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独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
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安全対策業務

第37回ジェネリック医薬品・バイオシミラー品質情報検討会

開催日時等

 日時 令和8年8月28日(金曜日) 14時から16時
 場所 AP虎ノ門 ROOM A 及び Web

出席委員等(敬称略)

出席委員(13名)

齋藤嘉朗(座長)、磯崎哲男、澤木康平、橋場元、東光久、伊豆津健一、伊藤清美、奥田晴宏、田上貴臣、冨塚一磨、南博信、武藤正樹、渡邊善照

欠席委員(2名)

石井伊都子、大谷壽一

参考人

小野誠(日本製薬団体連合会)、河野典厚、大野公嗣(日本ジェネリック製薬協会)、永井祐子(日本バイオシミラー協議会)

事務局

国立医薬品食品衛生研究所

佐藤陽治(副所長)、加藤くみ子、吉田寛幸、小出達夫、坂本知昭、阿部康弘(薬品部)、石井明子、橋井則貴、柴田寛子、多田稔(生物薬品部)

国立健康危機管理研究機構

鈴木里和(薬剤耐性研究センター)、星野泰隆(真菌部)

厚生労働省

紀平哲也、岩崎優、文靖子、高健太、西方修馬、高橋淳子、松田慎一朗(医薬品審査管理課)、岩瀬怜、林亜友美、林明音、吉野巧望(監視指導・麻薬対策課)、宮﨑翔吾(医薬安全対策課)

医薬品医療機器総合機構

髙木和則、藤野隆介、野澤真由(ジェネリック医薬品等審査部)、大滝尚広、針生彩(再生医療製品等審査部)、真庭はるみ、木村絵梨、樋口優紀子、山崎真利江(安全性情報・企画管理部)

審議概要

(1)開会

委員13名の出席で開催された。
新たに委員となった日本医師会の磯崎哲男委員及び東京薬科大学の冨塚一磨委員が紹介され、それぞれ挨拶があった。

(2)第34回検討会で検討対象となった製剤の溶出試験等の結果について

第34回ジェネリック医薬品・バイオシミラー品質情報検討会において選定・了承された9品目(トルバプタンOD錠、ビルダグリプチン錠、リバーロキサバンOD錠、ゾニサミドOD錠TRE、エゼチミブ錠、オメプラゾール腸溶錠、エソメプラゾールカプセル、ファムシクロビル錠、レボフロキサシン錠)の溶出試験及び注射用バンコマイシン塩酸塩の純度試験について、製剤試験ワーキンググループ(製剤試験WG)による試験結果が資料37-1のとおり報告された。トルバプタンOD錠、ビルダグリプチン錠、リバーロキサバンOD錠、エゼチミブ錠、エソメプラゾールカプセル及びファムシクロビル錠については、いずれの製剤も先発品の溶出挙動又はオレンジブック掲載の溶出曲線との類似性が確認された。

  • ゾニサミドOD錠25 mg TRE:

ゾニサミドは血中濃度の管理が重要な医薬品であることから、類似性の許容範囲を広げずに判定した結果、3製剤で溶出が遅く、先発品と類似の範囲に無かった。製造販売業者への照会では、いずれも出荷時の溶出規格には適合していたものの、参考品を用いた試験では同様に溶出挙動が遅く、非類似又は判定値付近の結果となることが確認された。一方、ゾニサミドはBCSクラスIに該当し、かつ消失半減期が約100時間と長いことから、臨床的に有意な差を生じる可能性は低いとの製造販売業者からの見解が示された。さらに、溶出性の変動要因として、製造設備の経年変化によるコーティング状態への影響が考えられ、設備の再整備・調整後には先発品との類似性が確認されたことが報告された。委員からは、製造設備の経年変化が溶出性へ与える影響は重要な品質情報であり、継続的に確認すべきとの意見があり、事務局より当該3製剤について製剤試験WGで再試験を行い、品質を再度確認する旨が説明された。

  • オメプラゾール腸溶錠20 mg:

腸溶性製剤であることから、pH1.2では全製剤で溶出は確認されず、またpH6.0及びpH6.8では全製剤がオレンジブック又は先発品と類似の範囲にあった。一方、試験液を水とした結果では一部製剤でラグ時間に差が認められたが、水は緩衝能がなく試験液のpHが変動しやすいこと等から、腸溶性機能の差を直接反映するものとは判断し難く、類似性の判定対象としないこととした旨が説明された。水の結果を踏まえて追加で実施したpH4.0の試験では、2製剤の各1錠(6錠中)で90分又は120分時点で溶出が認められたが、うち1製剤は使用期限超過後に実施した試験であり参考情報とされた。なお、公的溶出規格には全製剤が適合していた。委員より、胃内pHが上昇した患者等では腸溶性コーティングが早期に溶解し、酸に不安定な主薬の分解によって吸収量が低下する可能性があるため、pH4~5付近の溶出挙動も考慮すべきとの意見が示された。現行の腸溶性製剤の開発時の評価では当該pH領域の試験は求められていないものの、主薬の特性を考慮すると臨床上の影響が懸念されることから、今後の検討課題とされた。

  • レボフロキサシン錠500 mg:

pH1.2において4製剤が先発品と非類似であり、このうち2製剤は承認時においても標準製剤と異なる溶出挙動を示しているが、生物学的同等性は確認されていた。残る2製剤について製造販売業者に照会した結果、開発時の自社製剤と溶出挙動は類似であり、開発時の品質を維持しているとの見解が示された。委員より、500 mg錠で差が認められた製剤については、含量違い製剤である250 mg錠についても確認すべきとの意見があった。本剤は抗菌薬であり慎重に確認することが望ましいことから、事務局より製剤試験WGにおける対象品目として250 mg錠の評価を検討する旨が説明された。
委員より、レボフロキサシンは腎機能低下患者では血中濃度の上昇に留意が必要な薬剤であることから、今回認められた溶出速度の差についても、その臨床的影響を慎重に確認することが望ましいとの意見が示された。

  • 注射用バンコマイシン塩酸塩:

純度試験の結果、全製剤が日本薬局方の規格に適合していた。委員より、今後の結果提示では相対保持時間に加えて保持時間も併記するよう要望があり、事務局で対応することとされた。
以上の内容について確認され、了承された。

(3)学会等での発表・研究論文について

後発医薬品及びバイオシミラーに関して、2025年度下半期(2025年10月~2026年3月)の文献及び学会発表について報告された(資料37-2、資料37-3)。

 3-1)後発医薬品に関する報告:

採用された論文及び学会報告は13報(注)であり、今回の調査期間において「問題指摘文献」に該当するものは0報であった。一方、「問題指摘文献として取り扱うべき事例であるか否かを本検討会で確認する」とされた学会報告2報(注)について、取扱いが検討された。(会議後事務局注:2報ともに「味覚等使用感その他」に分類することとされ、論文及び学会報告(資料37-2)は15報に修正済)

  • ベタメタゾン注射剤と医療用麻薬との配合変化:

在宅緩和医療を想定し、ベタメタゾン注射剤の先発品及び後発品と4種類の医療用麻薬との配合変化を評価した学会報告が紹介された。組み合わせや保管条件により先発品・後発品間で差が認められ、暗所保管により変化が抑制又は遅延する傾向が示され、製剤間差と光の影響を考慮した管理の重要性が確認された。
委員より、在宅医療では数日前に医療用麻薬を調製する場合もあり、実臨床上重要な情報であることから、医療関係者への適切な情報提供が必要との意見が示された。検討の結果、本報告は販売されている製剤の品質自体の問題ではないことから「問題指摘文献」ではなく「味覚等使用感その他」に分類する一方、本情報の実臨床上の有用性から、関連する製造販売業者へ本文献の情報を提供することとされ、JGA会員企業にはJGAから、JGA非会員企業への情報提供については、事務局が厚生労働省医薬品審査管理課と相談して対応することとされた。

  • ツロブテロールテープの先発品・後発品の放出挙動:

先発品と後発品1製品の放出挙動を比較した学会報告について、後発品では初期の放出が速いことが報告された。一方、当該後発品は血中薬物濃度を指標とした生物学的同等性試験により先発品との同等性が確認され、放出性は製剤ごとの規格で管理されていることが説明された。
委員より、初期の放出速度の差が効果の持続に影響しないかとの質問があり、事務局より、開発時の試験ではTmaxに差がみられるものの、AUC及びCmaxは生物学的同等性の範囲内であり、先発品と同等の効果が持続すると考えられる旨が説明された。検討の結果、本報告は「問題指摘文献」ではなく「味覚等使用感その他」に分類することが了承された。

 3-2)バイオシミラーに関する報告:

採用された文献及び学会報告は11報あり、そのうち品質関係1報、臨床関係3報の計4報が「問題指摘文献」として抽出され、問題なし文献は7報であった。

  • 国内で流通するバイオシミラーの品質特性比較:

国内で流通しているインフリキシマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、ベバシズマブ及びエタネルセプトの先行バイオ医薬品及びバイオシミラーについて、複数ロットの糖鎖プロファイル、電荷不均一性、高分子量体、結合活性、不溶性微粒子等を比較した学会報告が紹介された。一部のバイオシミラーで、先行品のロット分析結果から設定した類似性の範囲(Quality range)外の値やロット間変動が認められたものの、既報や審査資料等を踏まえ、品質上大きな問題を示すものではないとの見解が示された。
委員より、国内流通品を対象とした実測データは有用であり、どの製品・品質特性で差が大きかったのか確認したいとの意見があった。事務局より、関連研究成果を共有するとともに、今後も公的機関による国内流通品の品質評価・公表を継続することが重要との説明があった。

  • ラニビズマブバイオシミラーへの切り替えに関する前向き観察研究:

滲出型加齢黄斑変性患者においてアフリベルセプトからラニビズマブバイオシミラーへ切り替えた研究について報告された。評価可能35眼の94.3%で1年以上疾患活動性が制御された一方、2眼では滲出性変化が持続したためアフリベルセプトへ再切り替えが行われていた。企業見解では、アフリベルセプトとラニビズマブでは分子構造及び標的分子が異なるため、成分特性の違いによる反応性の差が一因と考えられるとされた。

  • ラニビズマブバイオシミラーへの切り替え後12か月の後ろ向き研究:

22例24眼中8眼が滲出性病変の悪化を理由に他剤へ変更されていたが、著者からは、疾患サブタイプ、アフリベルセプトとラニビズマブの薬剤特性の違い、切り替え後も同一投与間隔を維持したことによる相対的な治療強度不足等、複数の要因が考えられ、バイオシミラー固有の問題とは判断できないとの見解が示されたことが説明された。
委員より、アフリベルセプトとラニビズマブは標的や薬理学的特性が異なり、アフリベルセプトからラニビズマブへ変更すること自体が治療効果に影響した可能性を考慮すべきであり、今回の結果をバイオシミラー特有の問題として解釈すべきではないとの意見が示された。

  • VigiBaseを用いたバイオシミラーの有害事象報告の比較:

WHOの個別症例安全性報告グローバルデータベース(VigiBase)を用い、リツキシマブ及びベバシズマブの先行品とバイオシミラーの有害事象報告を比較した学会報告が紹介された。一部の有害事象でバイオシミラーの報告傾向が高かったものの、自発報告データであり、患者背景や適応疾患、併用薬等の影響を受けるほか、因果関係や実際の発現頻度を示すものではないとされた。著者からは、本結果はバイオシミラーの適正使用を否定するものではなく、継続的な情報収集及び市販後監視の重要性を示すものとの見解が示された。

以上の各報告について、現時点で後発医薬品又はバイオシミラーそのものの品質、有効性又は安全性の問題を示すものではないとの評価について、特段の異論は示されなかった。
一方、委員より、「問題指摘文献」という名称について、あらかじめ当該製品に何らかの問題が存在するとの印象を与え得るため、「要検討課題」等、より適切な名称への変更を検討してはどうかとの提案があり、事務局にて医薬品審査管理課と相談の上、より適切な名称への変更を検討することとされた。
また、委員より、海外ではバイオシミラーに関する報告が多いことから、海外事例も検討対象とするのか質問があった。事務局より、本検討会は国内で流通する医薬品の品質情報を検討することを目的としており、製造所等も異なり得る海外製品については基本的に対象としていないことが説明された。
以上の内容について、確認され了承された。

(4)(独)医薬品医療機器総合機構の後発医薬品相談窓口相談について

2025年度下半期(2025年10月~2026年3月)の医薬品医療機器総合機構への後発医薬品相談について報告された(資料37-4)。
品質等への懸念に関する具体的な相談として5件が報告された。各製造販売業者からは、製品規格への適合、生物学的同等性又は品質再評価時の溶出同等性等が確認されており、品質上の問題を示す情報は認められていないとの見解が示された。また、過去に実施した一斉試験等でも該当製品は規格に適合していたことが報告された。
事務局より、今回、催眠鎮静剤・抗不安剤に関する相談が複数みられたこと、これらの薬効群について製剤試験WGでまとめて試験を実施してから10年以上が経過していることから、改めて製剤試験WGの検討対象とすることが提案された。委員からも、精神神経系の医薬品については患者からの相談が多く、情報発信の観点からも検討する意義があるとの意見が示された。
以上の内容について、確認され了承された。

(5)その他

委員より、後発医薬品相談窓口への相談には、薬効への不安が背景にある場合もあり、科学的説明だけでなく、相談者の不安に配慮した対応も重要ではないかとの意見が示された。相談を受けているPMDAの担当者からは、添付文書等の公的文書に基づいて回答するとともに、相談者の話を傾聴するよう努めており、個別の診療上の判断については医師へ相談するよう案内しているとの説明があった。
また、委員より、市場流通製品の試験はジェネリック医薬品への信頼確保に重要である一方、近年の溶出性に係る品質管理の向上を踏まえ、従来の溶出試験に加え、ニトロソアミン等の新たな品質課題を検討してはどうかとの意見が示された。座長より、事務局及び医薬品審査管理課と相談しながら検討する旨が説明された。

提出資料

  1. 議事次第[127KB]
  2. ジェネリック医薬品・バイオシミラー品質情報検討会メンバー[118KB]
  3. 資料37-1:第34回検討会で検討対象となった製剤の溶出試験等の結果[3.61MB]
  4. 資料37-2-1:後発医薬品文献調査報告書(概要)[188KB]
  5. 資料37-2-2 後発医薬品文献調査結果のまとめ[533KB]
  6. 資料37-2-3 後発医薬品問題指摘論文集(著作権の関係で掲載できません)
  7. 資料37-3-1 バイオシミラー文献調査報告書(概要)[217KB]
  8. 資料37-3-2 バイオシミラー文献調査結果のまとめ[461KB]
  9. 資料37-3-3 バイオシミラー問題指摘論文集(著作権の関係で掲載できません)
  10. 資料37-4 医薬品医療機器総合機構後発医薬品相談受付状況[432KB]
  11. 参考資料1 医薬品医療機器総合機構後発医薬品相談内容(2025年度下半期分)(相談内容の詳細を含むため非公表)