2014年11月25日に施行された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法)では、国際整合性等を踏まえて、疾病の診断・治療等を目的とした単体プログラム(ソフトウェア)についても医療機器としての規制対象としており、多くのプログラム医療機器が開発され、製造販売承認等されています。
PMDAでは、最先端のプログラム医療機器の早期実用化を促進するため、プログラム医療機器の承認審査に関連した情報をまとめて掲載しています。今後も最新情報の公表に伴い、掲載情報を更新していく予定です。
なお、認証については、第三者認証の医療機器に関するページをご確認ください。
医療機器該当性について
医薬品医療機器等法において、規制対象となるプログラム医療機器は、医療機器としての目的性を有しており、かつ、意図したとおりに機能しない場合に患者(又は使用者)の生命及び健康に影響を与えるおそれがあるプログラム(ソフトウェア機能)(人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないもの(一般医療機器に相当するもの)を除く。)とされています。
具体的な考え方等については、以下の通知をご確認ください。
プログラムの医療機器該当性に関する相談は、厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課にて一元的に実施されています。開発予定あるいは開発中のプログラムの医療機器該当性を確認したい場合は、以下のページに従って、医療機器プログラム総合相談のうち医療機器該当性に関する相談をお申し込みください。
なお、厚生労働省のホームページでは、プログラム医療機器事例データベースが公表されていますので、参考にしてください。
また、厚生労働科学研究費補助金 令和3年度「国際整合性を踏まえたプログラムの医療機器該当性に係る論点抽出のための研究(21CA2022)」、令和4-5年度「プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン改定に向けた研究(22KC1006)」(研究代表者:公益財団法人医療機器センター 鈴木孝司)の一環として、「医療のプログラム開発のきほんープログラムの医療機器該当性に関するガイドラインの基本がよくわかるサイト」が公開されています。プログラムの医療機器への該当性等について、わかりやすく説明されているとともに、医療機器該当性の判断に関する想定事例クイズで判断練習をすることができますので、参考にしてください。
PMDAが実施するプログラム医療機器に関する相談について
PMDAでは、製造販売業者等からの申し込みに応じて、プログラム医療機器の治験や再評価・再審査にかかる臨床試験について指導・助言を行っています。治験相談等では、実施しようとしている治験の倫理性、科学性、信頼性及び被験者の安全性を考慮し、承認申請に必要な要件を正しく満たしているかを確認するとともに、治験の質的な向上等を目指して指導・助言いたします。また、品質や非臨床試験等についても指導・助言を行います。
治験相談等は有料での実施となるため、まずは全般相談や準備面談、医療機器プログラム総合相談のうち薬事開発に関する相談(以下「薬事開発に関する相談)」といいます。)を活用し、治験相談等を円滑に進められるように、事前に相談項目の整理等を行い、論点をより具体化、明確化することをご検討ください。準備面談は有料で、全般相談と医療機器プログラム総合相談は無料で実施していますが、いずれの相談も回数制限はなく、相談内容に大きな差はありません。全般相談や準備面談、薬事開発に関する相談のいずれの相談を活用するかは、相談者のご都合に合わせて選択可能です。
臨床評価の要否や承認申請に必要な評価の充足性等について、PMDAの見解を問う場合には治験相談等を実施することになります。治験相談等は相談区分により手数料が異なるため、治験相談等の相談区分は、全般相談等においてご確認ください。また、治験相談等の申し込み方法などについては、PMDAのホームページをご確認ください。
なお、主に大学、研究機関、ベンチャー企業を対象として、医療機器の開発製品候補選定の最終段階から、主に臨床開発初期(POC(Proof of Concept)試験(前期第II相試験程度)まで)に至るまでに必要な試験・治験計画策定等に関して、指導・助言を行う相談制度として、対面助言(RS戦略相談)を実施しています。日本発の革新的な医療機器の実用化に向けて、一定の要件を満たす大学・研究機関、ベンチャー企業の方は低額の手数料で対面助言(RS戦略相談)を実施することが可能です。
低額要件を満たす等のため、RS戦略相談の活用をご検討の場合も、対面助言(RS戦略相談)を円滑に進められるように、事前に相談項目の整理等を行い、論点をより具体化、明確化するため、事前面談(RS戦略相談)をお申し込みください。
現時点で調整可能なプログラム医療機器審査部が実施する対面助言(簡易相談を除く。)の時期は、以下のとおりです(更新日:1月22日)。なお、事前見解を希望される場合は当該時期に事前見解の発出となり、面談はその2週後となります。今後、対面助言の実施をご検討いただいている方はご注意ください。調整可能な対面助言の時期については、2週間ごとを目途に更新予定です。
- 調整可能な対面助言の時期;2025年5月以降
対面助言の実施に向けて、すでに全般相談等を実施している方で日程調整に関してご質問がある場合は、全般相談等の主担当まで連絡ください。また、対面助言の実施を予定しているものの、まだ全般相談等を実施していない場合は、日程調整依頼書の提出前に、全般相談等の申込みをお願いいたします。
また、これまで実施した全般相談等において、よくご質問いただく点について、「プログラム医療機器に関するよくある質問」として取りまとめました。今後の開発の参考にしてください。本Q&Aは、通知発出等に応じて、適宜更新することを予定していますので、必ず最新版を確認してください。
承認審査について
製造販売承認審査
医療機器とは何か、医療機器のクラス分類、製造販売手続、承認申請区分、承認審査に関係する調査等については、こちらでご確認ください。また、承認申請等手続きや、オンライン提出を利用するにあたっての留意事項については、こちら、PMDAの承認審査に関するトピックについては、こちらをご確認ください。
信頼性調査
医療機器の非臨床試験に係る適合性書面調査や臨床試験に係る適合性書面調査及びGCP実地調査の実施手続きや留意点等については、こちらをご確認ください。
QMS適合性調査
医療機器の製造販売業者や登録製造所に係るQMS(Quality Management System)調査の実施手続きや留意点等については、こちらをご確認ください。なお、QMSに関する通知等は、こちらでご確認ください。
プログラム医療機器関連通知について
プログラム医療機器に関する評価指標等について
次世代医療機器評価指標
次世代医療機器・再生医療等製品評価指標として発出された通知は、国立医薬品食品衛生研究所ホームページよりご確認ください。
科学委員会
PMDAは、医薬品・医療機器・再生医療等製品審査等業務の科学的側面に関する事項を審議する機関として、2012年5月14日に科学委員会を設置しました。科学委員会では、プログラム医療機器に関連する事項についても議論が行われ、議論の取りまとめ報告書が公表されています。
科学委員会に提出された資料や議論の取りまとめ報告書は、科学委員会運営業務のページよりご確認ください。
No. | 公表済みの議論の取りまとめ報告書 |
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1 | AIを活用した医療診断システム・医療機器等に関する課題と提言2017[1.27MB] |
2 | コンピューターシミュレーションを活用した医療機器ソフトウエアの審査の考え方に関する専門部会報告書[1.64MB] |
3 | AIを活用したプログラム医療機器に関する報告書[1.61MB] |
医療機器プログラム(SaMD)の審査ポイント
2022年6月7日に閣議決定された「規制改革実施計画」<医療・介護・感染症対策>(4)質の高い医療を支える先端的な医薬品・医療機器の開発の促進 No.13 プログラム医療機器(SaMD)に関する承認審査等の見直しに基づき、厚生労働省は、類型ごと、対象疾患ごとに承認実績が存在するSaMDについて、早期に登録認証機関による認証に移行するよう、 産業界の協力も得つつ、認証基準の策定及び改正を主体的に行うこととなり、同時にPMDAによる承認審査について、開発事業者の予見性を高めるために、あらかじめ審査のポイントに関する情報(有効性・安全性を評価するた めの試験条件や評価のポイント等)を整理・ 公表することとなりました。
2014年以降に承認を取得した医療機器プログラム(SaMD)から、審査のポイントに関する情報を整理し、順次公表いたします。
プログラム医療機器の承認情報について
プログラム医療機器の実用化促進のための取り組みについて
DASH for SaMD
2020年11月24日、厚生労働省は「プログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略(DASH for SaMD:DX (Digital Transformation)Action Strategies in Healthcare for SaMD(Software as a Medical Device))」を公表し、プログラム医療機器の実用化を促進するため、プログラム医療機器の特性を踏まえた承認審査制度及び承認審査体制の整備が計られてきました。
PMDAでは、Dash for SaMDに基づき、2021年4月1日に承認審査体制等の強化を実行いたしました。PMDAでは、今後も関係者との意見交換を続け、プログラム医療機器の早期実用化に向けた取り組みを続けます。
- PMDAプログラム医療機器審査室の設置
医療機器審査第一部と医療機器審査第二部で審査をしている領域の中で、プログラム医療機器に分類される領域を専門に審査するプログラム医療機器審査室が設置されました。
- プログラム医療機器に関する一元的相談窓口の設置
プログラムの医療機器該当性に関する相談、プログラム医療機器の薬事開発に関する相談及び医療保険に関する相談について、一元的に相談を受け付ける窓口を設置しました。
DASH for SaMD 2
2023年9月6日、厚生労働省及び経済産業省は「プログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略2(DASH for SaMD:DX (Digital Transformation)Action Strategies in Healthcare for SaMD(Software as a Medical Device)2)」を公表し、プログラム医療機器の更なる実用化促進と国際展開の推進にむけて対応していくことになりました。
DASH for SaMD 2で、PMDAの「プログラム医療機器審査室」を「プログラム医療機器審査部」に組織改編し、プログラム医療機器に係る相談・審査体制を強化するとされていることを踏まえ、PMDAでは、2024年(令和6年)7月1日に「プログラム医療機器審査室」を「プログラム医療機器審査部」に組織改編しました。なお、組織改編に伴う審査員の増員により、1チームによる相談・審査体制から、領域ごとの2チームによる体制に拡充しました。
チーム名 | 担当領域 |
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D1 | 眼科・耳鼻科領域、心肺循環器領域、ロボティックス・IoT・その他領域 (医療機器審査第一部の担当領域) |
D2 | 精神・神経・呼吸器・脳・血管領域、消化器・生殖器領域、歯科・整形・形成領域 (医療機器審査第二部の担当領域) |
また、SaMDの特性を踏まえた実用化促進の一環として、関連工業会よりプログラム医療機器に係る二段階承認の想定事例集が公表されていますので、参考にしてください。
- 疾病診断用プログラム(一般社団法人 日本医療機器産業連合会ウェブサイト)
- 疾病治療用プログラム(日本デジタルヘルス・アライアンスウェブサイト)
プログラム医療機器に係る優先的な審査等
新しい資本主義実行計画フォローアップ(2022年6月7日閣議決定)において、「プログラム医療機器の実用化の促進のため、2022年度中に、革新的なプログラム医療機器を指定し優先的に承認審査を行う制度を試行的に導入する」とされたことを踏まえ、プログラム医療機器に係る優先的な審査等の対象品目を指定し、優先的な相談・審査、コンシェルジュ対応等を試行的に実施しています。
優先的な審査等に指定された対象品目の一覧表は以下のとおりです。
過去の実施に係る通知は以下のとおりです。
- 「プログラム医療機器に係る優先的な審査等の試行的実施について」2022年(令和4年)9月2日薬生機審発0902第2号[170KB]
- 「プログラム医療機器に係る優先的な審査等の試行的実施(第二回)について」2023年(令和5年)6月30日薬生機審発0630第2号[168KB]
先駆的医療機器や先駆け審査指定制度
2014年(平成26年)6月17日に、厚生労働省から、革新的医薬品等の実用化促進に向け、「先駆けパッケージ戦略」が公表されました。「先駆けパッケージ戦略」は、世界に先駆けて革新的医薬品等の実用化を図るため、基礎研究から臨床研究・治験、承認審査、保険適用、国際展開までの対策を一貫してパッケージで推進するものとされています。
これを受けて、2015年(平成27年)度より「先駆け審査指定制度」を厚生労働省とともに試行的に取り組んでまいりました。これを踏まえて、2019年(令和元年)の法改正により、新たに先駆的医薬品等が法制化され、新たに「先駆的医薬品等指定制度」として創設されました。
先駆的医療機器は、医薬品医療機器法に基づき、画期性、対象疾患の重篤性、対象疾患に係る極めて高い有効性などの条件に合致するものとして、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定するものです。 本制度は、先駆的医療機器に指定されたものについて、薬事承認に係る相談・審査における優先的な取扱いの対象とするとともに、承認審査のスケジュールに沿って申請者における製造体制の整備や承認後円滑に医療現場に提供するための対応が十分になされることで、更なる迅速な実用化を図るものです。PMDAでは、厚生労働省とともに本制度に取り組んでいます。
なお、関連通知等については、「先駆的医薬品等指定制度(先駆け審査指定制度)」をご覧ください。
また、先駆的医薬品等指定制度、先駆け審査指定制度の対象品目の一覧表は、「先駆的医薬品等指定制度、先駆け審査指定制度の対象品目一覧表」をご覧ください。
承認申請等支援事業
PMDAでは、国からの補助金事業として、一定条件の中小・ベンチャー企業に対し、要件を満たす医療機器・再生医療等製品・体外診断用医薬品に係る相談及び承認申請の手数料について、全額納付後に5割を助成する「革新的医療機器等相談承認申請支援事業」を実施しています。
また、小児用医療機器の承認申請にかかる手数料について、全額納付後に9割(ただし、一定の条件があり、また補助金額に上限があります)を助成する「小児用医療機器の承認申請支援事業」を実施しています。
詳細は、「「革新的医療機器等相談承認申請支援事業」の実施について」あるいは「「小児用医療機器の承認申請支援事業」の実施について」をご覧ください。
プログラム医療機器に関する講習・講演等情報について
プログラム医療機器に関する講習会資料等
- 令和5年度 製造販売業者向け医療機器プログラム(SaMD)の審査ポイント等に関する説明会
- 令和5年度 医療機器規制と審査の最適化のための協働計画における承認審査等に関するオンライン講習会
講習会動画(You Tube(PMDA Channel))
- 令和5年度 プログラム医療機器に関するオンライン講習会
講習会動画(You Tube(PMDA Channel))
プログラム医療機器に関する講演実績
<2024年度>講演タイトル | 講演者 | 学会名等 | 講演年月 |
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SaMDの動向と規制 | 古森 亜矢 | 第34回日本臨床工学会 | 2024年5月18日 |
AI応用医療機器の承認審査の現状 | 岡﨑 譲 | 第63回日本生体医工学会大会 | 2024年5月23日 |
プログラム医療機器の薬事規制について | 盛山 真奈美 | 第38回人工知能学会 | 2024年5月29日 |
プログラム医療機器審査のポイント | 弓場 充 | 東北大学病院2024年度 第3回臨床研究講習会 | 2024年6月20日 |
概説:AI/MLを用いたプログラム医療機器の審査の論点 | 加藤 健太郎 | 第6 回日本メディカルAI 学会学術集会 | 2024年6月21日 |
DTxの薬事規制 | 小志戸前 葉月 | 日本消化器病学会第5回ビッグデータ・AI研究会 | 2024年6月23日 |
行政の考え方 | 小池 和央 | 2024年 第4回あすなろ塾 | 2024年6月28日 |
AI医療機器の審査 | 岡﨑 譲 | Medical Device Design Course 2024 | 2024年7月6日 |
医療機器評価(医療機器の審査制度・SaMD) | 小池 和央 | 医療機器薬事開発講座2024 医療機器の規制と基礎の実践2 | 2024年7月12日 |
プログラム医療機器の承認審査の考え方 | 小池 和央 | 第30回 日本心臓リハビリテーション学会学術集会 | 2024年7月14日 |
SaMDの法規制と承認審査の考え方について | 小志戸前 葉月 | 基盤医学特論 メディカルスタートアップ基礎セミナー | 2024年7月22日 |
クリニカルシーケンスに係る薬事等の規制と薬事承認審査について | 田中 孝仁 | 第9回クリニカルバイオバンク学会総会 | 2024年8月2日 |
国内におけるプログラム医療機器の審査について | 江面 崇智 | 第43回日本医用画像工学会大会 | 2024年8月6日 |