2017年7月31日に、厚生労働省から、生命に重大な影響があり、既存の治療法に有効なものがない疾患を対象とする革新的な医療機器について、その臨床開発に著しい困難を伴うと認められる場合に、医療機器のリスクとベネフィットのバランスを図りつつ、早期の実用化を促進する「革新的医療機器条件付早期承認制度」の具体的な方針が公表されました。
当該制度は、以下の内容を盛り込んでおります。
- 製造販売後のリスク管理を、関連の学会との緊密な連携の下であらかじめ計画した「医療機器製造販売後リスク管理計画」を当該品目の承認申請書の添付資料として受け入れる。
- 承認審査において、当該リスク管理が適切に実施されることを前提として、市販前に入手しうる臨床データを基に当該医療機器の有効性、安全性等を確認する。
- 承認に際し、当該リスク管理の内容を医薬品医療機器法に基づく承認条件とすることでその実施を担保し、市販前の臨床データが限定的であることに鑑みて、実施症例が増えるまでの間、慎重かつ適切に当該医療機器が使用されるようにする。
PMDAとしても、厚生労働省とともに、この制度に取り組んでまいります。
なお、この「革新的医療機器条件付早期承認制度」は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和元年法律第63号)により法制化され、2020年9月1日に施行することとされております。
関連通知
法制化後の関連通知
- 「医療機器及び体外診断用医薬品の条件付き承認の取扱いについて」(2020年(令和2年)8月31日 薬生機審発0831第2号)[178KB]
- 「医療機器及び体外診断用医薬品のリスク管理計画の策定及び公表について」(2020年(令和2年)8月31日 薬生機審発0831第3号、薬生安発0831第1号)[377KB]
- 「医療機器及び体外診断用医薬品のリスク管理指針について」(2020年(令和2年)8月31日 薬生機審発0831第4号、薬生安発0831第2号)[167KB]
(旧)革新的医療機器条件付早期承認制度の関連通知
- 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令」、「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令の一部を改正する省令」及び「医療機器の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令の一部を改正する省令」の施行について(2017年(平成29年)7月31日 薬生発0731第4号)[198KB]
- 「医療機器製造販売後リスク管理計画の策定について」【2017年(平成29年)7月31日 薬生機審発0731第3号・薬生安発0731第3号(2019年(令和元年)10月15日 薬生機審発1015第2号・薬生安発1015第1号により 一部改正)】[276KB]
- 「医療機器製造販売後リスク管理指針について」(2017年(平成29年)7月31日 薬生機審発0731第1号・薬生安発0731第1号)[240KB]
関連情報等
- 対面助言
革新的医療機器条件付早期承認制度によって承認申請を行うことを希望する場合は「医療機器開発前相談」を、新たな臨床試験を実施せずに承認申請を行う場合は申請前に「医療機器臨床試験要否相談」を実施する必要があります。
対面助言の実施要綱及びその他の相談の詳細はこちら