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独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

第35回ジェネリック医薬品・バイオシミラー品質情報検討会

開催日時等

 日時 2025年8月25日(月曜日) 14時から16時
 場所 AP虎ノ門 Room B 及び web

出席委員等(敬称略)

出席委員(14名)

齋藤嘉朗(座長)、宮川政昭、澤木康平、橋場元、東光久、荒戸照世、石井伊都子、伊豆津健一、伊藤清美、大谷壽一、田上貴臣、南博信、武藤正樹、渡邊善照

欠席委員(1名)

奥田晴宏

参考人

小野誠(日本製薬団体連合会)、大野公嗣、浅見宗俊(日本ジェネリック製薬協会)、永井祐子(日本バイオシミラー協議会)

事務局

国立医薬品食品衛生研究所

佐藤陽治 (副所長・薬品部長)、吉田寛幸、小出達夫、阿部康弘、森田時生(薬品部)、石井明子、橋井則貴、柴田寛子、多田稔(生物薬品部)

国立健康危機管理研究機構

鈴木里和、星野泰隆(国立感染症研究所)

厚生労働省

紀平哲也、宮坂知幸、豊田有彩、西方修馬、鈴木翔太(医薬品審査管理課)、岩瀬怜、林亜友美、髙野峻輔、三上夏実(監視指導・麻薬対策課)、平野友唯(医薬安全対策課)

医薬品医療機器総合機構

髙木和則、藤野隆介、竹田寛、谷奥有里花(ジェネリック医薬品等審査部)、大滝尚広、針生彩(再生医療製品等審査部)、真庭はるみ、木村絵梨、樋口優紀子、向所章子(安全性情報・企画管理部)

 

審議概要

(1)開会

 委員14名の出席で開催された。
 規定に基づき、国立医薬品食品衛生研究所の齋藤嘉朗所長が座長に就任することが報告された。また、新任の医薬品審査管理課長が紹介された。

(2)第32回検討会で検討対象となった製剤の溶出試験結果について

 第32回ジェネリック医薬品・バイオシミラー品質情報検討会(2024年1月)において選定・了承された11品目(タクロリムス錠、ワルファリンカリウム錠、ニフェジピン徐放L錠、バルプロ酸ナトリウム細粒・錠・徐放錠、ジアゼパム錠、エスゾピクロン錠、ソリフェナシンコハク酸塩錠、フェブキソスタット錠、ラメルテオン錠、エスシタロプラムシュウ酸塩錠、アシクロビル顆粒・錠)について製剤試験ワーキンググループ(製剤試験WG)にて、複数試験液を用いた溶出挙動の検討を行い、その結果が資料35-1のように報告された。
 徐放性製剤は溶出挙動の管理が特に重要であることから、類似性の判定基準には製剤試験WGで設定した従来の基準(ガイドラインの類似性の範囲をやや広げる)ではなく、ガイドラインに定められた基準が用いられ、溶出挙動が類似の範囲にないものについては製造販売元への照会が行われた。

  • ニフェジピン徐放L錠20 mg

 複数の製剤でオレンジブックに比べ溶出が速く、pH4.0、pH6.8及び水のいずれか、または複数の試験液が類似の範囲になかった。これらのうち一部の製品については、メーカーが実施した試験でも同様の結果が得られており、溶出変動の原因と推定される粒子径等の影響の程度を確認し、必要に応じて適切な管理幅を設定するとの回答があった。一方、別のメーカーからは、自社で実施した参考品の溶出挙動がオレンジブックや品質再評価時と類似の範囲内であることが確認された。さらに、薬物動態学的観点からも、有効性・安全性への影響は小さいとの回答も示された。

  • バルプロ酸ナトリウム200 mg錠

 pH1.2の試験液において全ての製剤で個々の溶出率にばらつきが見られ、先発品を含む複数の製剤でオレンジブックと類似の範囲になかった。先発品については、当該メーカーが実施した試験でも類似の範囲にないことが確認されたが、pH1.2では原薬の溶解度の低さから溶出がばらつきやすいこと、またバルプロ酸はバイオアベイラビリティが高く、吸収部位である小腸のpHでは速やかに溶出するため、薬物動態学的観点から臨床的な問題が生じる可能性は低いと考えられること、さらに有害事象の報告はなかった旨の回答が報告された。後発品1製剤については、品質再評価時にも同様に異なる溶出挙動を示したものの、ヒトBE試験で同等性が確認されており、pH1.2の溶出の差は薬物動態に影響を及ぼさないと考えられるとの回答が説明された。また糖衣錠の被膜が厚く初期の溶出の差に影響しうる旨の説明があった。その他のメーカーについても、pH4.0、pH6.8及び水において類似性を示していることから、pH1.2の試験液における溶出の差は有効性に影響するものではないと判断されるとの回答が報告された。

  • ジアゼパム錠2 mg

 1製剤において、pH4.0、6.8、水の試験液で溶出が速くオレンジブックと類似の範囲になかった。当該メーカーからは、pH1.2の試験液では速やかに溶出し、かつバイオアベイラビリティが極めて高い製剤であることに基づき、薬物動態学的観点から中性付近のpHにおける溶出の差による有効性・安全性への懸念はないとの回答が報告された。

  • アシクロビル顆粒40%

 1製剤がpH4.0においてオレンジブックおよび先発品と類似の範囲外であった。当該メーカーからは、品質再評価時に自社で実施した標準製剤の溶出挙動と類似であり、品質に問題はないとの回答が報告された。

今回の試験結果について、企業からは「有効性・安全性への影響は小さく、臨床上大きな問題を引き起こすものではない」との回答が示されたものの、メーカーによる説明が十分ではなく、溶出が変動した原因等についても科学的根拠に基づく調査・説明を求めるべきとされた。また、臨床的影響は一般に小さいと考えられる一方で、バルプロ酸ナトリウム錠のpH1.2において、先発品を含む全ての製剤がオレンジブックと溶出挙動の類似性が確認できないことは、それぞれ製剤学的に同等ではなく、個々の患者のリスクを考えると問題がないとは言い切れないとの指摘があった。なお、企業からの説明については、事前に薬剤学分野の専門家に意見を求めた結果、一定の妥当性があるとの見解が得られている旨の補足説明もなされた。 
 また、溶出類似性の許容範囲を一律に広げる本検討会の独自基準に対して懸念が示された。特に、バルプロ酸ナトリウムなど血中濃度管理が厳密に求められる薬剤では、先発品を含む溶出類似性の逸脱に際しては、慎重な判断と科学的根拠に基づく説明をメーカーに求めるべきとされた。
 選定療養費制度の導入以降、ジェネリック医薬品の普及がますます進む中で、患者に安心感を与える責任ある対応を関係者が一体となって行う必要があるとされた。本検討会においても、ジェネリック医薬品の信頼維持のため、溶出性等に課題がある製品については、改善を求める対応が必要であるとの意見が示された。
 事務局より、抗てんかん薬などの血中濃度管理が重要な医薬品や徐放性製剤等については、繰り返し検討するなど対応することが説明された。また、溶出類似性の評価についても一律の判定基準ではなく、製品の特性に応じて寛容基準の適用可否を判断するほか、メーカーに対して溶出挙動を揃えるような対応を求めることを検討することが説明された。また、本検討会で出された意見や議論内容を企業にフィードバックすることとされた。
 以上の内容について、確認され了承された。

(3)学会等での発表・研究論文について

 後発医薬品及びバイオシミラーに関して、2024年度下半期の文献及び学会発表(資料35-2、資料35-3)について報告された。

  • 後発医薬品に関する報告

 プレガバリンOD錠について、口腔内崩壊錠の崩壊性に関する先・後発品間の差異を指摘する論文発表が報告された。事務局より、崩壊性は評価に用いる装置によって結果が異なるため、各社がそれぞれ設定した方法で品質管理を行っていること、また、今回の結果から製品間で崩壊性に差がみられ患者の使用感に影響する可能性はあるものの、各製剤の品質自体には問題はないと考えられることが説明された。
 フルチカゾンプロピオン酸エステルおよびフルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻剤については、噴霧特性における先・後発品間の差異を指摘する学会発表が報告された。事務局より、現時点で国内では噴霧特性は承認要件とはなっていないものの、製剤特性として製剤間に差が認められた事例であることが説明された。
 ダイフェン配合錠の長期内服後に薬剤性過敏症症候群を発症し、その後死亡に至った症例に関する学会発表が報告された。当該メーカーより、薬剤性過敏症症候群を含む皮膚障害はST合剤で発現頻度の高い副作用報告症例であり、副作用集積結果等より品質に問題が生じた可能性は低いと考えられるとの回答が説明された。

  • バイオシミラーに関する報告

 エタネルセプト先行品からバイオシミラーへの切り替えの使用経験に関する論文発表が報告された。委員より、皮下注製剤の液漏れの改善状況について質問があった。参考人より、改善の状況は不明であることが説明された。事務局より、同製剤は以前にも注射針の太さや製剤のpHが原因と考えられる投与時の痛みを指摘する報告があったことが説明され、今後も品質・安全性に関わる情報の収集に努めることが確認された。
 以上の内容について、確認され了承された。

(4)(独)医薬品医療機器総合機構の後発医薬品相談窓口相談について

 2024年度下半期の医薬品医療機器総合機構への相談内容について報告された(資料35-4)。相談件数の増加は、選定療養制度の開始に伴う相談が増加したためと考えられることが説明された。
 ヘパリン類似物質ローションの匂いに関する相談については、メーカーから医療機関へ情報提供は行われているが、患者さんに応じた対応の重要性について確認された。
 事務局より、相談があった製剤のうち一部については、今年度の製剤試験 WG の検討対象品目であり、次年度に溶出試験結果を報告する予定である旨が報告された。
 以上の内容について、確認され了承された。

(5)ジェネリック医薬品・バイオシミラー品質情報検討会ホームページでのバイオシミラーに関する情報提供について

 厚生労働科学特別研究事業において、バイオシミラーの情報発信手法に関する研究が実施され、その成果として、品質および市販後安全性等の情報提供を目的とした「パープルブック」のテンプレート作成と記載例について報告された(資料35-5)。
 委員より、医療専門職向けのみでなく、一般向けの情報提供に関して質問があった。事務局より、本事業では医療者を対象とした内容とすることとして研究班で議論を行ったが、資料の充足性を考慮して、今後、必要に応じて一般向けの情報提供も検討すると説明された。また、今後の展開についても質問があがり、事務局より、運用に向けて課題を抽出し、引き続き検討を進める旨が説明された。

(6)その他

 委員より、参考資料1にある相談内容について、実際に使用されている患者の意見は貴重であることから、メーカーと情報共有することで品質向上に役立つのではないかとの意見があった。事務局より、公表は想定していないものの、資料35-4にあるように品質関連の相談は企業にお知らせし意見を求めている旨説明された。

提出資料

  1. 議事次第[135.20KB]
  2. ジェネリック医薬品・バイオシミラー品質情報検討会メンバー[118.67KB]
  3. 資料35-1 第32 回検討会で検討対象となった製剤の溶出試験結果[5.99MB]
  4. 資料35-2-1 後発医薬品文献調査報告書(概要)[206.29KB]
  5. 資料35-2-2 後発医薬品文献調査結果のまとめ[590.98KB]
  6. 資料35-2-3 後発医薬品問題指摘論文集(著作権の関係で掲載できません)
  7. 資料35-3-1 バイオシミラー文献調査報告書(概要)[193.73KB]
  8. 資料35-3-2 バイオシミラー文献調査結果のまとめ[421.03KB]
  9. 資料35-3-3 バイオシミラー問題指摘論文集(著作権の関係で掲載できません)
  10. 資料35-4 医薬品医療機器総合機構後発医薬品相談受付状況[415.83KB]
  11. 資料35-5-1 ジェネリック医薬品・バイオシミラー品質情報検討会HP でのバイオシミラーに関する情報提供について[211.16KB]
  12. 資料35-5-2 厚生労働行政推進調査事業費補助金(厚生労働科学特別研究事業) 分担研究報告書3 (バイオシミラーに関する情報発信の手法の検討およびテンプレート作成)[2.20MB]
  13. 参考資料1 医薬品医療機器総合機構後発医薬品相談内容(2024年度下半期分)(相談内容の詳細を含むため非公表)