の注意の改訂 症:症例の紹介

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卵胞ホルモン製剤の長期投与と安全性について

(1)経緯

平成14年7月, 米国国立心肺血管研究所(National Heart, Lung and Blood Institute)は, Women's Health Initiative(以下「WHI」という)の研究の一部である「閉経期女性を対象とした結合型エストロゲンと酢酸メドロキシプロゲステロンの配合剤のリスクとベネフィットを評価する臨床試験」を中止した。これを受け, 医薬品・医療用具等安全性情報No.182(平成14年10月号)に「卵胞ホルモン/黄体ホルモン併用長期投与と安全性について」の記事を掲載し, 安全性にかかわる情報を提供してきたところである。
 その後, 中止されたWHI studyについて, 主要評価項目であった冠動脈性心疾患だけでなく, 脳卒中, 乳癌, 痴呆及び認知障害のリスクに関する研究成績が公表された。また, 時期を同じくして, 英国で実施されたホルモン補充療法と乳癌のリスクに関するMillion women studyの疫学調査結果が公表された。なお, WHIでは, 中止された試験以外にもいくつかの試験が進行中であり, 順次試験結果が公表される予定である。

(2)安全対策

平成15年10月までに公表されたWHIの試験成績及び平成15年8月に公表されたMillion women studyの試験結果について, 専門家の意見も踏まえて検討した結果, 卵胞ホルモン製剤のうち長期に使用される可能性のある更年期障害または骨粗鬆症の効能を有する製剤について, 使用上の注意を改訂し, 医療関係者に情報提供することとした。
 HRTと乳癌の危険性については, WHI studyとMillion women studyの試験成績について「その他の注意」の項に記載した。両試験成績とも, 1年以内の短期で, 乳癌の危険性が上昇し, 投与期間が長くなるにつれその危険性が高くなることを報告している。これらの報告を踏まえ, 投与前に乳房検診及び婦人科検診を実施すること及び投与に際して患者にリスクとベネフィットについて十分な説明を行うとともに必要最小限の使用にとどめ, 漫然と長期投与を行わないことを「重要な基本的注意」の項に記載した。
 HRTと冠動脈性心疾患及び脳卒中の危険性については, WHI studyの試験成績について情報提供するとともに, 動脈性の血栓塞栓疾患又はその既往歴のある患者を禁忌に設定した。
 HRTと痴呆の危険性については, WHI studyの試験成績について「その他の注意」の項に記載した。
 なお, 骨粗鬆症の効能を有する卵胞ホルモン製剤のうち, エストラジオール貼付剤(エストラダームM登録商標マーク, エストラーナ登録商標マーク)については用法・用量に関連する使用上の注意の項に, 「投与後6ヵ月~1年後に骨密度を測定し, 効果が認められない場合は投与を中止し, 他の療法を考慮すること」が記載されているが, 同様の注意事項を他の骨粗鬆症の効能を有する卵胞ホルモン製剤に追記した。

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
〈結合型エストロゲン〉
[禁  忌]
動脈性の血栓塞栓疾患(例えば, 冠動脈性心疾患, 脳卒中)又はその既往歴のある患者

[慎重投与]
 

子宮内膜症のある患者
乳癌家族素因が強い患者, 乳房結節のある患者, 乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者
全身性エリテマトーデスの患者

 
[重要な基本
的注意]
 
投与前に病歴, 家族素因等の問診, 乳房検診並びに婦人科検診を行い, 投与開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行うこと。
外国において, 卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を長期併用した女性では, 乳癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなり, その危険性は併用期間が長期になるに従って高くなるとの報告があるので, 本剤の投与にあたっては, 患者に対し本剤のリスクとベネフィットについて十分な説明を行うとともに必要最小限の使用にとどめ, 漫然と長期投与を行わないこと。
 
[その他の注意] (この子宮内膜癌発生の危険性を軽減させる意味から, 子宮のある患者に対して, 本剤を長期にわたって使用する場合は, 黄体ホルモン剤との併用が望ましい。
ただし, 黄体ホルモン剤を長期間併用した閉経期以降の婦人では, 冠動脈性心疾患, 脳卒中, 静脈血栓塞栓症, 乳癌を発生する危険性が対照群の婦人に比較して, わずかながら統計的有意差をもって高くなるとの臨床試験の報告がある。を削除)
ホルモン補充療法(HRT)と乳癌の危険性
 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 本剤と黄体ホルモンの配合剤投与群では, 乳癌になる危険性がプラセボ投与群に比較して有意に高くなる(ハザード比:1.24)との報告がある。また, 英国における疫学調査の結果, 卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用服用している女性では, 乳癌になる危険性が対照群と比較して有意に高くなり(2.00倍), この危険性は, 併用期間が長期になるに従って高くなる(1年未満:1.45倍, 1~4年:1.74倍, 5~9年:2.17倍, 10年以上:2.31倍)との報告がある。
HRTと冠動脈性心疾患の危険性
 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 本剤と黄体ホルモンの配合剤投与群では, 冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群に比較して高い傾向にあり, 特に服用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告がある。
HRTと脳卒中の危険性
 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 本剤と黄体ホルモンの配合剤投与群では, 脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群に比較して有意に高くなる(ハザード比:1.31)との報告がある。
HRTと痴呆の危険性
 米国における65歳以上の閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 本剤と黄体ホルモンの配合剤投与群では, アルツハイマーを含む痴呆の危険性がプラセボ投与群に比較して有意に高くなる(ハザード比:2.05)との報告がある。
〈参   考〉 企業報告

 

〈エストラジオール製剤(貼付剤を除く)(更年期障害の効能を有する製剤)〉
[禁  忌]
動脈性の血栓塞栓疾患(例えば, 冠動脈性心疾患, 脳卒中)又はその既往歴のある患者

[慎重投与]
 

子宮内膜症のある患者
乳癌家族素因が強い患者, 乳房結節のある患者, 乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者
術前又は長期臥床状態の患者
全身性エリテマトーデスの患者

 
[重要な基本
的注意]
 
投与前に病歴, 家族素因等の問診, 乳房検診並びに婦人科検診を行い, 投与開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行うこと。
外国において, 卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を長期併用した女性では, 乳癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなり, その危険性は併用期間が長期になるに従って高くなるとの報告があるので, 本剤の投与にあたっては, 患者に対し本剤のリスクとベネフィットについて十分な説明を行うとともに必要最小限の使用にとどめ, 漫然と長期投与を行わないこと。

 
[その他の注意] (この子宮内膜癌発生の危険性を軽減させる意味から, 子宮のある患者に対して本剤を長期にわたって使用する場合は, 黄体ホルモン剤との併用が望ましい。
ただし, 結合型エストロゲンと黄体ホルモン剤を長期間併用した閉経期以降の婦人では, 冠動脈性心疾患, 脳卒中, 静脈血栓塞栓症, 乳癌を発生する危険性が対照群の婦人に比較して, わずかながら統計的有意差をもって高くなるとの臨床試験の報告がある。 を削除)
ホルモン補充療法(HRT)と乳癌の危険性
 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, 乳癌になる危険性がプラセボ投与群に比較して有意に高くなる(ハザード比:1.24)との報告がある。また, 英国における疫学調査の結果, 卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用服用している女性では, 乳癌になる危険性が対照群と比較して有意に高くなり(2.00倍), この危険性は, 併用期間が長期になるに従って高くなる(1年未満:1.45倍, 1~4年:1.74倍, 5~9年:2.17倍, 10年以上:2.31倍)との報告がある。
HRTと冠動脈性心疾患の危険性
 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, 冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群に比較して高い傾向にあり, 特に服用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告がある。
HRTと脳卒中の危険性
 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, 脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群に比較して有意に高くなる(ハザード比:1.31)との報告がある。
HRTと痴呆の危険性
 米国における65歳以上の閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, アルツハイマーを含む痴呆の危険性がプラセボ投与群に比較して有意に高くなる(ハザード比:2.05)との報告がある。
〈参   考〉 企業報告

 

〈エストラジオール製剤(貼付剤)(更年期障害の効能を有する製剤)〉
[禁  忌]
動脈性の血栓塞栓疾患(例えば, 冠動脈性心疾患, 脳卒中)又はその既往歴のある患者

[慎重投与]
 

子宮内膜症のある患者
術前又は長期臥床状態の患者
全身性エリテマトーデスの患者

 
[重要な基本
的注意]
 
使用前に病歴, 家族素因等の問診, 乳房検診並びに婦人科検診を行い, 使用開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行うこと。
外国において, 卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を長期併用した女性では, 乳癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなり, その危険性は併用期間が長期になるに従って高くなるとの報告があるので, 本剤の使用にあたっては, 患者に対し本剤のリスクとベネフィットについて十分な説明を行うとともに必要最小限の使用にとどめ, 漫然と長期投与を行わないこと。
 
[その他の注意] (これらの危険性を軽減させる意味から, 子宮のある患者に対して, 本剤による治療を行う際には, 黄体ホルモン剤との併用が望ましい。
ただし, 結合型エストロゲンと黄体ホルモン剤を長期間併用した閉経期以降の婦人では, 冠動脈性心疾患, 脳卒中, 静脈血栓塞栓症, 乳癌を発生する危険性が対照群の婦人に比較して, わずかながら統計的有意差をもって高くなるとの臨床試験の報告がある。 を削除)
ホルモン補充療法(HRT)と乳癌の危険性
 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, 乳癌になる危険性がプラセボ投与群に比較して有意に高くなる(ハザード比:1.24)との報告がある。また, 英国における疫学調査の結果, 卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用服用している女性では, 乳癌になる危険性が対照群と比較して有意に高くなり(2.00倍), この危険性は, 併用期間が長期になるに従って高くなる(1年未満:1.45倍, 1~4年:1.74倍, 5~9年:2.17倍, 10年以上:2.31倍)との報告がある。
HRTと冠動脈性心疾患の危険性
 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, 冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群に比較して高い傾向にあり, 特に服用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告がある。
HRTと脳卒中の危険性
 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, 脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群に比較して有意に高くなる(ハザード比:1.31)との報告がある。
HRTと痴呆の危険性
 米国における65歳以上の閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, アルツハイマーを含む痴呆の危険性がプラセボ投与群に比較して有意に高くなる(ハザード比:2.05)との報告がある。
〈参   考〉 企業報告

 

〈エストリオール製剤(更年期障害及び老人性骨粗鬆症の効能を有する製剤)〉
[用法・用量に関連する使用上の注意] 「老人性骨粗鬆症」に本剤を投与する場合, 投与後6ヵ月~1年後に骨密度を測定し, 効果が認められない場合には投与を中止し, 他の療法を考慮すること。
[禁  忌]
動脈性の血栓塞栓疾患(例えば, 冠動脈性心疾患, 脳卒中)又はその既往歴のある患者

[慎重投与]
 

子宮内膜症のある患者
乳癌家族素因が強い患者, 乳房結節のある患者, 乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者
術前又は長期臥床状態の患者
全身性エリテマトーデスの患者

 
[重要な基本
的注意]
 
投与前に病歴, 家族素因等の問診, 乳房検診並びに婦人科検診を行い, 投与開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行うこと。
外国において, 卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を長期併用した女性では, 乳癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなり, その危険性は併用期間が長期になるに従って高くなるとの報告があるので, 本剤の投与にあたっては, 患者に対し本剤のリスクとベネフィットについて十分な説明を行うとともに必要最小限の使用にとどめ, 漫然と長期投与を行わないこと。
 
[その他の注意] (この子宮内膜癌発生の危険性を軽減させる意味から, 子宮のある患者に対して卵胞ホルモン剤を長期にわたって使用する場合は, 黄体ホルモン剤との併用が望ましい。
ただし, 結合型エストロゲンと黄体ホルモン剤を長期間併用した閉経期以降の婦人では, 冠動脈性心疾患, 脳卒中, 静脈血栓塞栓症, 乳癌を発生する危険性が対照群の婦人に比較して, わずかながら統計的有意差をもって高くなるとの臨床試験の報告がある。 を削除)
ホルモン補充療法(HRT)と乳癌の危険性
 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, 乳癌になる危険性がプラセボ投与群に比較して有意に高くなる(ハザード比:1.24)との報告がある。また, 英国における疫学調査の結果, 卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用服用している女性では, 乳癌になる危険性が対照群と比較して有意に高くなり(2.00倍), この危険性は, 併用期間が長期になるに従って高くなる(1年未満:1.45倍, 1~4年:1.74倍, 5~9年:2.17倍, 10年以上:2.31倍)との報告がある。
HRTと冠動脈性心疾患の危険性
 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, 冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群に比較して高い傾向にあり, 特に服用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告がある。
HRTと脳卒中の危険性
 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, 脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群に比較して有意に高くなる(ハザード比:1.31)との報告がある。
HRTと痴呆の危険性
 米国における65歳以上の閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, アルツハイマーを含む痴呆の危険性がプラセボ投与群に比較して有意に高くなる(ハザード比:2.05)との報告がある。
〈参   考〉 企業報告

 

〈エストリオール製剤(更年期障害の効能を有し, 骨粗鬆症の効能を有しない製剤)〉
[禁  忌]
動脈性の血栓塞栓疾患(例えば, 冠動脈性心疾患, 脳卒中)又はその既往歴のある患者

[慎重投与]
 

子宮内膜症のある患者
乳癌家族素因が強い患者, 乳房結節のある患者, 乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者
術前又は長期臥床状態の患者
全身性エリテマトーデスの患者

 
[重要な基本
的注意]
 
投与前に病歴, 家族素因等の問診, 乳房検診並びに婦人科検診を行い, 投与開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行うこと。
外国において, 卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を長期併用した女性では, 乳癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなり, その危険性は併用期間が長期になるに従って高くなるとの報告があるので, 本剤の投与にあたっては, 患者に対し本剤のリスクとベネフィットについて十分な説明を行うとともに必要最小限の使用にとどめ, 漫然と長期投与を行わないこと。
 
[その他の注意] (この子宮内膜癌発生の危険性を軽減させる意味から, 子宮のある患者に対して卵胞ホルモン剤を長期にわたって使用する場合は, 黄体ホルモン剤との併用が望ましい。
ただし, 結合型エストロゲンと黄体ホルモン剤を長期間併用した閉経期以降の婦人では, 冠動脈性心疾患, 脳卒中, 静脈血栓塞栓症, 乳癌を発生する危険性が対照群の婦人に比較して, わずかながら統計的有意差をもって高くなるとの臨床試験の報告がある。 を削除)
ホルモン補充療法(HRT)と乳癌の危険性
 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, 乳癌になる危険性がプラセボ投与群に比較して有意に高くなる(ハザード比:1.24)との報告がある。また, 英国における疫学調査の結果, 卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用服用している女性では, 乳癌になる危険性が対照群と比較して有意に高くなり(2.00倍), この危険性は, 併用期間が長期になるに従って高くなる(1年未満:1.45倍, 1~4年:1.74倍, 5~9年:2.17倍, 10年以上:2.31倍)との報告がある。
HRTと冠動脈性心疾患の危険性
 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, 冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群に比較して高い傾向にあり, 特に服用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告がある。
HRTと脳卒中の危険性
 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, 脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群に比較して有意に高くなる(ハザード比:1.31)との報告がある。 HRTと痴呆の危険性
 米国における65歳以上の閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験の結果, 結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では, アルツハイマーを含む痴呆の危険性がプラセボ投与群に比較して有意に高くなる(ハザード比:2.05)との報告がある。
〈参   考〉 企業報告

 

〈参考文献〉
1) Estrogen plus progestin and the incidence of dementia and mils cognitive impairment in postmenopausal women.JAMA, 289:2651-2662(2003)
2) Effect of estrogen plus progestin on global cognitive function in postmenopausal women.JAMA, 289:2663-2672(2003)
3) Effect of estrogen plus progestin on stroke in postmenopausal women.JAMA, 289:2673-2684(2003)
4) Influence of estrogen plus progestin on breast cancer and mammography in healthy postmenopausal women.JAMA, 289:3243-3253(2003)
5) Breast cancer and hormone-replacement therapy in the Million women study.Lancet, 362:419-427(2003)
6) Estrogen plus progestin and the risk of coronary heart disease.N Eng J Med, 349:523-534(2003)

 

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重要な副作用等に関する情報

 前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.196)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について, 改訂内容, 参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。

 

【1】 塩酸テルビナフィン(経口剤)

販売名(会社名) ラミシール錠125mg(日本チバガイギー)
薬効分類等 その他の化学療法剤
効能効果 皮膚糸状菌(トリコフィトン属, ミクロスポルム属, エピデルモフィトン属), カンジダ属, スポロトリックス属, ホンセカエア属による下記感染症
但し, 外用抗真菌剤では治療困難な患者に限る。
1.深在性皮膚真菌症
  白癬性肉芽腫, スポロトリコーシス, クロモミコーシス
2.表在性皮膚真菌症
  白癬:爪白癬, 手・足白癬, 生毛部白癬, 頭部白癬, ケルスス禿瘡, 白癬性毛瘡, 生毛部急性深在性白癬, 硬毛部急性深在性白癬
  ◆手・足白癬は角質増殖型の患者及び趾間型で角化・浸軟の強い患者, 生毛部白癬は感染の部位及び範囲より外用抗真菌剤を適用できない患者に限る。
  カンジダ症:爪カンジダ症

 

《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[警  告]
警 告
   重篤な肝障害(肝不全, 肝炎, 胆汁うっ滞, 黄疸等)及び汎血球減少, 無顆粒球症, 血小板減少があらわれることがあり, 死亡に至った例も報告されている。本剤を使用する場合には, 投与前に肝機能検査及び血液検査を行い, 本剤の投与中は随伴症状に注意し, 定期的に肝機能検査及び血液検査を行うなど観察を十分に行うこと。

[重要な基本
的注意]
 

重篤な肝障害(肝不全, 肝炎, 胆汁うっ滞, 黄疸等)があらわれることがあり, 死亡に至った例も報告されている。重篤な肝障害は主に投与開始後2ヵ月以内にあらわれるので, 投与開始後2ヵ月間は月1回の肝機能検査を行うこと。また, その後も定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。
汎血球減少, 無顆粒球症及び血小板減少があらわれることがあるので, 定期的に血液検査(血球数算定, 白血球分画等)を行うなど観察を十分に行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群), 中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので, 本剤の投与中は観察を十分に行うこと。
 
[副作用
(重大な副作用)]
重篤な肝障害(肝不全, 肝炎, 胆汁うっ滞, 黄疸等):発疹, 皮膚そう痒感, 発熱, 悪心・嘔吐, 食欲不振, 倦怠感等の随伴症状に注意するとともに, 投与開始後2ヵ月間は月1回の肝機能検査を行うこと。また, その後も定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症:横紋筋融解症が現れることがあるので, 観察を十分に行い筋肉痛, 脱力感, CK(CPK)上昇, 血中及び尿中ミオグロビン上昇が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告
 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
70代
爪白癬
(貧血, 食道炎, 慢性副鼻腔炎)
125mg
45日間
横紋筋融解症
投与開始日 本剤の投与を開始。
投与22日目 筋肉痛・全身倦怠感なく, 全身状態良好。
不明 家の仕事でだいぶ体が疲れたとのこと。
投与43日目 全身の筋肉痛出現。
投与45日目
(投与中止日)
全身倦怠感も加わり, 内科受診。検査の結果, CK(CPK):4170IU/L, AST(GOT):98IU/L, LDH:483IU/Lと異常高値を認め, 横紋筋融解の疑いもあり入院。入院中は点滴(1000mL/日)とすべての薬剤中止により経過観察。電解質異常, 腎機能障害は認めず。
中止1日後 筋肉痛, 全身倦怠感は徐々に軽快。この日をピークにCK(CPK)は減少傾向。
中止12日後 退院。
中止15日後 外来受診。特に問題なし。
企業報告
臨床検査値
   投与前 投与45日目
(投与中止日)
中止
1日後
中止
3日後
中止
5日後
中止
7日後
中止
10日後
赤血球数(×104/mm3 403 407 378 384 390 377 391
ヘモグロビン(g/dL) 10.8 9.5 8.9 8.8 9.1 8.7 9.1
白血球数(/mm3 4700 4500 4200 3700 4600 5000 4900
好中球(%) 69.5 65.4 55.0 51.7 52.7 52.1
好酸球(%) 6.3 8.6 11.7 13.7 11.3 6.9
好塩基球(%) 0.6 0.4 0.1 0.3 0.8 0.7
単球(%) 4.3 6.0 5.0 6.7 7.1 7.8
リンパ球(%) 19.3 19.6 28.2 27.6 28.1 32.5
血小板数(×104/mm3 22.5 23.0 23.1 26.0 31.7 29.8 35.1
AST(GOT)(IU/L) 31 98 108 83 47 32 29
ALT(GPT)(IU/L) 10 25 27 35 31 22 18
Al-P(IU/L) 144 159 138 141 148 153 168
γ-GTP(IU/L) 14 14 15 16 15 18
LDH(IU/L) 260 483 486 560 562 455 393
総ビリルビン(mg/dL) 0.4 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.4
BUN(mg/dL) 16.5 16.6 10.5 14.0 13.7 12.4 15.0
クレアチニン(mg/dL) 0.49 0.49 0.46 0.47 0.45 0.44 0.45
血糖値(mg/dL) 120 132 97 91 86 97 87
血清カリウム(mEq/L) 3.8 3.8 3.9 4.2 4.3 4.2 4.5
血清ナトリウム(mEq/L) 138 139 141 142 143 142 142
CK(CPK)(IU/L) 270 4170 4600 2143 748 244 114
アルドラーゼ(IU/L) 15.3
尿中ミオグロビン(ng/mL) 16
抗核抗体 (-)
抗DNA抗体 (-)
抗Jo-1抗体 (-)
RAPA (-)
併用薬:酒石酸イフェンプロジル, 酸化マグネシウム, ミドドリン, ランソプラゾール, クラリスロマイシン, カルシトリオール, L-アスパラギン酸カルシウム, 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

 

【2】 グルコン酸クロルヘキシジンを含有する製剤(口腔内適応を有する製剤)

販売名(会社名) ガム・CHX洗口液(サンスター)
コンクール<F>(加藤翠松堂製薬)
薬用リーチ洗口液fp(ジョンソン&ジョンソン)
ラカルト(エスエス製薬)他
薬効分類等 薬用はみがき類
洗口液
含そう薬
歯痛・歯槽膿漏薬

 

《使用上の注意》
●医薬部外品
 使用上の注意として次の事項を, 製品に添付する文書又はその容器若しくは被包に記載すること。
 1) 口の中に傷やひどいただれのある人は使用しないでください。
 2) 本剤又はグルコン酸クロルヘキシジンでアレルギー症状を起こしたことのある人は使用しないでください。
 3) 使用中にじんましん, 息苦しさなどの異常があらわれた場合には直ちに使用を中止し, 医師又は薬剤師に相談してください。特に, アレルギー体質の人や, 薬などで発疹などの過敏症状を経験したことがある人は, 十分注意して使用してください。

 

●一般用医薬品(下線部追加改訂部分)
[してはいけないこと]
 
次の人は使用しないこと
 本剤又はグルコン酸クロルヘキシジンによるアレルギー症状を起こしたことがある人。
 口の中に傷やひどいただれのある人。
 
[相談すること] 次の場合は, 直ちに使用を中止し, この文書を持って医師, 歯科医師又は薬剤師に相談すること
 使用後, 次の症状があらわれた場合
  まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けること。
   ショック(アナフィラキシー):使用後すぐにじんましん, 浮腫, 胸苦しさ等とともに, 顔色が青白くなり, 手足が冷たくなり, 冷や汗, 息苦しさ等があらわれる。
〈参   考〉 企業報告
 

症例の概要

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
30代
歯周ポケット洗浄
(不明)
不明
1回
アナフィラキシーショック
投 与 日 10:50頃 本剤の希釈液(グルコン酸クロルヘキシジンとして0.005~0.010%)で歯周ポケットを洗浄(適応外使用)。その直後, 患者は「気分が悪い」と訴えトイレに行かれる。
10:55頃 患者の具合を聞くためにトイレをノックするも応答なし。救急車の手配を行う。ショック体位をとらせ気道確保を行う。
11:00 救急隊員到着, 病院に搬送される。
夕方 回復され帰宅される。
企業報告
併用薬:不明

 

NO. 患者 1日投与量
投与期間
副作用 備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
50代
歯周ポケット洗浄
(不明)
不明
1回
アナフィラキシーショック
過去, 患者は4~5回本剤の希釈液(グルコン酸クロルヘキシジンとして0.0007~0.0010%)を用いて, 歯周ポケット洗浄を行っている(適応外使用)。
投 与 日 9:30頃 施術開始。歯周膿瘍の症状確認。スケーリング。治療の最後で本剤の希釈液による歯周ポケット洗浄を実施(適応外使用)。
10:00~10:15 治療終了。使用直後から, 耳の後ろが痒くなり始め, 全身が痒くなる。待合室へ移動後, 上着をはだけると胸にアレルギー様の発赤が認められた。呼吸が困難になり, 一時的に全身が硬直した(3分間位)。水を飲むが嘔吐した。意識はあるものの立ってはいられない状態となる。
10:15頃~10:20頃 救急車到着。
10:40頃 病院到着。到着時の血圧は60mmHgであった。
終了1日後 一般病室へ。
終了2日後 午後退院。
終了3日後 仕事を通常通り始められた。
企業報告
併用薬:ステロイド剤

 

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使用上の注意の改訂について(その152)

 前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.196)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「2 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について, 改訂内容, 主な該当販売名, 参考文献等をお知らせいたします。

 

1 〈抗パーキンソン剤〉
メシル酸ペルゴリド
[販売名] ペルマックス錠50μg, 同錠250μg(日本イーライリリー)
[慎重投与] 胸膜炎, 胸水, 胸膜線維症, 肺線維症, 心膜炎, 心膜滲出液, 心臓弁膜症, 後腹膜線維症又はその既往のある患者
[重要な基本
的注意]
本剤による線維症(肺・後腹膜等)があらわれることがあるため, 慎重に投与すること。
[副作用
(重大な副作用)]
胸膜炎, 胸水, 胸膜線維症, 肺線維症, 心膜炎, 心膜滲出液:胸痛, 呼吸器症状等があらわれた場合には, 速やかに胸部X線検査を実施し, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

2 〈精神神経用剤〉
オランザピン
[販売名] ジプレキサ錠2.5mg, 同錠5mg, 同錠10mg(日本イーライリリー)
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害, 黄疸:AST(GOT), ALT(GPT), γ-GTP, Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害, 黄疸があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

3 〈不整脈用剤〉
ジソピラミド
[販売名] リスモダンカプセル50mg, 同カプセル100mg(アベンティスファーマ)他
[禁忌]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
[慎重投与] 腎機能障害のある患者
肝機能障害のある患者
[重要な基本
的注意]
本剤の投与に際しては, 頻回に患者の状態を観察し, 心電図, 脈拍, 血圧, 心胸比, 臨床検査値(肝機能, 腎機能, 電解質, 血液等)を定期的に調べること。PQ延長, QRS幅増大, QT延長, 徐脈, 血圧低下等の異常所見が認められた場合には直ちに減量又は投与中止すること。
高齢者, 糖尿病, 肝障害, 透析患者を含む腎障害, 栄養状態不良の患者では重篤な低血糖があらわれやすいので注意すること。特に透析患者を含む重篤な腎障害のある患者では, 意識混濁, 昏睡等の重篤な低血糖があらわれることがある。これらの患者に投与する場合は, 血糖値その他患者の状態を十分観察しながら慎重に投与すること。また, 低血糖の発現について患者に十分な説明を行うこと。
めまい, 低血糖等があらわれることがあるので, 高所作業, 自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
〈参   考〉 企業報告

 

4 〈不整脈用剤〉
リン酸ジソピラミド(経口剤)
[販売名] リスモダンR錠150mg(アベンティスファーマ)他
[禁忌]
透析患者を含む重篤な腎機能障害のある患者
高度な肝機能障害のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
[慎重投与] 腎機能障害のある患者
肝機能障害のある患者
[重要な基本
的注意]
本剤の投与に際しては, 頻回に患者の状態を観察し, 心電図, 脈拍, 血圧, 心胸比, 臨床検査値(肝機能, 腎機能, 電解質, 血液等)を定期的に調べること。PQ延長, QRS幅増大, QT延長, 徐脈, 血圧低下等の異常所見が認められた場合には直ちに減量又は投与中止すること。
高齢者, 糖尿病, 肝障害, 腎障害, 栄養状態不良の患者では重篤な低血糖があらわれやすいので注意すること。これらの患者に投与する場合は, 血糖値その他患者の状態を十分観察しながら慎重に投与すること。また, 低血糖の発現について患者に十分な説明を行うこと。
めまい, 低血糖等があらわれることがあるので, 高所作業, 自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
〈参   考〉 企業報告

 

5 〈不整脈用剤〉
リン酸ジソピラミド(注射剤)
[販売名] リスモダンP注(アベンティスファーマ)
[禁忌]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
[慎重投与] 腎機能障害のある患者
肝機能障害のある患者
[重要な基本
的注意]
高齢者, 糖尿病, 肝障害, 透析患者を含む腎障害, 栄養状態不良の患者では重篤な低血糖があらわれやすいので注意すること。特に透析患者を含む重篤な腎障害のある患者では, 意識混濁, 昏睡等の重篤な低血糖があらわれることがある。これらの患者に投与する場合は, 投与後, 血糖値その他患者の状態を十分観察すること。
〈参   考〉 企業報告

 

6 〈利尿剤〉
アセタゾラミド
[販売名] ダイアモックス末, 同錠(日本ワイスレダリー)
[禁忌]
肝硬変等の進行した肝疾患又は高度の肝機能障害のある患者
[慎重投与] 糖尿病又は耐糖能異常のある患者
[副作用
(重大な副作用)]
再生不良性貧血, 溶血性貧血, 無顆粒球症, 血小板減少性紫斑病:再生不良性貧血, 溶血性貧血, 無顆粒球症(前駆症状として発熱, 咽頭痛, インフルエンザ様症状等があらわれる場合がある)の重篤な血液障害, また, 骨髄機能低下, 白血球減少, 血小板減少, 血小板減少性紫斑病等があらわれることがあるので, 定期的に検査を行うなど観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
精神錯乱, 痙攣:精神錯乱, 痙攣等の中枢神経症状があらわれることがあるので観察を十分に行い, このような症状があらわれた場合には, 投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

7 〈利尿剤〉
アセタゾラミドナトリウム
[販売名] 注射用ダイアモックス(日本ワイスレダリー)
[禁忌]
肝硬変等の進行した肝疾患又は高度の肝機能障害のある患者
[慎重投与] 糖尿病又は耐糖能異常のある患者
レスピレータ等を必要とする重篤な高炭酸ガス血症の患者
[副作用
(重大な副作用)]
再生不良性貧血, 溶血性貧血, 無顆粒球症, 血小板減少性紫斑病:再生不良性貧血, 溶血性貧血, 無顆粒球症(前駆症状として発熱, 咽頭痛, インフルエンザ様症状等があらわれる場合がある)の重篤な血液障害, また, 骨髄機能低下, 白血球減少, 血小板減少, 血小板減少性紫斑病等があらわれることがあるので, 定期的に検査を行うなど観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
精神錯乱, 痙攣:精神錯乱, 痙攣等の中枢神経症状があらわれることがあるので観察を十分に行い, このような症状があらわれた場合には, 投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

8 〈その他のホルモン剤〉
ダナゾール
[販売名] ボンゾール錠100mg, 同錠200mg(三菱ウェルファーマ)他
[禁忌]
ポルフィリン症の患者
アンドロゲン依存性腫瘍のある患者
[副作用
(重大な副作用)]
肝腫瘍, 肝臓紫斑病(肝ペリオーシス):長期投与により肝腫瘍, 肝臓紫斑病(肝ペリオーシス)が発生したとの報告があるので定期的に肝超音波検査を実施することが望ましい。
〈参   考〉 企業報告

 

9 〈抗腫瘍性植物成分製剤〉
塩酸イリノテカン
[販売名] カンプト注(ヤクルト本社), トポテシン注(第一製薬)
[重要な基本
的注意]
Gilbert症候群のようなグルクロン酸抱合異常の患者においては, 本剤の代謝が遅延することにより骨髄機能抑制等の重篤な副作用が発現する可能性が高いため, 十分注意すること。
〈参   考〉 企業報告

 

10 〈その他の腫瘍用薬〉
アナストロゾール
[販売名] アリミデックス錠(アストラゼネカ)
[副作用
(重大な副作用)]
アナフィラキシー症状, 血管浮腫, 蕁麻疹:アナフィラキシー, 血管浮腫, 蕁麻疹等の過敏症状があらわれることがあるので, このような症状があらわれた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

11 〈その他の腫瘍用薬〉
クエン酸タモキシフェン
[販売名] ノルバデックス, ノルバデックスD(アストラゼネカ)他
[重要な基本
的注意]
本剤の投与により子宮体癌, 子宮肉腫の発生増加がみられたとの報告がある。また, 本剤の投与により子宮内膜ポリープ, 子宮内膜増殖症, 子宮内膜症がみられることがあるので, 本剤投与中あるいは本剤の服用歴のある患者では定期的に検査を行うことが望ましく, また, 不正出血等の異常な婦人科学的症状がみられた場合には直ちに検査を行うなど適切な処置を行うこと。
[副作用
(重大な副作用)]
血栓塞栓症, 静脈炎:本剤の投与により, 肺塞栓症, 下肢静脈血栓症, 脳血栓症, 下肢血栓性静脈炎等の血栓塞栓症, 静脈炎があらわれることがあるので観察を十分に行い, 異常が認められた場合には直ちに投与を中止し, 適切な処置を行うことなお, 細胞毒性を有する抗癌剤との併用で血栓塞栓症の危険性を増大させるおそれがあるので, 投与にあたっては十分に観察すること。
子宮筋腫, 子宮内膜ポリープ, 子宮内膜増殖症, 子宮内膜症:子宮筋腫, 子宮内膜ポリープ, 子宮内膜増殖症, 子宮内膜症がみられることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
[その他の注意] 海外において, QT間隔の延長, Torsades de pointesの発現が報告されている。
〈参   考〉 企業報告

 

12 〈合成抗菌剤〉
メシル酸パズフロキサシン
[販売名] パシル点滴静注液300mg, 同点滴静注液500mg(富山化学工業), パズクロス注300, 同注500(三菱ウェルファーマ)
[副作用
(重大な副作用)]
無顆粒球症, 血小板減少:無顆粒球症, 血小板減少があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
ショック, アナフィラキシーショック様症状(呼吸困難, 浮腫, 発赤等):ショック, アナフィラキシーショック様症状(呼吸困難, 浮腫, 発赤等)があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死症(Lyell症候群), 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):中毒性表皮壊死症(Lyell症候群), 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
間質性肺炎:発熱, 咳嗽, 呼吸困難, 胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので, このような症状があらわれた場合には投与を中止し, 副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
低血糖:重篤な低血糖があらわれることがある(高齢者, 腎障害患者であらわれやすい)ので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
アキレス腱炎, 腱断裂等の腱障害:アキレス腱炎, 腱断裂等の腱障害があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参   考〉 企業報告

 

13 〈その他の化学療法剤〉
フルコナゾール
[販売名] ジフルカンカプセル50mg, 同カプセル100mg, 同静注液0.1%, 同静注液0.2%(ファイザー)他
[慎重投与] 心疾患又は電解質異常のある患者
〈参   考〉 企業報告

 

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お知らせ

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なお, 医薬品情報提供ホームページ(http://www.pharmasys.gr.jp/)又は厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)からも入手可能です。