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国際関係業務

COVID-19ワクチンの安全性に関するICMRAステートメント

ICMRA

 

本和訳は英語が正文であり、あくまでも参考訳です。齟齬がある場合には英語が優先します。


2023年6月26日付版



薬事規制当局国際連携組織(International Coalition of Medicines Regulatory Authorities (ICMRA))による本ステートメントは、現在では既に2年を超えて使用されてきたCOVID-19ワクチンの安全性に関する重要な情報を一般の方に提供するものである。また、本ステートメントは、COVID-19ワクチンの安全性に関するよくある誤情報のいくつかについても取り上げている。
 

お伝えしたいこと
  • COVID-19ワクチンは、SARS-CoV-2の感染による重症化、入院および死亡のリスクを有意に低下させる。
  • SARS-CoV-2は変異し続ける性質があることから、新しい変異株に対しても予防効果を維持し、世界中で何百万人もの命を救い続けるために、ワクチンの追加接種が必要となる可能性がある。
  • COVID-19ワクチンは、世界中で行われた130億回を超えるワクチン接種のエビデンスから、あらゆる年齢層において非常に良好な安全性プロファイルを有することが示されている。承認されたワクチンには、起こりうるリスクをはるかに上回る利点がある。
  • 副反応の大概は一過性かつ軽症である。一方で、安全性モニタリング(医薬品安全性監視)システムでは、非常にまれ(1万人当たり1人未満)だが重篤な副反応が確認されている。世界中の薬事規制当局は、これらの副反応による危害のリスクを低減するための措置を講じている。
  • あらゆる医薬品の場合と同様に、COVID-19ワクチン接種後の事象(副反応の疑い)の報告を収集し、当局が継続的に評価している。これらの評価から、ほとんどの場合、報告された事象はワクチンによって引き起こされたものではなかったことが示されている。
  • ソーシャルメディア上にある、COVID-19ワクチンの安全性に関する誤った又は誤解を招くような情報の多くは、副反応の頻度や重症度を誇張したものである。他にも、ワクチンに起因しない事象をワクチンに関連付けた誤情報もある。ワクチンの有害作用による死亡よりも、ワクチンの誤情報により個人がワクチン接種を忌避したことが、より多くの死亡をもたらした可能性が非常に高い。
  • COVID-19ワクチンがパンデミック中の超過死亡の要因となったエビデンスはない。超過死亡は、SARS-CoV-2の感染のピークとほとんど一致しており、特に、ワクチンが入手できなかった初期の頃に顕著である。実際は、COVID-19ワクチンが命を救い、SARS-CoV-2の感染に伴う重篤な危害を予防することを示す強力なエビデンスがある。
  • ​新たなエビデンスでは、ワクチン接種者ではCOVID後遺症が起こりにくいことも示唆されている。

 

COVID-19ワクチン接種の利点

COVID-19ワクチンの接種によって何百万人もの命が救われたと推定されている。この他にも、ワクチン接種の利点として医療システムへの過剰負担の増幅を回避すること及びロックダウン後の社会の再開を可能にすることが挙げられる。

ワクチン接種は、SARS-CoV-2の感染の有害な転帰を予防するための最も重要な手段のひとつである。SARS-CoV-2が軽症の病気で済むウイルスだと思っている人もいるかも知れないが、それまで健康であった成人および小児でも、感染すれば重篤な疾患や長期的な障害を引き起こす可能性がある。

新たな科学的エビデンスでは、ワクチンがCOVID後遺症の影響を軽減させることが示唆されている。世界保健機関によれば、「感染者の10人に1人がCOVID後遺症に至ると推定され、より長期の治療が必要となる人が何億人ともなることが示唆されている」。これは、SARS-CoV-2の感染が日常生活に支障を来すほどの影響がある可能性があり、若年者でそれまで健康であった人の場合でも、疲労、心疾患、脳卒中、記憶喪失及び腎障害などの臓器障害又は症状を引き起こす可能性があるためである。

ウイルスは現在も流行しており、多くの再感染を引き起こしている。このような状況は、免疫が弱い又は免疫の機能が低下している高齢者や患者には、特に危険となり得る。
 

十億回単位の接種規模を踏まえたCOVID-19ワクチンの安全性のエビデンス

2023年3月までに、世界中で130億回以上のワクチン接種が集団ワクチン接種事業で行われた。これには、小児および妊婦への何億回ものmRNAワクチン接種が含まれる。ワクチン接種事業のリアルワールドデータから、ワクチンの安全性プロファイルが非常に良好であることが示されている。

COVID-19ワクチンの、非常に安心できる長期の安全性データが出ている。これには、過去最大規模の臨床試験に参加した数万人の被験者のデータのほか、2年を超える集団ワクチン接種事業のデータも含まれる。

あらゆる医薬品の場合と同様、ワクチンの接種人口が増えるほど、極めてまれではあるが重篤な副反応が検出される可能性が高まる。多くの場合、これらのまれな事象(心筋炎など)は、SARS-CoV-2自体によって、ワクチン接種後の場合よりも、より高頻度かつより重症度が高い形で、ワクチン未接種者に引き起こされる可能性がある。

COVID-19ワクチンで最もよくみられる副反応は、軽度かつ一過性である。それには、発熱、注射部位の腫れと痛みなどがあり、10人に1人以下の割合で起こる。

ICMRAの加盟国では非常に強固な安全性モニタリングシステムで、継続的に疑われる副反応の報告を収集・分析している。また、規制当局は、臨床試験および観察研究を開始し、分析している。

ある事象が副反応の疑いとして報告されたことがすなわち、ワクチンがその原因であるという意味ではない。疑われる副反応を報告することは、一般市民や医療従事者を含め、誰でもできる。規制当局は、ワクチンとの因果関係があるのかを見極めるために、常にこれらの報告を分析している。その方法として、規制当局は、ワクチン接種者における事象の発生率と、パンデミック前およびワクチン未接種の集団における当該事象の発生率を比較している。規制当局は、この頑健かつ継続的な安全性モニタリングの一環として調査研究から得られたエビデンスなど、利用可能な他のあらゆるエビデンスも考慮する。副反応の疑いで報告されている事例は、ほとんどの場合、当該医薬品によって引き起こされたものではない。

規制当局は、アデノウイルスベクターワクチンによるまれな血栓症が報告された際と同様に、何らかの安全上の問題が検出された場合は直ちに措置を講じる。

各国の安全性モニタリングシステムは、協働してそれぞれのワクチンデータを共有しており、ワクチンの安全性の見通しに非常に役立っている。

心筋炎や心膜炎はmRNAワクチンの非常にまれな副反応である。通常、若年男性に発症し、適切な治療により回復する。心筋炎および心膜炎は、ワクチン未接種者におけるSARS-CoV-2の感染の合併症としても知られている。大規模研究により、SARS-CoV-2の感染により心筋炎になる可能性および重症度 [537.38KB]は、ワクチン接種による心筋炎の可能性および重症度よりもかなり高いことが実証されている。

血小板減少症を伴うまれな血栓症の症候群(血栓性血小板減少症候群(TTS))は、アデノウイルスベクターワクチンの非常にまれではあるが重篤な副反応である。この副反応は、医療従事者からの報告を受けて、安全性モニタリングシステムによって迅速に特定された。規制当局は直ちに製品情報を更新し、医療従事者、公衆衛生当局および市民にこのまれな副反応を認識させた。

ワクチン接種後に死亡した事例の報告は非常にまれである。何百万人もの人々がワクチン接種を受けている集団ワクチン接種事業中には、死亡事例がワクチン接種直後に偶然発生することが予想されている。ワクチン接種後の死亡事例が報告されていることがすなわち、ワクチンがそれらを引き起こしたという意味ではない。医療従事者は、ワクチンが原因であったのかが不明であっても、ワクチン接種後に発生した死亡事例を報告しようと思えばできる。非常に例外的な事例では、ワクチンによる死亡例が報告されている。(注1)

 

特別な集団におけるCOVID-19ワクチンの安全性

規制当局は、COVID-19ワクチンの利点と安全性プロファイルの確認に、集団ワクチン接種事業によって得られたリアルワールドデータを用いてきた。この情報は、臨床試験よりもばらつきが大きい条件下のリアルワールドにおける何百万人もの人々から得られたものである。

このリアルワールドデータにより、ワクチンが、基礎疾患を有する患者、免疫不全患者および妊婦のような特別な集団においても、一般集団と同様に安全であることが示されている。これらの集団は、COVID-19による合併症のリスクが高いため、ワクチン接種が強く推奨される。妊娠中の予防接種は、母親と胎児の両者を守る

COVID-19ワクチンは、成人と同様に小児においても安全である。この知見は、小児への数百万回分の接種から得られたデータに基づいており、小児臨床試験の知見と一致している。ほとんどの健康な小児ではSARS-CoV-2の感染による症状は比較的軽度のようであるが、SARS-CoV-2の感染により、MIS-Cと呼ばれるまれな炎症性症候群などの重篤な合併症または後遺症を発症する可能性は依然としてある。

残念ながら、健康な小児を含む一部の小児がSARS-CoV-2の感染によって死亡している(米国だけでも1300人以上)。米国では、COVID-19により引き起こされた小児死亡例の方が、ワクチンで予防可能な主な疾患でワクチンが利用可能になる以前に引き起こされた死亡例よりも多数であったという研究が報告されている。
 

COVID後遺症(Long COVID)とワクチン

SARS-CoV-2に感染すると、COVID後遺症を引き起こす可能性があることが科学的なエビデンスから示されている。この状態は、感染の初期症状から回復後数週間または数か月にわたる、長期的な臓器障害(心血管代謝神経消化器官腎臓など)または死亡 [403.43KB]にまでつながる可能性がある。

ワクチン接種後にSARS-CoV-2に感染した患者は、ワクチン未接種者の場合よりも、COVID後遺症の症状の報告が少ない傾向があることが、複数のリアルワールドデータ研究により示されている。これがどの程度一般的であるかを明らかにするには、さらなる研究が必要である。

ソーシャルメディア上には、COVID-19ワクチンとCOVID後遺症との関連を主張するものが流布されているが、各国の規制当局が保有する非常に膨大なデータからは、COVID後遺症がCOVID-19ワクチンの副反応である可能性を示唆する安全性シグナルは示されていない。
 

COVID-19ワクチンの安全性に関する虚偽情報

COVID-19ワクチンに関する虚偽の情報により、必要なワクチンの接種を避けてしまった場合、死亡や重篤な疾患につながる可能性がある。ソーシャルメディア上では、COVID-19に関する虚偽の情報 (意図しないもの(誤情報)及び意図したもの(偽情報)ともに)が拡散されているため、情報は信頼できる情報源(医療従事者、科学的な根拠のある情報源、国の薬事規制当局)から取得することが重要である。

ワクチンの安全性データベースで報告された死亡事例の数や疑われる副反応の症例数について誤った解釈をしている人もいる。ワクチン接種を受けた人に有害事象や死亡が発生したということがすなわち、そのワクチンが原因であるという意味ではない。規制当局は、因果関係を示すシグナルがあるかどうかを判断するために、これらの医薬品の使用後に発生した有害事象の報告を評価し、もしシグナルが検出された場合は適切な措置を講じる。

ソーシャルメディア上には、COVID-19ワクチンが超過死亡の原因であるとする誤った主張も載っている。パンデミックが始まって以来、死亡者数が例年の予想される死亡者数と比較して増加した国が多いが、超過死亡率のピークがパンデミックのピークと一致することから、超過死亡数とCOVID-19との因果関係は明らかである。特に、超過死亡率が最高のピークに到達したのは、2020年の、まだワクチンが入手できなかった当時、初期の頃のCOVID-19のピーク時であった。死亡率の増加はCOVID-19と関連しているが、COVID-19ワクチンが超過死亡率を引き起こしているというエビデンスはない。実際は、COVID-19ワクチンは何百万人もの命を救ってきた。

ソーシャルメディア上には、COVID-19ワクチンが免疫障害を引き起こし、これが小児を含め、他の多くの種類の感染症を急増させているという誤った情報が流布されている。COVID-19ワクチンの接種が免疫障害を引き起こすことを示すエビデンスはない。実際は、SARS-CoV-2の感染が免疫障害を引き起こすことが知られている。特に、重度のCOVID-19感染者では、リンパ球の減少に苦しむ患者が非常に多く、またCOVID後遺症を有する患者においても同様である。さらに、SARS-CoV-2の感染が糖尿病などを含む多くの自己免疫疾患を引き起こす可能性があると報告している研究が多数ある。

また、血栓や脳卒中のような深刻な健康上の問題が、mRNAワクチンの接種に起因しているとする虚偽情報もあるが、これらはSARS-CoV-2の感染の既知の合併症であり、ワクチンはこのような重度のCOVID-19合併症を予防する。

ワクチンに関する情報源が、信頼できるものであり、最新の研究結果を踏まえていることを確実にすることが重要である。信頼できる情報源として、医療従事者、科学的な根拠のある情報源、薬事規制当局および公衆衛生当局が挙げられる。

COVID‐19ワクチンの安全性に関する虚偽情報は危険であり、近年ますます問題となっているワクチン接種忌避の一因となり得る。また、通常行われているその他の、命を救う小児期の予防接種に対する信頼にも影響を及ぼしかねない。

ICMRAは、COVID-19ワクチンの安全性と、COVID-19がもたらす重度の疾病からあらゆる年齢層の人々を守る上での利点を強く支持している。


ICMRAとは
ICMRAは、WHOをオブザーバーとして、世界の全地域より38の薬事規制当局を集めた団体。薬事規制当局は、人の保健に必要な安全・効果的・高品質な製品へのアクセスを促進することの重要性を認識している。具体的には、新たな基準の設定や、意思決定プロセスの駆動が必要な科学の進歩に遅れを取らず、また、製品に関連するいかなるリスクをも上回るベネフィットを保証しつつ、革新的な医療製品の発展と送達のサポートする効率的な規制プロセスを維持することである。

 

(注1)一例として、「COVID-19アデノウイルスベクターワクチンによる血栓性血小板減少症候群」が挙げられる。