独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

第13回ジェネリック医薬品品質情報検討会

開催日時等

日時 2014年9月3日(木曜日) 10時から12時
場所 都道府県会館 4階401号会議室
 

出席委員等 (敬称略)

出席委員(12名)

緒方宏泰、川西徹、喜多村孝幸、楠本正明、澤木康平(冨山雅史代理)、西島正弘、檜垣和孝、三上栄一、武藤正樹、村松章伊、山本典男、四方田千佳子

欠席委員(1名)

鈴木邦彦

参考人

山田良太(日本製薬団体連合会)、伏見環(日本ジェネリック製薬協会)、川俣知巳(日本ジェネリック製薬協会)、島崎博(日医工(株))、森悦二(日医工(株))、千種康恵(日医工(株))

事務局

国立医薬品食品衛生研究所

合田幸広(薬品部)、伊豆津健一(薬品部)、阿曽幸男(薬品部)、香取典子(薬品部)、加藤くみ子(薬品部)

厚生労働省等

森和彦(審査管理課)、井上隆弘(審査管理課)、鶏内雅司(安全対策課)、山嵜琢磨(監視指導・麻薬対策課)、中村高敏(医薬品医療機器総合機構一般薬等審査部)、中村悟(医薬品医療機器総合機構安全第一部)

 

審議概要

(1)開会

 委員11名に代理出席1名を加えた12名で開会が告げられ、座長より委員の交代(曽布川委員から村松委員)と森審査管理課長の紹介が行われた。

(2)第10回ジェネリック医薬品品質情報検討会で製剤試験ワーキンググループ(製剤試験WG)の検討対象となった抗不安・睡眠剤、精神神経用剤の溶出試験結果報告

 治療領域別の品質を評価対象として、第10回検討会(2013年2月)において、選定・了承された4品目の抗不安、睡眠剤(ゾルピデム酒石酸塩錠、トフィソパム錠、ジアゼパム錠、クアゼパム錠)及び7品目の精神神経用剤(リスペリドン錠、ゾピクロン錠、パロキセチン塩酸塩錠、フルボキサミンマレイン酸塩錠、ミルナシプラン塩酸塩錠、スルピリド錠、クエチアピンフマル酸塩錠)の溶出試験結果について、資料13-1のように報告された。

 評価対象とした製剤について、いずれも溶出規格に適合していた。なお、溶出試験の結果から、判明した事項は以下のとおり。
 後発製剤のうち、ゾルピデム酒石酸塩錠、トフィソパム錠、ゾピクロン錠、パロキセチン塩酸塩錠の一部は、複数の試験液を用いた溶出試験の一部において、オレンジブック及び先発製剤の溶出プロファイルの類似性範囲から外れる結果となった。これらの製剤については、メーカーによる確認と改善対応が行われるとの報告があった。なお、検討会の開催時点で、メーカーに状況を確認中であった製剤については、対応について次回報告することとなった。また、溶出性が判定の境界付近にあり、メーカーによる再試験で類似と判断された製剤については、他製剤の改善確認にあわせて製剤試験WGによる試験を行うこととなった。
 先発製剤については、スルピリド錠の1製剤でpH1.2の試験液における溶出が遅く、オレンジブック溶出曲線に対する類似性の範囲から外れていた。同製剤では品質再評価時に自社で測定・提出した溶出性のデータを製造管理に用いているとの回答があり、対応を検討することとなった。また、ジアゼパム錠の1製剤は、pH6.8の試験液においてオレンジブック溶出曲線に対して類似性の範囲から外れていたことから、メーカーによる改善検討が行われる旨の報告があった。
 その他の製剤はいずれの試験液においても、オレンジブックまたは先発品のいずれかの溶出挙動と類似の範囲内にあった。
 以上の内容について、確認され了承された。

製剤試験ワーキンググループ(製剤試験WG):ジェネリック医薬品の品質に関して、試験検査を実施し確認を行うため、国立医薬品食品衛生研究所及び地方衛生研究所の担当者から構成されるワーキンググループ。

(3)ジェネリック医薬品品質情報検討会で溶出挙動の課題が指摘され品質改善がなされた製剤の再試験結果報告

 これまでの検討会において溶出試験を実施し、溶出挙動の課題が指摘された製剤について、各メーカーによる品質改善の対応完了が報告された6品目のうち、第11回検討会(平成25年10月)にて既に再試験結果を報告しているリトドリン塩酸塩注射液(純度試験)を除く5品目(アマンタジン塩酸塩錠、チクロピジン錠、シメチジン錠、アテノロール錠、ジルチアゼム塩酸塩徐放カプセル)について、溶出試験を行なった。いずれの製剤も、4種の試験液においてオレンジブックまたは先発製剤の溶出挙動と類似性の範囲にあり、適切な改善がなされていることが確認された(資料13-2)。
 以上の内容について、確認され了承された。

(4)学会等での発表・論文及び医薬品医療機器総合機構への相談内容に関する審議

 2013年10月から2014年3月までの間の文献及び学会発表(資料13-3)、及び2013年度下半期の医薬品医療機器総合機構への相談内容(資料13-5)について報告された。
 アトルバスタチン錠の開封後の安定性に関する文献が紹介された。一般に薬局における一包化と処方の長期化を考慮して、吸湿や変化を起こしにくい製剤の開発が望まれるとの意見があった。
 タモキシフェン錠及びレボフロキサシン錠の溶出性について、他での評価と製品の販売状況を考慮して、今後、製剤試験WGでの検討対象とするかどうか検討することとなった。ラタノプロスト点眼液の後発品の特性評価についての文献が紹介され、同製剤では生物学的同等性の確保が重要であるが、検討に用いられた評価法は必ずしも妥当でないとの意見が出された。
  後発医薬品の品質等に関して、日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)の文献調査チームが行ってきた調査のうち、製造販売会社への照会はGE薬協会員とその関連企業に限定されていた事から、他の企業にも照会対象を広げるべきとの意見が第12回検討会で出された。GE薬協と日本製薬団体連合会(日薬連)GEロードマップ対応プロジェクトの検討により、全ての後発医薬品製造販売会社に対象を広げる仕組み(参考資料2)が整備され、次回の報告分から適用する旨の紹介があった。
 以上の報告内容について、確認され了承された。

(5)第11・12回検討会で課題指摘のあったリンドルフ点滴静注50mgの調査結果報告

 第11・12回検討会(2013年10月、2014年3月)で課題指摘のあったリトドリン塩酸塩注射液(切迫流・早産治療剤、リンドルフ点滴静注50mg)について、文献(資料11-2-2)の著者らの協力を得て精査した結果(資料13-4)が報告された。この中で、1)当該病院における製剤の使用時期と投与群の背景因子について詳細な解析を行ったが、副作用との明確な関連は見られないこと、2)昨年までの9年間で同製剤の使用量は増加しているが、副作用の報告数に顕著な変化は見られないこと、3)製造工程と原薬供給元の変更により不純物量が減少していること、が紹介された。
 審議において、報告内容は概ね妥当と考えられること、リトドリン製剤については欧州で有害事象の発現が指摘されており全てのリトドリン製剤について注意深い使用が求められることが確認された。また、同社が品質の確保と臨床情報の収集に努めること、及びアレルギーの原因として指摘される添加剤(ピロ亜硫酸ナトリウム)を含まない製剤の開発を進めることが妥当との意見が出され、了承された。

(6)その他

 事務局より、本検討会及び後発医薬品の品質に関する情報の周知を目的とした、広報誌『後発医薬品品質情報No.1(2014年4月)』の発刊が報告された。
 

提出資料

  1. 議事次第
  2. ジェネリック医薬品品質情報検討会メンバー
  3. 資料13-1 第10回検討会で検討対象となった抗不安・睡眠剤、精神神経用剤の溶出試験結果
  4. 資料13-2 ジェネリック医薬品品質情報検討会開催後に改善された製剤の再試験結果
  5. 資料13-3-1 後発医薬品文献調査報告書(概要)
  6. 資料13-3-2 文献一覧表
  7. 資料13-3-3 問題指摘論文集(上記一覧表の一部。著作権の関係で掲載できません。)
  8. 資料13-4-1 リンドルフ点滴静注50mg(現販売名:リトドリン塩酸塩点滴静注液50mg「日医工」)の品質改善前後における副作用発生の比較検討(概要)
  9. 資料13-4-2 リンドルフ点滴静注50mg(現販売名:リトドリン塩酸塩点滴静注液50mg「日医工」)の品質改善前後における副作用発生の比較検討(詳細資料)(承認情報を含むため、公開できません。)
  10. 資料13-5 医薬品医療機器総合機構後発医薬品相談受付状況
  11. 参考資料1 品質再評価の具体的手順とステップ(オレンジブックNo.31,P4,(財)日本公定書協会編。著作権の関係で掲載できません。)
  12. 参考資料2 JGAより文献調査への協力に関する今後の流れ


連絡先 ジェネリック医薬品品質情報検討会事務局
E-メール oecqaged_●_nihs.go.jp
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ファックス 03-3707-6950
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